『日中友好継承発展会』創設記念講演会
10月30日、東京音羽に所在する鳩山会館において、
日中平和友好条約締結40周年
『日中友好継承発展会』設立
記念講演会
が開催された。
日中両国から関係者70名ほどが集まり、記念講演会ならびに懇親会が盛大に執り行われた。
『日中友好継承発展会』
は、日中平和友好条約締結40周年にあたり、日中交流に貢献された先達の精神を受け継ぎ、将来に向かって発展させてゆく枠組みとして、各界の人々ともに設立されたものである。
記念講演会では、日中友好継承発展会理事長に就任した坂下重信氏が開会あいさつならびに司会を務められ、
発展会代表に就任された鳩山友紀夫元内閣総理大臣が主催者を代表されて挨拶をされた。
来賓として駐日中国全権大使が出席予定であったが、やむを得ない公務で出席が叶わなかったため、駐日公使が出席され、祝辞を述べられた。
記念講演では、元伊藤忠商事株式会社会長・社長で、駐中国全権大使を務められ、現在は日中友好協会会長を務められている丹羽宇一郎氏が
「激動する国際情勢と日中関係のこれから」
の演題で記念講演をされた。
引き続いて私が
「近年の日中経済情勢と今後の課題」の演題で講演をさせていただいた。
丹羽氏は、日本はこれから重要な連立五元方程式の正しい解を求めなければならないことを述べられた。
連立五元方程式とは
日中関係、日韓関係、日朝関係
そして、日米関係、日ロ関係である。
連立方程式を解くということは、すべての方程式に当てはまる、たった一つの解を求めるということである。
その解を適正に求めることができるのかどうかに、今後の平和と繁栄がかかっていることを強調された。
とりわけ、米国のトランプ大統領の行動が重要性を持つことを強調された。
極めて示唆に富む講演であった。
私からは、三つのことがらについてお話をさせていただいた。
・最近の経済・金融情勢
・日中関係が著しく悪化した原因
・今後の日本外交における指針である。
日本は中国を歴史的に極めて深いつながりを持つ。
日本文化のルーツの多くは中国に起源を有する。
日本にとって、最も近い大国が中国であり、日中関係の健全な発展が日本の未来にとって極めて重要であることは間違いない。
経済金融情勢では、2009年を起点に9年にわたる株価急騰を続けてきた世界の株式市場に変調が生じていることが目下の警戒要因である。
2018年は1月末から米国発で株式市場での調整が発生し、これが世界に波及した。
それでも日米株価は4月以降に回復基調に転じ、10月初頭には1月の史上最高値、27年ぶりの高値を更新する動きになった。
ところが、10月10日前後を境に再度の急落を演じている。
他方、中国株価は1月末以降の下落に歯止めがかからずに、10月までで3割の暴落商状を示している。
世界株価下落の背景は、米国の利上げ、日本の増税方針、そして、米中貿易戦争の拡大である。
とりわけ注視が必要であるのは、米中貿易戦争のゆくえである。
この問題の取り扱いを誤れば、これから2、3年の期間にわたる世界経済・金融の混乱が広がる危険がある。
中国は問題に対処し始めているが、米国が問題を拡大する構えを示している。
米国の行動が極めて重要な意味を持つ局面で、米国が冷静で現実的な対応を示すことが求められている。
二番目のテーマである日中関係の悪化について、その主たる責任は日本側にあるというのが私の見解である。
事実として何があったのかを冷静に検証する姿勢が重要である。
今後の日中関係を健全に発展させてゆくためには、日本が米国に隷従する姿勢を改めることが必要である。
米国に隷従し、近隣の重要国である中国に対して信頼と信用を打ち立てる、真摯な対応を示すことが重要である。
このことを銘記して、日中友好関係を継承し、発展させることが重要である。
このような趣旨の講演をさせていただいた。
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