品格と誠意の欠落が日本政治凋落の主因
安倍政治に欠落しているものは品格と誠意である。
森友、加計で明らかになっている事実が問うものは政治の品格そのものである。
安倍昭恵氏が森友学園に深く関わった。
安倍昭恵氏は森友学園の幼稚園の教育現場に感涙して新設小学校の名誉校長に就任した。
安倍晋三氏は森友学園について「この学校の先生方の教育に対する熱意は素晴らしいと妻から聞いている」と国会答弁で明言した。
そして、安倍昭恵氏が新設小学校の名誉校長に就任して以降に、森友学園の籠池泰典理事長から小学校用地について相談を受けて公務員秘書に指示をして財務省と折衝させたと見られている。
その結果として時価10億円相当の国有地が実質200万円で払い下げられた。
財務省は払い下げ価格を人為的に引き下げるためにゴミ埋設量の改ざん=増量を図ったことが明らかになっている。
日本の刑事司法が適正に機能しているなら、国有地不正払下げを刑事事件として立件する必要がある。
また、財務省は安倍晋三氏が「自分や妻がかかわっていたら総理大臣も国会議員も辞める」と国会で明言したこととの整合性を取るために、決裁公文書を大規模に改ざんした。
日本の刑事司法が機能しているなら、虚偽公文書作成事件として立件する必要がある。
この問題で疑惑を晴らさなければならない責任を負っているのは安倍首相夫妻である。
とりわけ直接の当事者は安倍昭恵氏であり、安倍昭恵氏に対して公の場で説明責任を果たさせないことが問題長期化の主因である。
安倍晋三氏は籠池泰典氏に対して、いきなり証人喚問を実施することを指揮した。
だからこそ、安倍昭恵氏の証人喚問が求められているのである。
自分の行動がそのまま自分に跳ね返ってきているだけなのだ。
北朝鮮に拘束されていた米国人3名が解放されて米国に帰還した。
その一方で、日本の拉致問題は1ミリも動いていない。
「圧力、圧力」と叫び、韓国の文在寅大統領が「対話」による事態打開に尽力しようとした際にも「対話のための対話には意味がない」と批判した。
しかし、北朝鮮は拘束米国人3名を解放する一方で、拉致問題については改めて「解決済み」と言明している。
政治は結果において評価される面が強い。
拉致被害者の家族などの関係者は、安倍首相の対北朝鮮外交に対する憤りを強めていると推察される。
森友問題に安倍昭恵氏が関わっていることは明白な事実であり、安倍首相が疑惑の払拭を求めるなら、安倍首相が率先して安倍昭恵氏に対する質疑の場を設定するのが筋である。
それが主権者国民に対する誠意ある対応である。
果たすべき説明責任を果たさず、逃げの一手で乱暴な国会運営を指揮する姿勢には、一片の品格も感じられない。
加計疑惑は透明、公正、公平であるべき行政が歪められたのではないかというのが問題の核心である。
安倍首相は加計孝太郎氏と極めて親しく、会食やゴルフなどを重ねてきた。
第2次安倍内閣が発足して半年後の2013年5月に山梨県の安倍氏別荘でバーベキューとゴルフが行われた。
この席に柳瀬唯夫氏も同席していた。
2015年3月から6月にかけて柳瀬氏は首相官邸で3回にわたって加計学園関係者と面会している。
国家戦略特区の事業として獣医学部新設が提案された時期である。
国家戦略特区の事業は自治体によるものであるが、当該自治体ではなく事業実施主体である加計学園との面会を重ねていた。
柳瀬氏は加計学園以外の国家戦略特区の事業実施主体と面会した事例はないとしている。
国家戦略特区では自治体による申請が認められたのちに、自治体が事業者を公募して事業実施主体を決定するとのプロセスが取られる。
ところが、この獣医学部新設のケースでは、当初から事業実施主体になるかどうかも分からなはずの加計学園と3度もの面会が重ねられていたのである。
このことについて、安倍首相は2017年1月まで、加計学園が国家戦略特区の事業として獣医学部を新設する意向を有していたことを知らなかったと発言している。
しかしながら、安倍首相が実際には2015年の段階で加計学園の意向を知っていたことは、客観的に見れば、合理的な疑いを差し挟む余地がない程度に確度の高いものである。
このようなことを強弁し続けることが、品格と誠意の欠落を指摘される背景なのである。
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