昭恵さんは証人喚問受諾意思をSNSで発信しよう
政治の犯罪は贈収賄だけでない。
贈収賄を立件できるから証人喚問で、贈収賄を立件できない場合は証人喚問でない、などという理屈はどこにも存在しない。
安倍内閣のコバンザメの人々が、懸命に安倍昭恵氏の証人喚問を回避するための言説を流布しているが、効果は極めて限定的だ。
昨年2月17日の衆院予算委員会で安倍首相が、
「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」
「いずれにいたしましても、繰り返して申し上げますが、私も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして、(中略)繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」
と述べたが、その後の問題追及により、安倍昭恵氏の関与は明白になっている。
財務省が改ざんした決裁公文書には、伝聞形式ではあるが、安倍昭恵氏が「いい土地ですから前に進めてください」と述べたと記されていた。
安倍首相の2月17日国会答弁に抵触するから削除されたのだと推察されるが、安倍昭恵氏が実際にそのような発言をしたのであれば、関与は確定的になる。
安倍昭恵氏が経産省から派遣されている公務員の谷査恵子氏に指示をして、谷氏が財務省の田村嘉啓理財局国有財産審理室長に折衝し、その結果、国有地の激安払い下げが実行された。
安倍昭恵氏の「関与」は動かし難い。
一方当事者の籠池泰典氏夫妻は不当に長期勾留されたままである。
極めて重大な人権侵害である。
籠池泰典氏夫妻は安倍首相夫妻と昵懇の仲だった。
籠池氏が経営する学校法人の幼稚園で教育勅語を園児に暗誦させていた。
そして、安保法制制定に賛辞を贈ることを園児は強制されていた。
安倍昭恵氏はこの幼稚園の教育状況に感涙した。
安倍首相自身、国会答弁で、「妻からこの学校の先生方の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と答えている。
安倍首相自身、2012年9月に森友学園での講演を快諾していた。
自民党総裁選が実施されることになったため、直前に講演をキャンセルしただけのことだ。
また、籠池泰典氏について安倍首相は、国会答弁で「いわば、私の考え方に非常に共鳴している方」だと説明した。
籠池泰典氏は安倍昭恵氏が新設小学校の名誉校長に就任してから、学校用地の賃貸、買い入れについて安倍昭恵氏に相談していた。
この相談を受けて安倍昭恵氏が谷査恵子氏に指示して財務省との折衝を行わせたと見られている。
そして、安倍首相が国会で冒頭の発言をしたこととの関連で、決裁公文書が大量に、そして大規模に改ざんされるという前代未聞の事件が発生した。
だから、安倍昭恵氏が公の場で説明する必要がある。
誰もが考える順当な帰結だ。
その安倍昭恵氏証人喚問を回避しようとするための、メディアにおける情報流布が異常なのだ。
芸人やタレントまでが、そうした世論作りに加担し始めたが、それぞれの自分史に汚点を残すだけのことだ。
何を目的に、そのような言動を示すのかが分かりやすすぎる。
こうしたコバンザメが跳梁跋扈している光景が、あまりにも醜い。
国有財産が不当に低い価格で払い下げられ、その理由が首相夫妻の存在にあるとすれば、看過できる問題ではない。
政治腐敗の根源的な事例が目の前にあるときに、この問題に目をつぶれというのは、民主主義、公平・公正な行政そのものの否定である。
人それぞれ生き方があるが、権力にすり寄り、おこぼれを頂戴するためには、不正、腐敗にも目をつぶるというのは、あまりにも哀れだ。
こうした哀れな言説を流布する者が情報空間を占拠していることに吐き気を催すと感じるのが正常な感覚の持ち主なのではないか。
首相夫人は未就学の幼児ではないのだ。
一人の成人であるのだから、このような経緯で、公文書偽造などという重大犯罪も発覚している以上、国会が招致する前に、自分から名乗り出て、公の場で説明するというのが、当然の対応ではないのか。
安倍首相も自分の地位を自覚して、これまでの経緯、発生している問題の重大性を踏まえて、自分の妻に、国会に出て、正々堂々と証言することを進言するべきだ。
こうした基本行動を示すこともできずに、国政を動かすことは、あまりにも空恐ろしいことだ。
世論がようやく、安倍昭恵氏の証人喚問実現を要請する方向で一本化し始めている。
本当に関与がないなら、安倍首相は積極的に安倍昭恵氏の証人喚問実現に動くはずだ。
この期に及んで、安倍首相が昭恵氏喚問を阻止しようと執着するから、やはり昭恵夫人に証言してもらっては困る事情があるのだと、誰しもが推測してしまうのだ。
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