NY株価調整後の経済金融変動のゆくえ
内外の政治経済金融情勢を展望する年次版のTRIレポートを2013年から上梓してきた。
2013年『金利・為替・株価大躍動』
2014年『日本経済撃墜』
2015年『日本の奈落』
2016年『日本経済復活の条件』
2017年『反グローバリズム旋風で世界はこうなる』
をシリーズとしてビジネスア社より上梓してきた。
2018年版は
『あなたの資産が倍になる
金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」』
である。
TRIレポートは筆者が運営するスリーネーションズリサーチ株式会社が発行する会員制レポート『金利・為替・株価特報』のことである。
www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
月2回発行しているもので、これとは別に年次版のTRIレポートを公刊している。
2017年版の『『反グローバリズム旋風で世界はこうなる』では、サブタイトルに「NYダウ2万ドル、日経平均2万3000円時代へ、株価再躍動」と記述した。
日経平均株価の急騰を予測した2013年版のタイトルを『金利・為替・株価大躍動』としたことを念頭に置いて「株価再躍動」の文字を躍らせた。
『金利・為替・株価特報』では2012年10月下旬号において、政局の転換・日銀人事の転換を前提に円安進行と株価上昇の可能性を指摘した。
その変化が2012年11月14日の野田佳彦氏と安倍晋三氏による党首討論での解散総選挙実施決定によって始動したのである。
ドル円は78円/ドルから103円/ドルに振れ、日経平均株価は8600円から15600円へと急騰した。
この変化を予測したのが2013年版のTRIレポートであった。
2014年版の『日本経済撃墜』は、安倍政権が2014年4月の消費税増税を実行するなら、日本経済が撃墜されてしまうとの予測を示したものだった。
現実に消費税増税を契機に日本経済は景気後退局面に転落したのである。
鉱工業生産指数を見ると、2014年1月から2016年6月まで2年半にわたり、日本経済が景気後退局面に陥ったことがはっきりと読み取れる。
日本政府は消費税増税不況を隠蔽し、景気後退がなかったとの虚偽情報を流布しているが、現実に日本経済は景気後退局面に転落しているのである。
2015年版の『日本の奈落』は、安倍政権が2015年9月に予定していた消費税率をさらに10%にまで引き上げる再増税に踏み切るなら、日本経済は奈落の底に転落することを警告したものである。
この書のなかで、2014年の年内解散の可能性があることを指摘したが、安倍政権は消費税増税延期を表明して2014年12月に総選挙を挙行した。
安倍政権が消費税増税を延期したのは筆者の見解を踏まえたものである。
増税延期で日本経済は奈落の底に転落することを免れたのである。因みに私が提示した当初の書名タイトルは『日本の瀬戸際』であった。
消費税再増税を中止または延期するかどうかが焦点であることを訴えたかったのである。
2016年版『日本経済復活の条件』では、日本経済を再生させるための政策転換を提唱した。
安倍政治は弱肉強食奨励=弱者切り捨てを基本に置いているが、この新自由主義経済政策の影響で深刻な格差が生み出されてきた。
1%の超富裕層が生まれる一方で中間層が下流に押し流され、広範な新しい貧困層が生み出されている。
この政策運営が最終的に消費の絶対的な不足をもたらし、生産の崩壊を招く。
最重要の政策課題は「分配問題」である。
すべての国民に保証する最低限度の生活水準、所得水準を大幅に引き上げる政策こそ求められている。この主張を提示した。
同時に、2016年版TRIレポートでは、中国経済、新興国経済、資源国経済が緩やかに底入れする可能性が高いことを予測した。
世間では中国経済崩壊、チャイナメルトダウンは確実との中国崩壊論が一世を風靡していた。これに対して私は圧倒的少数見解を提示したのである。
実際のところ、中国経済は2016年2月を転換点に緩やかな回復を実現していった。
そして、2017年版のTRIレポートでは内外株価の急騰を予測した。
米国大統領選で私はトランプが勝利する可能性が十分にあるとの見解を示してきた。そして、トランプが勝利した場合、ドル暴落・株価暴落ではなく、逆にドルとNY株価が上昇するとの見通しを示したのである。
そして、2018年版のTRIレポートでは「大波乱リスク」を軸に執筆した。
著述家の高橋清隆氏が詳細な書評をブログに掲載くださったので、ぜひご高覧賜りたい。
【書評】『あなたの資産が倍になる——金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」』植草一秀(ビジネス社)
http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1948472.html
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