辺野古基地NO県民の暮らし最優先玉城氏圧勝
沖縄県知事選で玉城デニー氏が圧勝した。
玉城デニー(無所属・新)=当選 396,632票
佐喜真淳(無所属・新) 316,458票
兼島俊(無所属・新) 3,638票
渡口初美(無所属・新) 3,482票
当日有権者数は114万6815人。投票率は63.24%(前回64.13%)だった。
期日前投票者数は過去最多の40万6984人で、投票者数約72万5000人の半数を超えた。
玉城氏の得票数は、1998年に稲嶺恵一氏が獲得した37万4833票を超えて沖縄県知事選で過去最多となった。
まずは、沖縄県の主権者の良識ある判断と行動に敬意と感謝の意を表明したい。
この選挙は沖縄の未来を左右するとともに、日本政治全体の今後の方向性に大きな影響を与える重大性を有していた。
安倍晋三氏が自民党党首に3選された直後の最重要選挙であり、安倍内閣新体制にとって、極めて重要な最初の試金石であった。
また、玉城氏が辺野古米軍基地建設反対の意思を明示して選挙に臨んだことから、選挙は辺野古米軍基地建設の是非について、沖縄県民の総意を問う意味を兼ねていた。
辺野古に新しい米軍基地を建設する必然性・必要性はすでに消滅している。
沖縄の基地負担は明らかに過大で、日本政府は米国政府に辺野古基地建設の中止を伝達するべきである。
しかし、安倍内閣は米国に対して何も言えない政権と化しており、沖縄に理不尽な仕打ちを示し続けてきた。
翁長雄志前知事が急逝したことから、11月に予定されていた知事選が繰り上げ実施されることになった。
安倍内閣は翁長知事が埋め立て承認を撤回した後、法廷闘争に持ち込み、辺野古基地問題を争点からはずして知事選を戦う計画だった。
ところが、埋め立て承認撤回の直前に翁長知事が急逝し、翁長氏の遺志を受け継いで沖縄県が埋め立て承認を撤回したことから、辺野古米軍基地建設の是非が知事選の最重要争点に位置付けられることになった。
知事選はオール沖縄の後継者としての玉城デニー氏と安倍政権が支援する佐喜眞淳氏による、事実上の一騎打ちになった。
辺野古米軍基地建設の是非が最重要争点と位置付けられるなかで、玉城氏が基地建設反対の立場を明確にしたのに対し、佐喜眞氏は最後まで基地建設に対する態度を表明しなかった。
佐喜眞氏が当選すれば基地建設を容認することは間違いないとすべての主権者が判断していたが、佐喜眞氏は態度を明らかにしなかった。
主権者に対して誠実さを欠く行動であったと言わざるを得ない。
佐喜眞氏は「対立から対話へ」の言葉を掲げたが、「対話」を拒否して「対立」だけを生み出してきたのが安倍内閣である。
その安倍内閣が支援する候補が「対立から対話へ」を掲げたことが、沖縄の主権者にとって理解不能なものであったことは想像に難くない。
辺野古基地問題とともに沖縄の主権者が重視したのが、生活=経済問題、沖縄振興策である。
佐喜眞氏は「県民の暮らし最優先」の言葉を掲げたが、この言葉にも強い違和感がつきまとった。
佐喜眞氏は経済政策について、安倍内閣との距離の近さをアピールし、政府主導の政策による沖縄振興策を訴えたが、安倍内閣の経済政策そのものが「県民最優先」、「国民最優先」のものになっていなかった。
安倍内閣が掲げる「アベノミクス」は大資本利益拡大だけを目指すものになっている。
現実に、第2次安倍内閣発足後の日本経済が著しい低迷を続けるなかで、大企業の利益だけが突出して拡大した。
大企業収益は史上空前の水準に達し、株価が大幅に上昇したが、その裏側で労働者の実質賃金水準は減少し続けた。
「働き方改革」という名の「働かせ方改悪」では、長時間残業の合法化、定額残業させ放題制度が大幅に拡張される法制が強行導入された。
沖縄の労働者に占める非正規労働者の比率は日本一だが、正規労働から非正規労働へのシフトを加速させてきたのが安倍内閣なのである。
玉城候補は選挙戦を通じて、すべての人に手を差し伸べる政治を訴えかけた。
これこそまさに「県民の生活最優先」の政策提案であった。
私が「県民の生活最優先なら玉城氏選出が妥当」と主張し続けたのは、このためである。
沖縄の主権者は、安倍内閣による利益誘導、権力を楯にした「金の力で県民をひざまずかせる」選挙に断固NOの姿勢を明示した。
輝かしい選挙を展開したと言える。
ここから、新しい沖縄の歩みが始まる。そして。それは日本刷新への第一歩でもある。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第2152号「安倍内閣の崩壊始動号砲になる沖縄県知事選」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)
価格:1,620円 通常配送無料 |
「国富」喪失 (詩想社新書)
価格:994円 通常配送無料 |
反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! ~(TRI REPORT CY2017)
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
泥沼ニッポンの再生
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
安保法制の落とし穴
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 台風一過沖縄県知事選に最後まで力尽くす | トップページ | 沖縄知事選自民意見広告が示す安倍政治の本質 »
「2018年沖縄県知事選」カテゴリの記事
- 沖縄知事選自民意見広告が示す安倍政治の本質(2018.10.02)
- 辺野古基地NO県民の暮らし最優先玉城氏圧勝(2018.10.01)
- 台風一過沖縄県知事選に最後まで力尽くす(2018.09.30)
- 沖縄知事選投票日繰り上げは不正選挙一環か(2018.09.27)
- 台風24号日本直撃可能性と期日前投票の勧め(2018.09.24)