6人に1人の主権者しか投票してない安倍自民
国会の多数議席とマスメディア、そして、刑事司法を支配してしまえば、民主主義政治を終焉させることができる。
国家権力が国民を支配する。
ファシズムが広がっている。
財務省福田淳一前事務次官のセクハラは疑惑ではない。
NHKがセクハラ事案をあいまいにするための情報操作に注力する。
セクハラとの線引きが微妙な事案もあれば、明らかにセクハラと認定できる事案もある。
福田氏の事案は後者であると判定できる。
現に、財務省がセクハラと認定して処分を行ったのではなかったのか。
麻生太郎氏がセクハラを認定していないと発言したことにより、連休後には再びこの問題が国会で論議されることになる。
麻生太郎氏はこの問題の幕引きがよほど嫌なのだろう。
セクハラは刑法犯ではないが社会的な処罰・制裁の対象となる事案である。
麻生太郎氏のこれまでの言動のすべてについて、その責任が追及される必要がある。
麻生氏の挑発に対して野党は毅然とした姿勢で臨む必要がある。
刑事司法の支配は近代国家の根幹にかかわる重大問題である。
フランス人権宣言第16条にこのことが記されている。
フランス人権宣言
「いかなる社会も、その中で、権利の保障が確実でなく、三権分立が確立していないなら、憲法を有しない(有しているとは言えない)。」
政治権力が刑事司法を支配してしまっている現状は、もはや立憲主義国家とは言えない状況なのである。
元裁判官の瀬木比呂志氏は、著書『ニッポンの裁判』のなかで、
「日本の裁判所・裁判官、ことに最高裁長官や最高裁判所事務総局は、自民党を中核とする政治権力や行政官僚集団および経済界の総体と、世論の動向とをうかがいつつ、基本的には、つまり、「統治と支配の根幹」については、権力と財界に従い、そうでない部分では、可能な範囲で世論に迎合しようとする傾きがある。そして、いずれにせよ、重要なのは「世論」にすぎず、個々の国民、市民、制度利用者ではない」
と指摘している。
裁判所裁判官の人事権を内閣が握っている。
内閣が三権分立を踏みにじる考えを有する場合には、いとも簡単に三権分立は破壊されてしまうのである。
民主主義の根本原理に「多数決原理」というものがある。
日本国憲法は国会を国権の最高機関であるとするが、その前提には、憲法前文にあるように、
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」
「国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」
との考え方がある。
主権者の意思が国会における代表者の構成に反映されるから、国会に最高機関の地位が付与されているのだ。
第2次安倍内閣が発足してから5年半の時間が経過するが、この政治の「歪み」の根本は、安倍内閣与党の多数議席が主権者である国民の多数支持によって裏打ちされていないことにある。
国政選挙に参加している国民は約半分に過ぎない。
半分しか投票に参加しないなかで、投票者の約半分だけが安倍内閣与党に投票しているのだ。
つまり、全有権者の4分の1、4人に1人しか安倍内閣与党に投票していないにもかかわらず、この与党が国会議席の7割近くを占有している。
主権者の意思と国会議席構成の「ねじれ」。
これが安倍政治の「歪み」の根本をなしている。
安倍自民党単独では、主権者の約6人に1人しか投票を得ていない。
6人に1人の支持しか受けていない安倍自民党が一党独裁のような政権運営を強行していることが日本政治の最大の問題なのである。
重要なことは事態を改善することである。
何をすればよいのか、どうすればよいのかは、実はすでに明白である。
安倍政治に対峙する基本政策路線を共有する勢力が大同団結することが必要なのだ。
投票率が低いのは、安倍政治に反対する主権者が、選挙に行っても現状が変わらないと、あきらめているからだと考えられる。
安倍政治に対峙する勢力が一本化して、政権刷新の可能性が高まれば、投票率は一気に高まると考えられる。
2009年の再現は十分に可能なのである。
安倍政治は国会の多数議席を唯一の拠りどころにして、マスメディアと刑事司法の支配を強行し、ファシズムを形成しようとしているが、日本の主権者国民はこの策謀を必ず打破しなければならない。
その態勢を整えることが2018年の最大の課題である。
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