ブラックボランティアを流行語大賞に!
本間龍氏の新著
『ブラックボランティア』(本間龍著、角川新書)
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恐らく、ある種の「販売妨害」が行われているのだと思う。
そのような図書であればあるほど、必ず入手して読むべきだ。
権力者にとって「不都合な真実」が記述されているからこそ、そのような不当な扱いを受けるのだ。
これは私が上梓した多くの著書にも当てはまる現象である。
さすがは元博報堂勤務の本間龍氏である。
「ブラックボランティア」という書名が卓越している。
この短い一言で、全体のイメージが正確に伝わる。
いま日本では、企業や国家権力による「働かせ方」が大問題になっており、労働者である主権者の側も、「働かされ方」に極めて強い関心がある。
政府は障害者雇用を促進するための法律を制定し、雇用者全体に占める障害者雇用の比率について、ガイドラインを定め、その遵守を求めてきた。
民間企業に対しては、ガイドライン未達の場合には軽くない金銭的なペナルティーまで課してきた。
ところが、中央政府自体が障害者雇用者数の大幅改ざん、水増しを行ってきたことが明らかになった。
これも「働かせ方」問題であり、労働者の側から見れば「働かされ方」問題である。
パワハラ、セクハラ、マタハラなどの諸問題も、多くは「働かされ方」に関わる問題である。
また、長時間残業、残業代未払い、不当解雇など、働かせる側の不祥事=暗黒さが重大な社会問題になっている。
これらを総称して「ブラック企業」や「ブラック雇用」と称されている。
そこに新たに投じられた一石が「ブラックボランティア」である。
一気に大ベストセラーになり得る価値がこの著書にはある。
2020年の東京五輪では、11万人のボランティアが求められているという。
そのボランティアが10日間拘束で報酬ゼロ、さらに経費も自己負担だというのだ。
本間氏などの問題提起により、雀の涙ほどの記念品が検討され始めたと言うが、遠方からのボランティアに対する交通費支給もない。
宿泊費用支給もない。
完全なブラックなのだ。
「ブラックボランティア」を本年か2020年の流行語大賞にするべきである。
五輪スタッフとして11万人が必要であり、そのスタッフを無報酬、経費自己負担にするタダ働きボランティアにすることが不当である最大の理由は、五輪自体が「究極の営利事業」になっているからだ。
本間氏が指摘するように、スポーツ貴族のJOC(日本オリンピック委員会)とオリンピック組織委員会、そして実施を一社独占で担当する電通の社員たちの多くがいずれも年収1000万円以上の高給取りである。
ボランティアで駆り出される人々の経費がすべて自己負担であるのに対して、高給取りの主催者スタッフは一銭も自腹を切らないのだ。
スポンサー収入は推定4000億円だと本間氏は指摘する。
このような不正、理不尽、ブラックはない。
安倍内閣はせっかく「高度プロフェッショナル制度」を強引に創設したのだから、JOC職員、組織委員会職員、電通で五輪事業に携わる職員の数を3分の1に減らしてはどうか。
それこそ、「高プロ」制度を創設した目的を果たせることになるのではないか。
安倍内閣はこの「ブラックボランティア」を強引に推し進めるために、山口県周防大島町で行方不明になっていた2歳の男の子を、山に入ってわずか30分で発見して救出した尾畠春夫さんを「スーパーボランティア」と命名して、メディア総動員で大キャンペーンを展開させている。
裏側に電通の工作があると考えられる。
尾畠さん自体は、本当に素晴らしい尊敬するべき方であるが、これを利己目的で利用する悪徳者の姿勢が醜悪だ。
これから私たちが広く流布しなければならない言葉は「スーパーボランティア」ではなく「ブラックボランティア」である。
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