御用放送NHK改革なくして受信料強制徴収なし
NHKは重要な国会審議の模様をすべてテレビ中継するべきである。
また、国会開会中はNHK日曜討論を、最低でも隔週で各党代表者出席の政治討論とするべきだ。
最高裁は、NHKを
「公共放送事業者としてNHKを設立し、民主的かつ多元的な基盤に基づきつつ自律的に運営される事業体として性格付け、これに公共の福祉のための放送を行わせることとした」
とするが、現状ではNHKは「公共の福祉のための放送を行って」いない。
NHKは日本相撲協会に年間30億円もの中継料を支払っている。
30億円というとピンとこないが、年収300万円の職員の雇用コストに置き換えれば、なんと1000人もの職員を雇用できる費用である。
とてつもない金額を日本相撲協会に支払っている。
このお金が何にどのように使われているのか不透明である。
また、日本相撲協会が公益財団法人になっており、税制上の優遇策が取られている。
このことは、相撲協会が通常の法人であれば支払わなければならない税金が減免されていることを意味するわけで、通常の納税を行った相撲協会に国が補助金を支給しているのと同じことになる。
国民の負担が日本相撲協会にかかっているわけである。
大相撲中継では幕内の取組だけでなく、十両や、場合によっては幕下まで放送が行われる。
その一方で、NHKは首相が出席して答弁する衆参両院の予算委員会審議すら完全放送しない。
共謀罪の制定など、国民に関わる重要議案については、委員会審議の模様もテレビ放送を行うべきである。
予算委員会の審議を完全放送するべきことは当然だ。
この通常国会では、伊藤詩織さんが傍聴し、山口敬之氏に対する逮捕状執行が警視庁刑事部長によって取りやめになった事実について野党議員が追及した審議や、山本太郎参院議員が質問した委員会審議がテレビ中継されなかった。
安倍政権から安倍政権に都合の悪い部分のテレビ中継をしないように圧力がかかっているとの憶測が生まれておかしくない状況だ。
森友学園に関する疑惑が多く噴出しており、NHKが討論番組を放送するなら、国会開会中は、少なくとも2週に1回は政党代表者による討論を放送するべきである。
出席者は政党要件を満たすすべての政党の代表者とするべきだ。
昨年も国会開会中の政治討論の回数が極めて少なかった。
現在のようなNHKの運営で、国民に受信契約を強要することは基本的人権の侵害と言わざるを得ない。
しかし、日本の裁判所には、法律を正しく解釈し、これを適用する意思と能力が存在しない。
1959年に砂川事件で東京地方裁判所の伊達秋雄裁判長が、米軍の駐留について違憲の判断を下したことに対して、最高裁の田中耕太郎長官は当時の駐日大使ダグラス・マッカーサー2世と密会し、「伊達判決は全くの誤り」と一審判決破棄・差し戻しを示唆するとともに、上告審日程やこの結論方針をアメリカ側に漏らしていたことが明らかになっている。
検察は一審判決ののち、直ちに最高裁判所へ跳躍上告し、最高裁は同年12月16日に原判決を破棄し地裁に差し戻した。
裁判所自体が腐敗し、機能不全に陥っている日本では、法の支配も法の正義も通用しない。
私たちはいま、暗黒社会に身を置いているのである。
NHK放送を視聴できないテレビ機器の開発、販売が急がれる。
テレビを設置した者にNHKとの放送受信契約を強要するというのなら、NHKの業務内容の全面的な見直しと縮小が必要である。
NHKが芸能やドラマを取り扱う理由がない。
天変地異などの自然現象、災害、防災に関わる情報提供と国会審議の放映などにNHK放送を特化するべきだ。
ニュース報道においては、事実関係を伝えることに限定して、NHKの論評を排除するべきである。
論評を放送するなら、それぞれの事象について、多くの角度から論点を明らかにすることが必要不可欠である。
2月4日は名護市長選が実施されている。
安倍政権は与党候補者の当選に総力を結集している。
この日にNHKが日曜討論で政治討論を行えば、安倍政権の暗部がクローズアップされてしまう。そのために、国会審議中で、多くの問題が国会でも取り上げられ、NHKが日曜討論で、これらの諸問題を掘り下げなければならないのに、政治討論を封印している。
このようなNHKはまさに「有害無益」の存在である。
放送法の抜本改正が喫緊の課題である。
NHKのあり方は放送法によって規定されているが、この放送法が政治権力によるNHK支配の元凶になっている。
内閣総理大臣が三権分立を理解し、権力の行使に対して自己抑制を働かせる、行政権の長にふさわしい資質を備えている場合には弊害が生じないが、内閣総理大臣がその逆である場合には、さまざまな重大問題が生じる。
とりわけ重大であるのが、裁判所とNHKに対する人事権の行使である。
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