米朝関係正常化千載一遇チャンスを潰すな
トランプ大統領が6月12日に予定していた米朝首脳会談の中止を北朝鮮に通告した。
しかし、その後の情報発信で、6月12日に米朝首脳会談を開催する可能性を残していることを示した。
首脳会談開催までには紆余曲折が予想されるとしてきたが、ぎりぎりの駆け引きが展開されていることが分かる。
米国は北朝鮮の核廃棄について、「リビア方式」という言葉を用いてきた。
これに対して北朝鮮が、「リビア方式」は受け入れられないことを言明してきた。
「リビア方式」とは米国がリビアに各種大量破壊兵器の廃棄を求め、リビアにこれを応じさせたのちに、リビアに介入し、カダフィ大佐を処刑したというもの。
北朝鮮がこれに応じるわけがない。
米国のブッシュ大統領は北朝鮮とイラン、イラクを「悪の枢軸」と表現し殲滅の対象に定めた。
イラクに対しては、大量破壊兵器を保持していると一方的に決めつけて、国連決議を経ずに軍事侵攻し、フセイン大統領を処刑した。
これらの事例を踏まえて北朝鮮が「抑止力」を確保するために核開発を続けてきたという経緯がある。
「対話」によって問題解決を図るということであれば、両者にメリットのある着地点を見出すことが必要になる。
朝鮮戦争に終止符を打ち、東アジアの平和と繁栄の基礎を築く、千載一遇のチャンスが到来しているのであり、このチャンスを生かすことを最重視するべきである。
核の完全廃棄と北朝鮮の体制保証がセットで確保されることが、両者が納得し得る着地点になると考えられる。
トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の間で妥結を目指すしかないと思われる。
最終的な着地に至るまでには紆余曲折が当然のことながら予想されるが、両者はこの貴重な機会を潰さぬことを最優先して対応を続けるべきである。
他方、日本の政局では、安倍首相の真摯な姿勢が不可欠である。
日大アメフト部の内田前監督、井上コーチの対応と、安倍首相の対応は完全に重なっている。
客観的な各種の情報から、真実はほぼ明白になっている。
重要なことは真実に向き合うことである。
真実に向き合い、そのうえで真摯な対応を示すことだ。
日大アメフト部の場合、「関西学院アメフト部のQBを潰せ」という指示が、「負傷を負わせろ」の意味で示されたものであったことは各種の証拠から明白になっている。
この真実から逃げようとせず、真実に向き合ったうえで真摯な対応を示すいことが求められている。
安倍首相の場合、昨年2月から現在まで続く森友疑惑、加計疑惑の中核に安倍首相夫妻が位置しているのである。
加計疑惑については、2015年2月25日に、安倍首相と加計孝太郎氏が獣医学部新設について会話をし、その直後から官邸丸抱えで今治市の獣医学部新設申請事業が進行したことが判明している。
真実から逃げずに、真実に向き合い、その上で真摯な対応を示すことが求められている。
人間としてのあり方が問われているのは、日大アメフト部の違反タックル問題とまったく同じである。
森友疑惑では、安倍昭恵氏が森友学園の籠池泰典理事長から相談を受けて、安倍昭恵氏が公務員秘書の谷査恵子氏に指示をして、この指示を受けて谷氏が財務省と折衝し、その結果として国有地の激安払い下げが実現していったという経緯が明らかになっている。
この問題については、安倍首相が昨年2月17日の衆議院予算委員会で、
「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」
「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」
と明言したことが問題拡大の原点になっている。
安倍昭恵氏の関与は明白になっており、安倍昭恵氏が国会で説明することが必要不可欠になっている。
この「説明責任」から逃げ回っているから、いつまでたっても事態が収束しないのだ。
ここでも、真実から目をそらさず、真実に向き合い、その上で真摯な対応を示すことが求められている。
このような基本的対応ができないなかで、悪法を次から次へと強行採決で制定する安倍政権の暴走に対して、主権者は怒り心頭である。
この主権者の意思を軽く見るなら、その代償は計り知れぬものになるだろう。
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