安倍昭恵氏の国会招致なくして疑惑の解消なし
昨年2月17日の衆議院予算委員会での安倍晋三首相の発言は次の通り。
「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」
「いずれにいたしましても、繰り返して申し上げますが、私も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして、(中略)繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」
「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もしかかわっていたのであれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい」
というのが要約になるだろう。
安倍昭恵氏が森友学園の新設小学校の名誉校長に就任したのが、2015年9月5日のことである。
安倍首相が戦争法制制定で揺れる国会をわざわざ抜け出して大阪に出張したのが、その前日の9月4日。
9月3日には、迫田英典理財局長、岡本薫明官房長と首相官邸で会談している。
安倍昭恵氏が森友学園に100万円の寄附を行ったとされるのも、この9月5日のことである。
安倍昭恵氏が名誉校長に就任してから新設小学校の土地問題は急進展する。
財務省の佐川宣寿理財局長は森友学園と財務省との交渉記録を廃棄したと答弁していたが、この「廃棄した」はずの交渉記録が財務省から提出された。
佐川氏は国会で虚偽答弁を行い、さらに、この答弁のあとで、交渉記録の廃棄を指示していた。
指示したのが誰であるのかについては、まだ公表されていないが、公文書毀棄に佐川元局長が関与していた可能性は高いと思われる。
財政法違反の国有地不正廉売。
虚偽公文書作成。
公文書毀棄。
国会に対する偽計業務妨害。
これらの重大犯罪を検察が立件しないなら、日本には警察も検察もないに等しいということになる。
権力犯罪放置国家ニッポンということになる。
さて、安倍昭恵氏が新設小学校の名誉校長に就任して、森友学園の籠池泰典理事長は安倍昭恵名誉校長に土地問題について相談した。
この相談を受けて、安倍昭恵名誉校長は公務員の秘書である谷査恵子氏に指示して、財務省、あるいは近畿財務局に折衝させた。
その折衝記録が公開された。
2015年11月10日付の記録には次のように記述されている。
応答メモ 「定期借地権の減額要望について」(学校法人)
(先方)「(中略)その知り合いの方から、社会福祉法人同様、優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいたもの(後略)」
この「応答メモ」は国有財産業務課の小林氏が作成したものである。
(先方)について文書には、「安倍総理夫人付 谷様(女性)」と記されている。
私も財務省での勤務経験があるが、財務省では電話、応接を含めて「応答メモ」と呼ばれるメモを作成する。
私が勤務していた時期では「応接録」と題するものであった。
理財局職員の小林氏が作成した電話応対メモであると思われる。
このなかで、安倍昭恵氏付の秘書を務めていた谷氏が、
「その知り合いの方から、総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいた」
と述べている。
この記述が極めて重要である。
このメモの「その知り合いの方」は籠池泰典氏のことである。
籠池氏から安倍昭恵氏に照会があり、その照会に基づいて安倍昭恵氏の秘書の谷氏が問い合わせをしたという「構図」が明確に述べられているのである。
つまり、籠池氏が谷氏に照会し、谷氏が勝手に問い合わせをしたのではなく、籠池氏は安倍昭恵氏に照会し、その照会を受けて、安倍昭恵氏の秘書の谷氏が、安倍昭恵氏に代わって財務省に問い合わせをしたことが明確になった。
つまり、安倍昭恵氏が「かかわっていた」ことは明白なのである。
安倍首相は総理大臣も国会議員も辞めるしかない。
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