交付金による買収名護市長選を許さない!
2月4日の沖縄県名護市長選まで残すところ2日となった。
激戦が伝えられている。
選挙は最後の最後まで死力を尽くさなければならない。気を緩めた方が負ける。
熾烈な情報戦が展開されているが、何を軸に投票するべきであるのかを冷静に考えて、主権者が一人残らず主権を行使するように誘導しなければならない。
最大争点は言うまでもない。
名護市辺野古海岸に米軍基地を建設することの是非を問う選挙である。
安倍政権は沖縄県民の意思、名護市民の意思を踏みにじって辺野古米軍基地建設を強行している。
基地建設が進捗してしまうと、これを中止して原状を回復することは困難になる。
また、裁判所に訴えても「訴えに利益なし」と訴えを退けられてしまう可能性も高くなる。
辺野古米軍基地建設問題は正念場を迎えているわけだ。
この名護市長選で米軍基地建設反対を訴える現職の稲嶺進氏が敗北することになれば、安倍政権は米軍基地建設を一気に加速することになるだろう。
米軍基地建設を阻止するためには、この名護市長選に敗北することは許されない。
本年最初の最重要政治決戦となる。
名護市の市民は札束で頬を叩くような安倍政権の沖縄差別、沖縄蔑視の行動を跳ね返す矜持を示す必要がある。
安倍政権与党である自公、さらに維新が支持する渡具知武豊候補は、表向き辺野古米軍基地建設推進を唱えていない。
しかし、安倍政権は名護市の市民に対して、辺野古米軍基地建設を受け入れれば、米軍再編交付金を支給するとしている。
そして、渡具知候補は再編交付金を受け取ることを公言している。
つまり、渡具知候補は米軍基地建設容認と受け止められているのである。
沖縄の公明党は普天間飛行場の県内移設に反対の立場を示している。
しかし、自民サイドの候補者である渡具知候補の推薦を決めた。
このために、渡具知候補は表立って辺野古米軍基地建設容認と発言しないが、実質的には米軍基地建設容認であると理解されているわけだ。
「基地問題隠し選挙」と呼ぶことができるが、名護市の主権者に対して極めて不誠実な態度であると言わざるを得ない。
沖縄の創価学会は平和運動に熱心に取り組んできた。
創価学会の池田大作名誉会長は著書『新人間革命』のなかで次のように記述している。
「『本土復帰』という住民の悲願の実現を盾に、核兵器や基地を沖縄に背負わせるとするならば、かつて沖縄を本土決戦の”捨て石”にしたことと同様の裏切りを、政府は重ねることになる」
(『新人間革命』第13巻P300)
その公明党が実質的に米軍基地建設容認の渡具知候補を推薦したことについて、名護市の創価学会員は無批判にこれを是認するのだろうか。
学会員のかなりの人々が選挙では稲嶺進氏に投票することも十分に考えられる。
政府が財政支出として支出する交付金について、与党が支持する候補が勝ったら交付金を支給し、政府が支持しない候補が勝ったら交付金を支給しないことを選挙活動として述べることは、実質的な利益誘導、利害誘導、買収行動である。
公職選挙法は、こうした行政権限を利用した投票誘導を選挙違反として明確に禁止するべきである。
利害誘導などが選挙違反事案として摘発されるなかで、こうした財政資金を利用した利益誘導行動が野放しにされることは法の欠陥と言うべきものである。
沖縄県民、そして、名護市民は選挙のたびに、このような対応に直面している。
札束で頬を叩いて投票を強要する行為自体が、沖縄に対する差別、蔑視そのものである。
このような非礼な行動に対して、名護市民は怒りの対応を示すべきである。
辺野古海岸を破壊して日本国民の費用負担で新しい巨大な米軍基地を沖縄県内に建設することの是非を、名護市の市民に率直に問うべきなのだ。
「基地を受け入れたらカネをくれてやる、しかし、基地を受け入れないなら、びた一文カネをくれてやらない」との対応は、最低の、卑劣な名護市の市民を冒涜する行動である。
名護市は安倍政権が、財政資金を用いて陰湿な嫌がらせ、予算カットの暴挙に進んでも、これを、あらゆる工夫によって乗り越えてきた。
稲嶺進氏が市長に選出された2010年以降、政府は市に対する米軍再編交付金の交付を取りやめたが、名護市は地域振興の13事業のうち、11事業の財源を確保してきた。
札束で頬を叩き投票を強要するような安倍政治に、名護市民は明確にNOの意思を突きつけるべきである。
名護市民の矜持が問われる選挙である。
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