2019年トランプリスク暴発の可能性が高まる
今年も残すところ1週間となった。
2019年には改元、参院選、消費税増税が控えている。
一つの時代が終わり、一つの時代が始まるということになるが、その足下が覚束ない。
世界経済に暗い足音が近付いている。
米国のトランプ大統領がパウエルFRB議長の解任をちらつかせ始めた。
力量、実績ともに非の打ち所がないイエレンFRB議長を退任させて、パウエル氏をFRB新議長に登用したのはトランプ大統領である。
そのトランプ氏は2016年の大統領選まではFRBに利上げを強く求めてきた。
ところが、大統領に就任すると、FRBの利上げ政策を非難し続けている。
利上げは株価下落をもたらし、時の政権に不利に作用し、利上げ中止は株価を支持して時の政権に有利に作用すると判断しているように見える。
だから、前政権の任期中はFRBに利上げを求め、自分の政権になったらFRBの利上げを批判しているということになるが、これでは、適正な政策運営の主張には映らない。
私はトランプ大統領の「三つの過剰」がトランプ政権の先行きに暗い影を落とすことになることを警告している。
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「三つの過剰」とは
1.米中貿易戦争の過剰
2.人事の過剰
3.FRB介入の過剰
である。
トランプ大統領は中国の対米輸出5000億ドルの約半分に制裁関税を課す方針を示している。
税率は25%とされる。
最大の制裁関税設定は対米輸出2000億ドル分への課税で2019年1月実施の方針が示されてきた。
12月初の米中首脳会談で、制裁関税発動に90日間の猶予が設定されたが、現時点で発動取りやめの方針は示されていない。
米国の対中輸出は1500億ドル規模で、米中の関税率引き上げ競争が実行された場合の一次的ダメージは中国の方が大きい。
この「計算」から過激な関税率設定方針が示されてきたわけだが、中国経済が崩壊すれば米国が影響を免れることはできない。
米中の相互依存関係、中国経済の米国にとっての重要性を正しく認識できていない疑いが強い。
他方、トランプ大統領がFRBの政策運営に関心を持つことは当然だ。
しかし、トランプ大統領が金融政策を支配することは間違っている。
日本でも政治が日本銀行の政策運営に介入することが行われてきた。
とりわけ安倍内閣は日銀を実質的に私物化して、金融政策をアベ色に染め抜いてしまった。
しかし、そのために、日本銀行のバランスシートが膨張し、日本銀行は途方もない潜在的な財務リスクを抱え込んでしまっている。
政府が中央銀行を支配することは邪道なのである。
米国ではトランプ大統領がパウエルFRB議長の解任を公言し始めた。
仮にパウエル氏が更迭された場合、後任人事は難航を極めることになる。
トランプ大統領に服従することが新議長の要件とされることになるだろう。
FRBに対する信任は完全に吹き飛ぶことになる。
トランプ大統領はFRBに対してだけでなく、政権のすべての閣僚、幹部に対して「過剰な人事采配」を振るっている。
11月6日に実施された米中間選挙について、トランプ大統領は勝利宣言をしたが、これはうわべを取り繕ったものである。
中間選挙結果はトランプ大統領に極めて厳しいものだった。
2019年にトランプリスクが一気に拡大するリスクが存在する。
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