現行憲法9条堅持して専守防衛に徹する
10月30日に大田区民ホールアプリコ大ホールで、JR東労組結成30周年記念集会が開かれた。
1500人収容のホールを満席にして、憲法改悪を許さないことをテーマに3時間半にわたる熱気ある集会が催された。
2002年11月1日に発生した冤罪浦和電車区事件から15年の年月が流れた。
平和運動、労働運動を弾圧するための冤罪事案が国家によって引き起こされた。
後藤昌次郎弁護士は
「国会にしかできない犯罪。それは戦争と冤罪である」
の言葉を遺されたが、その国家による重大犯罪である冤罪が、平和運動と労働運動を弾圧するために引き起こされたのである。
JR東労組に所属していた7名の組合員が不当に逮捕され、勾留された。
勾留期間は344日に及んだ。
7名の組合員は無実の主張を貫いたが、国家権力は不正で不当な有罪判決を示した。
7名の組合員は344日に及ぶ不正で不当な勾留を風化させないために
「美世志(344)会」を結成。
JR東労組、そしてその家族、さらに国家権力の不当な権力行使、弾圧に抗する市民が15年間にわたって闘いを続けてきた。
毎年、11月1日前後に、国家権力による平和運動、労働運動に抗し、戦う決意を新たにするために、集会が開かれている。
JR東労組が結成されて30年、冤罪浦電事件が発生して15年。
ひとつの節目になる年の集会になった。
10月22日に実施された第48回衆議院議員総選挙。
反安倍自公政権票が分散したために、安倍政権与党が多数議席を維持する結果になった。
議席総数465のうち、改憲派議席が375、反改憲派議席が90になった。
議席総数の8割が改憲勢力に占有されることになった。
文字通り「絶望の選挙結果」と言わざるを得ない。
しかし、私たちはここで絶望してはならない。
マーティン・ルーサー・キングJr牧師が述べた言葉
「絶望の山に分け入り、希望の石を切り出さなければならない」
を、いまこそ噛みしめなければならない。
集会では慶応大学名誉教授の小林節氏が記念講演を行った。
小林節氏にはオールジャパン平和と共生の顧問もお引き受けいただいている。
小林氏は憲法9条について、改定の必要はないことを明言された。
現行憲法第9条は、
第1項で、国際紛争を解決するための手段として、戦争を永久に放棄することを明記している。
ここでいう「国際紛争を解決するための手段としての戦争」とは、基本的に侵略戦争のことを指す。
他国から攻撃を受けて行われる、自衛のための戦争までは否定していないと考えられる。
他方、第2項では、
戦力の不保持
と
交戦権の否定
が明記されている。
したがって、自衛隊が海外に出て、米国が創作する戦争に加担することが禁じられている。
日本国憲法は、日本の専守防衛を定めており、国を守るには、この規定で問題がないと、小林氏は指摘した。
憲法解釈の観点から、自衛隊の海外での戦闘行為を認める安保法制=戦争法制は明らかに憲法違反であるとの判断も示された。
この戦争法制が制定された状況下で、第3項に自衛隊の存在を明記すると、その自衛隊の海外での戦闘行為が容認されてしまうことになる。
この意味で、安倍首相が提案している第3項の書き加えは問題があるとする。
小林氏は憲法改定論議をタブー視する必要はないが、憲法改定には
「改正」と「改悪」の二つがあり、「改悪」をするべきでないとの立場である。
そして、いま、安倍政権が推進しようとしている改定は、明確に「改悪」であり、これを阻止する必要があることを訴えた。
安倍政権の下で憲法改定が発議されると、最終的な決着は、国民投票に委ねられる。
この国民投票で、確実に憲法改悪を阻止するための運動を、直ちに展開し、大きな国民運動に発展させてゆかねばならないと言える。
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