主権者は加計疑惑真相徹底解明を求めている
GWが明けて、野党が筋を曲げて審議に復帰した。
与党には与党の言い分があるだろうが、野党には野党の言い分がある。
そして、大事なことは主権者がどのように判断するかだ。
主権者の判断をメディアが勝手に伝えるが、主権者の声が正しく報じられるわけではない。
そして、より重要なことは、マスメディアが主権者に対して「情報誘導」しているという事実が存在することだ。
たとえば新聞が毎日、一面トップで大きく報道し続ければ問題は大きくなる。
同じ問題を、新聞が毎日、紙面で報道しなければ問題は縮小する。
そういうものだ。
森友、加計、そして財務次官のセクハラ問題は、問題が表面化したときにメディアが大きく報道して拡大したが、メディアが報道を縮小したことにより、問題が収束したとの「印象」が発生した。
安倍首相がお気に入りの「印象操作」が大々的に展開されているのである。
これと呼応するように、連休の入り口で芸能人のスキャンダルが報道された。
事件が発生した瞬間に報道されたものではない。
最適のタイミングを選んで報道されたものであると考えられる。
連休の話題を特定方向に引き寄せるための策略であったと推察される。
連休が明けて、柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致を行い、これで幕引きを図ろうというのが安倍政権の考えだろうが、世の中はそれほど甘くない。
柳瀬唯夫氏はつじつま合わせの説明を準備して、その準備通りに発言したと見られるが、事実の重みはあなどれない。
国家戦略特区を利用しようとする事業者に、首相秘書官の立場にある者が、首相官邸で3回面談したことが明らかにされた。
国家戦略特区は自治体の申請によって行う事業であり、事業者は国家戦略特区の事業が認可された後、公募が行われた段階で初めて応募する立場にあるものだ。
ところが、このケースでは、柳瀬元秘書官は、特区を申請する自治体の職員ではなく、特区が認可された場合に、その事業に一事業者として応募する立場の民間事業者と面会を重ねていたのである。
秘書官の業務が首相直結であることは言うまでもない。
安倍首相の指示なくして面会することもあり得ないし、また、面会の内容を首相に報告しないこともあり得ない。
柳瀬氏が加計学園の加計孝太郎理事長と初めて会ったのは、2013年5月に安倍氏の山梨県別荘でのバーベキューの場であったと柳瀬氏は述べた。
バーベキューの翌日には、加計氏を含めてゴルフが行われ、柳瀬氏も参加したという。
そして、国家戦略特区での獣医学部新設を目指す加計学園に対して、柳瀬秘書官は2015年3月、4月、6月に、3度も首相官邸で加計学園関係者と面談していたのである。
2015年4月の面談の際は、愛媛県職員、今治市職員も同行した。
その際、愛媛県職員は柳瀬唯夫氏の名刺を受け取っている。
柳瀬氏が愛媛県職員の名刺を受け取っていることは明白だろう。
推測だが、面談内容は音源データとして保管されていると思われる。
今後の柳瀬氏の対応次第で、この音源データが公開されることになる可能性が高いのではないか。
これらの状況証拠からは、安倍首相が指示をして、加計学園に特別の便宜を供与した疑いが濃厚である。
直接証拠が発表されるまでは「状況証拠」であるが、極めて重大な問題であるため、国会の場で徹底的な真相究明が必要になる。
与党は、問題を早期に決着をつけようと思うなら、必要な真相解明のための作業を積極推進するべきである。
国会に、メモを作成した愛媛県の職員または知事を招致して参考人聴取を行うべきである。
また、加計孝太郎氏の参考人招致も必要不可欠である。
加計孝太郎氏は安倍首相と飲食、ゴルフを多数回重ねており、その際の費用負担の事実関係も確認する必要がある。
透明、公正、公平であるべき行政事務において、首相が特定事業者に便宜を不正に供与することはあってはならない。
国家戦略特区における加計学園による獣医学部新設は、行政の適正なプロセスが歪められて強行された疑いが濃厚であり、その疑惑払拭は安倍内閣の責務である。
他方、財務省が福田淳一前事務次官のセクハラ行為を認定した事案について、財務省の最高責任者である麻生太郎財務相が、個人的にはセクハラ事実を認定していないと発言していることも重大な問題である。
財務省としてセクハラ行為を認定し、処分を行ったのであるから、「セクハラ行為がなかったかも知れない」とするのは、被害者に対する二次被害を与える行為であり、麻生財務相の責任を問う必要がある。
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