論旨明快・首尾一貫政策体系のアベノミクス
安倍政治にブレーキをかけて、この政権を一刻も早く退場させなければ取り返しのつかないことになる。
アベノミクスをマスメディアは成功しているかのように報じるが、これではかつての大本営と変わらない。
玉砕を転戦と言い換え、
自陣営全滅の海戦を敵艦轟沈などと伝えていた。
玉砕しているのに「我が方の被害軽微なり」は常套句だった。
日本経済は低迷を極め、労働者の実質賃金は大幅減少を続けている。
労働者に占める非正規労働者の比率は一段と上昇し、フルタイムで働いても年収が200万円に届かない労働者が1000万人を大きく超えている。
労働者に占める非正規労働者の比率は4割に達し、そのうち、男性の58%、女性の75%が年収200万円に届かない。
安倍首相は雇用者が増えたと言うが、第2次安倍内閣発足後に増加した雇用の4分の3は非正規雇用で、ワーキングプアが量産されているだけに過ぎない。
大企業収益が史上最高益を更新し、株価が上昇したのは事実だが、日本経済全体は超低迷を続けている。
ぱっとしなかった民主党時代の実質GDP成長率平均値が+1.7%だったのに対し、第2次安倍内閣発足後の実質GDP成長率平均値は+1.4%にとどまっている。
株価が上昇したのは事実だが、株価が表示される企業数は、わずか4000社に過ぎない。
日本の法人数400万社の0.1%でしかない。
日本経済が超低迷を続けるなかで大企業収益だけが突出して史上最高益を更新し続けていることは、労働者の所得全体が圧縮されていることを意味する。
減った所得を分ける人数だけが増えたのだから、一人当たり所得は大幅に減ったのは順当である。
現に、第2次安倍内閣発足後に、労働者一人当たりの実質賃金が5%も減った。
民主党政権時代にほぼ横ばいだった実質賃金が5%も減ってしまったのだ。
アベノミクスにさまざまな批判があるが、一つの政策体系としては、極めて整合性の取れたものである。
第一の矢であるインフレ誘導は、企業の賃金コストを圧縮することを目的に提唱されたものだ。
その目的通りに、労働者の実質賃金が大幅に減少した。
第二の矢はいかさまで、財政出動は2013年度だけで、2014年度には消費税大増税が実施された。
アベノミクスではなくアベコベノミクスになったわけだが、安倍内閣が追求しているのは法人税減税である。
1989年度以降に実施された消費税導入と増税は、そのすべてが、法人税減税と所得税減税に振り向けられてきた。
アベノミクス財政政策の基本は庶民を踏みつけにする消費税増税と大資本を優遇する法人税減税で、これが明確な二本柱になっている。
第三の矢の成長戦略は「ハゲタカ利益の」成長戦略であり、「国民不利益の」成長戦略である。
安倍自民党は2009年12月総選挙で、「TPP交渉への参加に反対」、「TPP断固反対!」と大書きしたポスターを貼りめぐらせて選挙を戦ったのに、舌の根も乾かぬ2013年3月にTPP交渉への参加を決めた。
完全なペテン政権である。
安倍自民党はTPPについて6項目の公約を明記した。
農産品重要5品目の関税を守る。
数値目標を受け入れない。
国民皆保険を守る。
食の安全・安心を守る。
ISD条項に合意しない。
政府調達・金融サービスは国の特性を踏まえる。
しかし、この6項目の公約を全面的に破棄した。
ISD条項は世界各国で批判が殺到している。
欧州はISDSに代わるICSの制度確立を提唱している。
国家主権を自ら放棄することをいまも推進する「おばか国家」は日本だけである。
もっとも深刻なのが日本農業の崩壊と食の安全の破壊である。
9月20日のグローバリズムを考えるシンポジウムにぜひご参加を賜りたい。
通商交渉・グローバリズムを考えるシンポジウム
グローバリズムは私たちを幸せにするか!
PART2-次々と進む通商交渉のワナ-
https://nothankstpp.jimdo.com/
日時:2018.9.20(木)
18:30-20:45(18:00開場)
場所:明治大学リバティータワー1階1011教室
(JR御茶ノ水駅 徒歩3分)
参加費:資料代800円(申し込み不要)
プログラム(講演)
1.「TPPプラス」熱烈推進安倍内閣のなぜ?
植草一秀(オールジャパン平和と共生運営委員会)
2.メガ自由貿易協定の現在
~日本政府にNo!を突きつける各国市民社会の運動~
内田聖子さん(アジア太平洋資料センター共同代表)
3.TPPと私たちのくらし~水、種子、食~
山田正彦さん(元農林水産大臣)
主催:TPPプラスを許さない!全国共同行動
問い合わせ先:03-5966-2224(農民連:町田さん)
facebookページ
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