人権尊重の精神を破壊してきた安倍自民党
厚生労働省が発表している毎月勤労統計調査によれば、日本の労働者1人あたりの実質賃金は、1996年をピークに減少し続けてきた。
1996年から2015年までの19年間に13.6%も減少した。
1996年に100万円だった所得が86万4000円になったことになる。
300万円の所得が259万2000円になったことになる。
第2次安倍内閣が発足したのは2012年12月のこと。
あれから6年近くの時間が経過しているが、この期間だけでも約5%減少している。
失われた10年が失われた20年になり、失われた30年になろうとしている。
日本経済停滞の現実は覆い隠しようがない。
普通に考えれば、このような現状を刷新するために、主権者である市民が立ち上がり、政治の刷新を図るはずだが、最低最悪としか言いようのない安倍内閣が6年近くも存続し続けている。
安倍内閣に対する主権者の支持は決して高くない。
マスメディアが発表する3割、4割の内閣支持率は何かの間違いであると考えられる。
国政選挙で安倍自民に投票している主権者は18%程度しか存在せず、公明党への投票を含めても25%程度だ。
内閣支持率の数字は水増しされているのだろう。
自民党の杉田水脈議員が『新潮45』8月号の特集「日本を不幸にする『朝日新聞』」に「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題する論考を発表し、猛烈な批判を招いている。
杉田水脈氏は上掲小論で、
「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。」
と記述した。
LGBTの人々を評価する尺度が「生産性」であり、その生産性の基準が「子供を作る」ことにあるとの考え方が示された。
このような主張を展開する人物が国会議員に選出されていることも驚きだし、このような人物を公認候補とした自民党にも驚愕する。
杉田氏の主張に対する批判はすでに広く流布されており、ここで再論しないが、杉田氏の主張が安倍首相に対する侮蔑を意味していることについて自民党内で論議がないことが極めて不自然である。
爆笑問題の太田光氏がテレビ番組で、
「杉田さんも肝心の自民党の安倍さんが「生産性」ないんだから大変だよね」
と述べたことが話題になっているが、この点に自民党が言及しないことが不自然だ。
財政資金投入判断の基準を「生産性」とし、その「生産性」とは「子供を作ること」とする、時代錯誤の主張を展開する低次元の発想に多くの人々が驚愕するが、杉田氏の主張は、「安倍首相夫妻は生産性がない」と断じる意味を兼ねており、この意味で安倍首相を党首とする自民党の対応に関心が注がれる。
世の中にはさまざまな人がいる。
思想や哲学、趣味、嗜好、生きざま、身体的特徴、習俗・習慣が異なる多種多様な人々が存在する。
自由で民主的な世の中とは、この多種多様な人々が、それぞれに、のびのびと、自分の生き方を全うできる世の中である。
これを支えるのが基本的人権の尊重だ。
人権が制限されるのは、人権相互の矛盾・衝突を調整する場合に限られる。
「公共の福祉」である。
日本国憲法では、第11条に基本的人権の定めがあり、第13条で基本的人権の制約条件を明記している。
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
杉田氏の主張は、日本国憲法の基本原則を踏みにじるものであり、人権意識の欠落が鮮明である。
人権意識の欠落、少数者に対する差別、迫害の風潮が社会全体で強まっているように見られるが、その背後には、経済全体が低迷と閉塞感を強める下で、政治権力が国民相互の敵対、さらには人権侵害を扇動する姿勢を強めているという事実が隠されている。
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