命の源=水・種子・食の安全が脅かされている
2月8日、参議院議員会館講堂において
「グローバリズムは私たちを幸せにするか!?
シンポジウム PART3」
が開催された。
満席の会場で熱気溢れる講演ならびにトークが繰り広げられた。
構成は第1部が堤未果さんによる講演、
第2部が堤さんを交えたトークセッションだった。
トークセッションにはソーヤー海さん、元農水大臣の山田正彦さんが加わり、私がコーディネーターを務めさせていただいた。
TPP11が発効し、日欧EPAが発効し、日米FTA協議もこれから本格化する。
グローバリズムが日本全体を覆い尽くすなかで、この動きを私たちはどう評価するのか。
そのなかで、これらの動きに抗い、どのような活動を展開してゆくべきなのか。
参加者の一人一人が問題を考察する、とても有意義な機会になった。
堤さんはTPP11や日欧EPAの制度的な枠組みを無味乾燥に解説するのではなく、私たちにとって身近で、しかも切実な問題に絞り込んで、一つ一つに丁寧に問題を掘り下げられた。
極めて分かりやすい、参加者の心を掴む卓越した講話をされた。
冒頭に取り上げた問題が水の問題だ。
水道事業を民間事業者に委ねる「コンセッション」が水道事業に導入される。
すでに宮城県や浜松市が水道事業のコンセッションを具体的に進行させている。
公的事業を民間事業者に委託する「民営化」が急激な勢いで進展し始めている背景にTPPや日欧EPAがある。
国境を越えてビジネスを強大化させる多国籍企業はなぜ水道事業や種子ビジネスに強い関心を示すのか。
答えは単純明快だ。
これらのビジネスが儲かるからだ。
資本の論理は単純明快。
儲かるから食い込んでくる。
ただそれだけだ。
世界のなかで水道の水を安心して飲むことができる国は非常に限られている。
日本は世界有数の水資源大国だ。
日本の国民は価値の高い水資源を安価に、無制限に利用できる特権を有してきた。
しかし、水道が民営化されるとどうなるか。
水道料金は民間企業の裁量に委ねられることになる。
利潤を拡大するために何をするか。
経費を抑えて料金を上げる。
事業者は利益を増大させ、利用者は高い費用負担を強要される。
世界で推進されてきた水道民営化は人々に不利益を与えてきた。
だからこそ、世界で水道事業が再び公営化されつつあるのだ。
日本は周回遅れで民営化を推進するという危険な逆走状態に突き進んでいる。
水道事業は公的管理の下に置き、公債発行で設備を更新するべきである。
経営が放漫化しないように、市民による経営監視の仕組みを作ればよい。
ひとたび民営化されてしまうと、公営に戻すことが非常に困難になる。
法外な違約金の支払いが求められ、事業者は巨額の損害賠償を求めることになるだろう。
民営化させてはならないのだ。
堤さんは『日本が売られる』(幻冬舎)を刊行されたが、
タイトルが「日本が売られた」ではなく「日本が売られる」であることに意味があるのだと力説された。
「日本が売られる」ことを、まだいまなら変えられる。
変えなければならないのだ。
そのために、私たちはこれから、どのような取り組みを進めてゆくべきか。
シンポジウムでは大きな気づきが数多く与えられたと思う。
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