公文書改ざん方針踏まえた217安倍答弁でないか
本ブログ、メルマガで一貫して問題の核心であるとしてきた、昨年2月17日の衆議院予算委員会での安倍首相発言が改めてメディアでもクローズアップされている。
安倍首相は次のように発言した。
「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」
「いずれにいたしましても、繰り返して申し上げますが、私も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして、(中略)繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」
この発言自体が、財務省による公文書改ざん事件と連動している。
世間では、安倍首相や佐川宣寿元理財局長の国会答弁があり、この国会答弁との整合性を持たせるように公文書の改ざんが行われたとの見方が流布されている。
時間の流れでは、安倍首相発言、佐川局長発言があって、その後に公文書の改ざんが実行されたという面があるのは確かだが、因果関係の深層は逆である可能性が高いと考える。
問題が世間で取り沙汰される契機になったのが、2017年2月9日の朝日新聞報道
「学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割」
である。
発端は豊中市会議員の木村真氏が、当該国有地の払い下げについて情報公開を請求したことである。木村氏の地道な活動が朝日新聞報道につながった。
本ブログ、メルマガでは昨年2月13日にこの問題を取り上げて次のように記述した。
「瑞穂の國記念小學院」用地払い下げ問題解明急務」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-b4c9.html
「安倍首相の夫人が名誉校長を務める小学校の運営法人に対して、国が随意契約で近隣地の10分の1の価格で土地を払い下げていた事実が発覚したのである。」
「安倍首相に直結する巨大スキャンダルの表面化であると見ることができる。」
私はこの問題が表面化して、大きな事態に発展する可能性が高いと直感した。
古い話になるが、1988年に朝日新聞が川崎市助役への株譲渡をスクープ報道し、これがリクルート事件の端緒になった。
このときも、私は、この事案は大きな事態に発展する可能性が高いとの直感を持った。似たような感覚を覚えたのが昨年2月9日の朝日新聞報道だった。
この問題の当事者が安倍首相夫妻であり、財務省理財局、近畿財務局である。
直ちに決裁公文書をチェックして事実関係を確認したはずである。
そして、民進党の福島伸享議員が衆院予算委員会で質問したのが2月17日のことである。8日間の時間があった。
この間に、この問題追及に対する基本方針が定められたと考えられるのである。
つまり、この時点で安倍首相夫妻の関与、国有地払い下げのプロセスにおける問題のある箇所の隠蔽の方針が定められたと考えられるのである。
公文書の内容を「修正」してしまえば、この問題を乗り切ることができる。
この安易な判断の背景は、与党が国会の圧倒的多数を占有していることを背景にした安倍政権、安倍首相自身の慢心、驕りであったのだと思われる。
不透明なプロセスを辿ったこと、安倍首相夫妻とのかかわりにかかる部分を公文書から完全抹消してしまえば、この問題を乗り越えることは可能だ。
そのような判断を下した疑いが強いのである。
この方針を確定したことを踏まえて、安倍首相が踏み込んだ発言をした。
しかし、安倍首相答弁は異常である。
聴かれてもいないのに、
「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」
というのは明らかに饒舌過多である。
「及ばざるは過ぎたるに勝れり」の言葉がある。
安倍首相の発言には明らかに不自然さが表出している。
刑事コロンボでは、犯人が、まだ関与について問いただされてもいない段階で、饒舌過多になり、自分の疑いを晴らす発言に突き進む。
コロンボはこの行動を見て疑いを強めるのである。
安倍首相の昨年2月17日の国会答弁は、まさに刑事コロンボに搭乗する犯人の言動とピタリと重なるのである。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1991号「安倍首相が改ざん認識なら、より重大事態に発展」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)
価格:1,620円 通常配送無料 |
「国富」喪失 (詩想社新書)
価格:994円 通常配送無料 |
反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! ~(TRI REPORT CY2017)
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
泥沼ニッポンの再生
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
安保法制の落とし穴
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 安倍首相は公文書改ざんを知っていたのではないか | トップページ | もういい加減にしろ!安倍政権オールジャパン学習会 »
「山かけもりそば疑惑」カテゴリの記事
- 巨悪無罪放免小悪籠池実刑森友事件(2023.01.13)
- 安倍氏は国民が見える場で説明せよ(2020.12.20)
- 虚偽公文書作成無罪放免検察を刑事告発すべきだ(2020.04.02)
- 公文書改ざん2/17安倍国会答弁忖度説の誤り(2020.03.21)
- 安倍・検察・財務省癒着の超巨大犯罪握り潰し(2020.03.18)
« 安倍首相は公文書改ざんを知っていたのではないか | トップページ | もういい加減にしろ!安倍政権オールジャパン学習会 »