小沢一郎代表との対談「ただ共闘するだけでは勝てない」
8月下旬に自由党代表の小沢一郎氏と対談をさせていただいた。
データ・マックス社ウェブニュースサイト”Net
IB News”に公開されている。
「いま問われる突破力!~野党共闘の行方は」(前)・(中)・(後)
https://www.data-max.co.jp/article/24725/1/
https://www.data-max.co.jp/article/24726
今月30日には沖縄県知事選がある。
9月9日に投開票が行われた名護市議選では、辺野古米軍基地建設反対派の当選者が議会定員の過半数を占有した。
ただし、辺野古米軍基地建設を容認するとみられる渡具知市長側の当選者が13名を占有し、反渡具知陣営による議会過半数議席確保は実現しなかった。
9月30日に投票日を迎える県知事選で、安倍内閣は利益誘導の姿勢を強めてくることが予想され、玉城デニー氏を支援する「オール沖縄」陣営は全身全霊で玉城氏当選に向けて力を注ぐ必要がある。
2019年夏には参議院議員通常選挙がある。
安倍政治に終止符を打ち、日本政治を刷新するには、まず、この参院選に勝利しなければならない。
そのための戦術を明確にし、確実に実行してゆく必要がある。
この問題について、小沢一郎氏は次のように指摘した。
「多くの方に考えを改めて頂きたい大きな注意点があります。それは、「野党の統一候補さえ擁立できれば選挙に勝てる」という考え方です。これは誤りです。「それでは選挙に勝てません」
17年の衆院選では、1人区は全て野党の統一候補でした。しかし、3分の2は自公勢力に取られました。惨敗です。
私は共産党大会など、色々なところで明言しているのですが、このことを強く認識する必要があります。」
実際に、2016年参院選結果を見ると、得票率においても自公陣営が反自公陣営を凌駕していることがわかる。
これは、2014年衆院選、2017年衆院選と異なる状況だった。
この選挙の比例代表選挙における政党別得票率(全有権者に占める投票率=絶対得票率)を見ると
自公が27.0%
民共社生維が25.4%
維新を除く民共社生は19.9%
だった。
絶対的な得票においても、自公陣営が反自公陣営を上回っているのである。
小沢氏が指摘するように、32の1人区で野党共闘勢力は11議席を確保したが、21の選挙区で敗北している。
政権奪還には完全に力不足の状況だった。
最大の原因は当時の民進党が主権者の支持を完全に失っていたことである。
小沢氏と鳩山氏が主導する民主党は2009年の衆院総選挙で大勝して、政権交代の大業を成就した。
この新政権にとって最重要の試金石になったのが2010年7月の参院選だったが、民主党代表が鳩山由紀夫氏から菅直人氏に代わり、菅民主党が大惨敗した。
菅民主党が敗北した主因は、菅首相が2010年6月に突然、消費税率の10%への引き上げ公約を提示したことにある。
鳩山政権は「シロアリを対峙しないで消費税増税を行わない」ことを確約した。
この公約に賛同した主権者が圧倒的に多かった。
その重要公約を菅直人氏が突然、民主的な党内論議を行わずに、一方的に破棄、消費税大増税の方針を示したのである。
菅政権は鳩山政権が普天間基地の県外、国外移設を追求して米国の虎の尾を踏んだ様子を横目で眺め、米国に隷従する姿勢を示した。
菅直人氏が民主党代表に就任した2010年6月以降、民主党に対する主権者の絶対的な不信感は払しょくされることなく、現在まで引き継がれている。
2016年参院選で野党共闘が絶大な力を発揮できなかった主因は、かつての民主党、当時の民進党に対する主権者国民の絶対的な不信感にあると言ってよいだろう。
この意味でも、単純な野党共闘だけでは自公勢力を打破することは難しいのである。
この現実を踏まえて有効な戦術を構築し、2019年の参院選に向けて確実に実行しなければならない。
小沢氏との対談によって、改めて確認できたのは、「共産党を含む共闘体制」を構築することが必要不可欠だということだ。
この点は、鳩山友紀夫元首相との対談においても確認されていることである。
第254回UIチャンネル放送
「鳩山友紀夫氏×植草一秀氏」
https://www.youtube.com/watch?v=pRMOTkBhU8w
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