直近3回の沖縄国政選挙結果が物語ること
2014年12月衆院総選挙、2016年7月参院通常選挙、2017年10月衆院総選挙の沖縄県比例代表選挙得票数を検証してみる。
2014年衆院選
自公+次世代 236,484
民共社生 239,606
2016年参院選
自公+こころ 254,694
民共社生 254,781
2017年衆院選
自公+日本維新 302,655
立希共社 325,983
となっている。
2014年衆院選では維新の党が77,262票、
2016年参院選ではおおさか維新の会が44,101票
獲得しているが、この両党は基本的には野党陣営の政党であった。
自公と次世代・こころ・維新
対
反自公陣営での選挙結果は基本的に伯仲している。
自公政権陣営30万票
反自公陣営30万票
が基礎票となっていると見てよいだろう。
公明党と共産党の得票推移を見ると、
公明党
88,626 86,897 108,602
共産党
79,711 90,061 75,859
となっている。
安倍政権側に公明党が位置し、反安倍政権側に共産党が位置している。
公明党を含む政権与党陣営と共産党を含む反政権陣営がほぼ互角に対峙している。
この情勢の下に、過去3回の国政選挙では、反安倍政権陣営が僅差で勝利を獲得してきた。
2014年知事選では大差で翁長雄志候補陣営が勝利したが、これは、保守陣営の票の一部が翁長支持に回ったためである。
しかし、その後、安倍内閣は沖縄県に対する利益誘導の姿勢を強め、この結果として翁長氏を支持してきた保守陣営の一部が切り崩されてきた。
これを「オール沖縄」の弱体化と表現しているが、その変化は、安倍内閣の「札束でほおを叩く戦術」によってもたらされたものである。
今回の沖縄県知事選は、自民党総裁選終了直後の選挙となる。
知事選日程が9月30日に設定されたのは、自民党総裁選後に自民党幹部を沖縄に大量投入できるようにしたためのものである。
また、翁長前知事の県民葬が知事選の後に先送りされたのは、自公サイドが知事選への影響を恐れて、横車を押した結果である。
つまり、この二つの重要日程設定は、現在の沖縄県執行部の意思決定が安倍政権の強権発動の支配下に置かれていることを意味している。
沖縄知事ポストが安倍政権側に奪取された場合の状況を想定して沖縄県執行部が動いているということだ。
今回選挙最大の争点は辺野古米軍基地建設の是非であるが、これは、安倍政治そのものの是非と置き換えることができる。
米国に隷従する安倍政治を是とするのか、非とするのか。
沖縄の主権者が判断を示す選挙になる。
この意味では、保守陣営を含めた「オール沖縄」体制の構築にこだわる必然性は高くない。
米国に隷従し、沖縄に不当な負担を押し付けようとする安倍内閣の基本姿勢を問えばよいのである。
保守陣営に属する主権者であっても、米国にひれ伏すだけの安倍内閣の基本姿勢を非とする者は多数存在するだろう。
この人々は、対米隷従の安倍内閣の基本姿勢を非として、反安倍自公政権側の候補を支持することになる。
ただ一方で、保守陣営の一部が切り崩されたことも事実ではあるから「オール沖縄」の言葉にこだわる必要性は低くなっているのだ。
沖縄での国政選挙での結果を分析すれば、次のことだけは確実に言える。
それは、共産党を含む共闘体制を確立しなければ、自公候補には勝てないということだ。
これだけは間違いない。
政権与党側候補には公明党の支持がつくのである。
この陣営と対峙して勝利を得るには、共産党を含む共闘体制を構築することが絶対に必要である。
逆に言えば、自公陣営は、反自公陣営を「共産党との共闘を推進する勢力」と「共産党の共闘に消極的な勢力」とに分断することが勝利を得る最良の方策と考えているはずだ。
このための情報誘導がすでに大規模に展開されていることを認識するべきだ。
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