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2018年1月10日 (水)

村本大輔氏の積極発言を市民が支える重要性

日本の言論空間の歪みは非常に深刻である。ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏の「THE MANZAI」や「朝まで生テレビ」などでのネタや発言について批判する言説が流布されているが、村本氏の発言の正当性を適正に論評することが必要である。ネット上には、当然のことながら正論も提示されているが、巨大資本が資本力で村本氏を攻撃する姿勢を鮮明にしていることが問題とされるべきである。村本氏は「THE MANZAI」で原発、沖縄、政治、被災地などについての鋭い斬りこみを示したが、これこそ「風刺」の効いたお笑いそのものである。同時に村本氏は市民の意識のあり方を痛烈に批判した。こうした「風刺」こそメディアに求められる基本姿勢であり、政治権力の意向を忖度することに汲々とするメディアや芸能人の基本姿勢に対する痛烈な批判となっている。


当然のことながら、村本氏の影響力が拡大すれば、メディアは村本氏の露出を封印する方向に動くだろう。逆に村本氏を攻撃して彼を貶めることに成功するならば、意図的に村本氏を活用することも考えられる。村本氏自身もメディアの対応を測りながら間合いの取り方を検討していると推察されるが、日本の言論空間にひとつの風穴を開けようとする村本氏の姿勢を主権者は歓迎するべきである。「朝まで生テレビ」における村本氏の発言が非武装中立の肯定であったことから、これを批判する主張が散見されるが、日本国憲法を表現通りに読み取るならば「非武装中立」の概念が念頭に置かれることは当然のことであり、強い批判は失当である。

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テレビメディアの登場人物に著しい偏りがあることは周知の事実である。電波産業は典型的な許認可ビジネスであり、政治権力の完全支配下の産業である。民間キー局は5社しか存在しない。これに実質的な国営放送のNHkが存在するだけだ。NHKは放送法の規定を政治権力者が濫用することにより、完全に政治権力の支配下に置かれてしまっている。NHK職員の中枢は政治権力の意向を忖度する行動様式を率先垂範して示している。NHKの最高意思決定機関は経営委員会で、経営委員会がNHK会長を選出し、NHK会長は経営委員会の同意を得てNH副会長と理事を選任する。その経営委員会委員の人事権を内閣総理大臣が握っている。内閣総理大臣がNHKを私的に支配する意向をもって人事権を行使すれば、当然の結果としてNHKが総理大臣の私的な意向を反映する組織、運営を取ることになる。政治権力は多くの情報の発信源である。民間放送会社は政治権力との良好な関係を維持しようとする。この結果として、民間放送会社の放送内容は権力迎合となるのである。


もとより、メディアには社会の木鐸としての役割が求められるのだが、現実に現在の日本でこの役割を果たすメディアは極めて稀有の存在である。現在のメディアの重要な一角を占めているのがインターネットメディアであるが、大手資本も当然のことながらインターネットメディア事業に参入しており、極めて大きな影響力を発揮している。こうした巨大資本がインターネットを通じて提供される情報に対しても、強い誘導を行っている。民間メディアの収入の大半はスポンサー収入であり、民間メディアの情報誘導の方向はスポンサーである資金提供者の意向を反映することになる。この結果として、民間メディアの情報誘導も政治権力の意向を忖度するものになっているのだ。

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政治権力に対する的確で鋭い指摘を提示する論者はマスメディアから排除される傾向が一段と強まっている。政治権力に対して批判を展開する者が皆無になることは、むしろ不自然な印象を与えてしまうため、力量のない影響力の乏しい批判者だけが登用されることになる。メディアにおける、この種の情報統制は2001年の小泉政権発足後に急激に強まったと観測される。テレビのコメンテーターには大手プロダクションに所属するお笑い芸人が重用されるが、彼らは番組制作者の意向を読み取り、その意向に合わせて発言を器用に調整する能力の持ち主である。番組制作者にとっては極めて好都合な存在なのである。そのようなプロダクションに所属しながら政治権力に対する厳しい批判を展開する発言者は、その影響力が拡大すれば確実に「排除」の対象とされることになるだろう。


しかし、いまの日本の閉ざされた、極めて貧困な情報空間のなかに求められている新しい風とは、政治権力による情報操作、情報統制に対して敢然と立ち向かう行動の広がりである。権力に対する正当な批判、厳しく鋭い批判を躊躇することなく発言できる言論空間の空気を醸成する必要がある。政治権力の側は資金力と人員動員力を用いて、インターネット空間においても情報統制の行動を強めている。これに対抗することは容易でないが、権力に立ち向かう側も効果的な戦術を構築する必要がある。インターネット空間においては、主要メディアが構築しているポータルサイトと呼ばれる入り口のサイトの影響力が大きい。インターネット利用者の多数が、このポータルサイトを経由して各種情報にアクセスするからだ。政治権力に立ち向かう側の入り口を共有することが検討されるべきである。入り口を共有化することにより、このポータルサイトの影響力を高めることができるはずだからである。日本政治刷新を実現するための情報戦略の構築が急がれる。

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