民進党解体が日本政治刷新の第一歩
7月2日の東京都議選で大敗したのは安倍自民だけではない。
野党第一党の民進党はさらに大惨敗している。
都議会議席総数127に対して、自民党が獲得した議席は23。
議席総数の5分の1にも届かぬ議席数に激減した。
都議会第一党の地位は、公認、推薦合わせて55議席を獲得した都民ファーストに譲った。
都民ファーストと選挙協力した公明党は23人の擁立候補者の全員当選を果たした。
自民党はこの公明党と同数にまで議席数を減らしたのである。
国政における自民党多数議席は公明党の全面支援に支えられて実現したものである。
小選挙区の選挙で公明党の支援なしに当選できる自民党議員は数えるほどしか存在しない。
次の国政選挙で公明党が自民党以外の政党の支援に回れば、自民党が一気に大敗する可能性が高いことが誰の目にも明らかになった。
しかし、この自民党よりも無残な敗北を喫した政党がある。
それが野党第一党の民進党である。
民進党の前身である民主党は、2009年の都議選で54議席を獲得して都議会第一党の地位にあった。
これが2013年の選挙で15議席に激減、今回はその3分の1の勢力に収縮した。
民進党執行部はこの現実に対して責任を明らかにする必要がある。
民進党の蓮舫代表の国籍問題が取り沙汰されているが、日本国籍を取得しても、出生地主義で国籍を付与している国で生まれた者などは、本人の意思に反して二重国籍になってしまう場合などがある。
蓮舫氏が日本国籍を有せずに日本の国会議員に就任していたなら重大問題であるが、そうでないなら、大きく騒ぎ立てるような問題ではない。
民進党の問題は国籍問題ではなく、民進党がもはや主権者国民にまったく信頼されていない政党に陥ってしまっていることにある。
もっとも象徴的な事例は昨年10月に実施された新潟県知事選での民進党の対応である。
新潟知事選で最大の争点になったのは原発再稼働の是非である。
民進党の次期衆院選候補者である米山隆一氏が民進党の推薦を得て知事選に立候補する意向を示した。
ところが、民進党は米山氏の推薦を拒絶した。
民進党支持母体である連合新潟が、対立候補となった森民夫氏の推薦を決めてしまっていたというのが表向きの理由だ。
森民夫氏は自民党が推薦する候補であり、原発再稼働容認のスタンスを有しているとみなされていた。
連合新潟は原発容認の候補の支援に動いていたということになる。
この背景があるにもかかわらず、民進党は原発再稼働反対の方針を示す米山隆一氏の推薦を拒絶した。
米山氏は民進党を離れて、完全無所属で新潟知事選に立候補し、原発再稼働反対を訴えた。
自公が森民夫氏を支援し、民進党が実質的に森民夫氏の側面支援に回るなかでの立候補となった。
ところが、結果は米山隆一氏の大勝となった。
政党の勢力図式に囚われずに
「政策を基軸に選挙を戦った」
「政策基軸選挙=政策選択選挙」
を実現した結果としての米山隆一氏の大勝利であった。
私はこの選挙の方式を「新潟メソッド」と称している。
(拙著『「国富」喪失』(詩想社新書)
https://goo.gl/s3NidA
参照)
特筆するべきことは、米山氏の支援を拒絶したのが、新たに就任した蓮舫-野田佳彦の民進党新執行部であった。
民進党新代表に就任した蓮舫氏が米山氏の新潟県知事選出馬に際しての民進党推薦を拒絶したのである。
もちろん、裏で糸を引いたのは野田佳彦氏である。
その蓮舫氏が、選挙戦中盤以降、米山氏支持が急伸すると態度を豹変させた。
米山氏の当選が確実になると、急遽新潟入りして米山氏の応援演説に応じたのである。
あまりにも醜い対応であった。
この民進党が主権者国民の支持を完全に失っている。
7月25日に開催される民進党両院議員総会では執行部の退陣を求める声が優勢になることは間違いない。
民進党の解体が迫っているが、これが日本政治刷新を実現する第一歩になることは間違いない。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1793号「7.25民進党両院議員総会で民進党執行部総退陣へ」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
「国富」喪失 (詩想社新書)
価格:994円 通常配送無料 |
反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! ~(TRI REPORT CY2017)
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
泥沼ニッポンの再生
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
安保法制の落とし穴
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |