佐川局長「強気メモ」と公文書改竄の鍵握る今井秘書官
安倍内閣はもりかけ疑惑から逃げようとしているが、もりかけ疑惑の追い上げスピードが加速している。
安倍内閣がもりかけで退場に追い込まれるのは時間の問題だろう。
森友事案の核心は3+1だ。
事案の核心は国有地の不正払い下げ疑惑である。
時価10億円相当の国有地が実質200万円で払い下げられた。
佐川宣寿元理財局長は、適正な払い下げだったと強弁したが、その根拠が崩壊している。
不動産鑑定評価額から大阪航空局が算定した埋設物撤去費用を差し引いて適正に払い下げを行ったと発言してきたが、実際には「理事長が求めるゼロに近い線に近付ける作業をした」結果として、実質200万円で払い下げられたというプロセスが明らかになっている。
大阪航空局が積算した量の埋設物を撤去すると4000台のトラックでの搬出が必要になるとの計算が指摘されたため、財務省が森友学園にウソの口裏合わせをすることを依頼して断られた事実が明らかになった。
財務省理財局が激安払い下げを正当化するための「偽装工作」を行ったと推察される。
このことが国有地払い下げが適正ではなかったことのひとつの重要な証拠になる。
国有地の不正払い下げは財政法第9条違反の違法行為であり、国に損害を与えたとすれば刑法の背任罪が成立する可能性が高い。
これが森友事案の核心である。
第2の問題は、この問題に関する公文書が改ざんされた問題である。
決裁済公文書が改ざんされた。
起案日、決済日、文書番号が同一で、決済印のある虚偽の公文書が作成された。
公文書原本とは別に、内容の一部が削除された虚偽の公文書が作成されていたことが判明している。
刑法の虚偽公文書作成および同行使罪に該当する可能性が高い。
1年以上10年以下の懲役刑が定められている刑法上の重大犯罪である。
公文書は民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産であり、公文書の改ざんを刑法は重大犯罪と位置付けている。
そして、財務省=政府は、国権の最高機関である国会に虚偽の公文書を提示して国会の業務を1年以上にわたって妨害してきた。
刑法が定める偽計業務妨害罪に該当する疑いが濃い。罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金である。
この三つの重大犯罪の嫌疑が浮上している。
このなかで、最大の問題として浮上していることは、安倍首相夫妻の関与である。
安倍首相は昨年2月17日の衆院予算委員会で次のように明言した。
「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」
「いずれにいたしましても、繰り返して申し上げますが、私も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして、(中略)繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」
森友学園への国有地不正払い下げ疑惑に安倍首相夫妻が関わっていたら、安倍首相は首相と議員を辞めることになる。
極めて重大な発言を示しており、国会における問題追及は、安倍首相のこの答弁を軸に展開されている。
また、財務省による虚偽公文書作成疑惑は事実であれば行政権力による重大犯罪ということになるが、この事案にも安倍首相が関わっている疑惑も指摘されている。
昨年の国会審議において、佐川宣寿理財局長が乱暴な答弁を繰り返したが、その背景に「もっと強気で行け」との安倍首相メモが存在したことが伝えられている。
2月17日の上記首相国会答弁と公文書改ざんとの関わりが重要だが、公文書改ざんに首相官邸が関わっている疑いが強い。
そもそも、2月17日の安倍首相による「強気の答弁」と佐川氏に対する「もっと強気で行け」というメモは表裏一体のものであると思われる。
これらの「強気のスタンス」を支えていたのが「公文書改ざん戦術」だったのではないか。
首相官邸で主導的な役割を担っていたのが今井尚哉筆頭首相秘書官である。
PMメモと今井尚哉氏との関係も明らかにしなければならない。
行政機構による三つの重大犯罪の疑惑と安倍首相夫妻の関与を軸に、今後も真相追及の嵐が続く。
その嵐によって、安倍内閣は最終的に退陣に追い込まれる可能性が高いと思われる。
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