西部邁氏逝去の報に接し衷心より哀悼の誠を捧ぐ
元東大教授で評論家の西部邁氏が亡くなられた。多摩川に入水されたという。
衝撃的なニュースであり、深い悲しみに包まれるが謹んでご冥福をお祈りしたい。
日本の知性が現世を去られた。この直前まで発言を続けられたが、自死を示唆されていた。
私が大学の教養課程に在籍していた折には教養学部の教官をされていた。
その後、大学の人事案が否決されて大学を去られた。
それ以前に別の方を教官として採用する話があり、その方と一緒に新宿でお会いしたのが最初の直接の接触だった。
その後も折に触れて声をかけてくださった。
保守の論客として、そして日本を代表する知性として発言と表現を続けてこられた。
自死という最期を遂げられたが、死は人間の宿命である。我々は死を恐れるが死から逃れることはできない。
その死を見つめて、死を恐れずに行動を遂げられた。自死を賛美するつもりはないが、有言実行の死をも克服する生き方であった。
「言論は虚しい」
の言葉を最後に発せられたが、言論を否定されたのではなく、最期まで言論人であることを貫いた方である。
何度もお会いしてお話をする機会を得たが、先立たれた令夫人に対する思いをいつも語られていた。
人間の存在、慈愛のあり方、そして、人間としての出処進退のあり方について私たちに投げかけられた姿に考えさせられることが多い。
残された親族の方々に思いをいたすとともに心からのお悔やみを申し上げたい。
その1月21日に沖縄県南城市で市長選が実施された。
無所属新顔で元衆院議員の瑞慶覧長敏(ずけらんちょうびん)氏と無所属現職で4選をめざした古謝景春(こじゃけいしゅん)氏の一騎打ちの選挙になったが、瑞慶覧長敏氏が65票の僅差で勝利した。
瑞慶覧氏は民進、共産、社民、自由、沖縄社会大衆推薦で沖縄県知事の翁長雄志氏も支援した、いわゆる「オール沖縄」候補である。
古謝景春氏は自民、公明、維新が推薦し、安倍政権が支援した現職候補だった。
両候補者の得票は、瑞慶覧氏が11429票、古謝氏が11364票だった。
当日有権者数は3万4328人で、投票率は過去最低の66・92%だsった。
翁長雄志知事が就任したのは2014年12月。これ以降の沖縄県内の市長選では自民候補が勝ち続けてきた。
いわゆる「オール沖縄」支援候補は市長選で勝利出来ずに来た。
その「オール沖縄」支援候補が今回の市長選で勝利した意味は極めて大きい。
1月28日告示、2月4日投票の名護市長選を目前に控えた選挙であり、安倍政権与党は南城市長選に総力を結集して対応した。
自民党は石破茂衆院議員などの有力議員を続々と投入して必勝を期したが想定外の敗北を喫したのである。
2月4日の名護市長選は辺野古米軍基地建設問題の正念場となる。
これまでの名護市長選、名護市議選、沖縄県知事選で、沖縄の主権者は辺野古米軍基地建設NOの意思を鮮明に示してきた。
それにもかかわらず、安倍政権は辺野古米軍基地建設を強行してきた。
辺野古米軍基地建設の本体工事が着工され、猛烈なスピードで建設が進められてしまったことに対する翁長雄志知事の責任は極めて大きいと言わざるを得ないが、沖縄の主権者の辺野古基地NOの意思は揺らいでいないと思われる。
危険が大きい普天間飛行場では米軍機からの巨大な落下物が普天間第二小学校の子供たちをあわや直撃する事故を引き起こした。
辺野古移転を促進するための演出であったとの見方もあるが、沖縄県民はいまなお巨大な基地負担を押し付けられたままなのである。
その普天間第二小学校の上空を米軍機が飛行したとの情報も確認されている。
米軍の横暴、そして、その米軍に対して何もモノを言えずに、ただ隷従して、沖縄県民に負担を押し付ける安倍政権の姿勢に、沖縄の主権者が不信と怒りの念を抱くのは当然のことである。
2月4日の名護市長選においても、名護市の有権者は、札束で頬を叩く安倍政権の横暴を跳ね返して、米軍基地NOの意思を再度明確に示す必要がある。
公明党は今回、自民推薦候補を推薦する姿勢を示しているが、名護市民の意思を踏まえて自主投票に方針を変更するべきではないか。
普天間飛行場の県内移設に反対しながら、自民推薦候補を支援することは大きな矛盾であり、今後の公明党の沖縄県での支持が急速に細る可能性が高い。
辺野古米軍基地建設問題は大きなヤマ場を迎えている。
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