岡田ゾンビ代表返り咲きなら最悪ブラックジョーク
総選挙前に生じた民進党の分離・分割は必然の現象であった。
民進党内に二つの異なる政党が同居する状態が続いていた。
これを解消したものである。
私はかねてよりこのことを訴えてきた。
そして、民進党の代表選でこのことが鮮明になった。
原発、戦争法・憲法、消費税
という主要な三つの政策課題についての基本方針が真っ二つに割れたのである。
その必然の結果であるが、野党共闘のあり方につての主張も真っ二つに割れた。
前原誠司氏は
原発再稼働容認、戦争法制容認・憲法改定推進、消費税増税推進
の方向を示した。
同時に、共産党との共闘について否定的見解を示した。
これに対して枝野幸男氏は、
原発ゼロ前倒し、戦争法制否定・憲法改定慎重、消費税増税凍結
の方向を示すとともに、
共産党との共闘について前向きの方針を明示した。
代表選では前原誠司氏が当選したが、枝野氏も一定の投票を得た。
この後、前原新代表が暴走した。
民進党が丸ごと希望の党に合流するとの説明で了承を取りながら、実際には、
戦争法制肯定
憲法改定推進
共産党との共闘否定
の条件を呑んで希望の党に合流することを強行した。
民進党が分裂することは当然のことだ。
民主主義のルールに反する暴走と言わざるを得ない。
基本的な政策方針、基本的な理念が異なる勢力が同居していることを確認したのであるから、そのいずれか一方だけを強要することを考えるなら、党を分離・分割する以外に方法はない。
前原氏が適正な党内論議、党内手続きを踏まずに、強引な手法で希望の党への合流を強行したために、立憲民主党が創設され、結果的に、党の分離。分割が実現した。
この結果をもたらした主因は、前原氏のルール違反の暴走にあり、結果としての民進党分離。分割に対して、前原氏は責任ある対応を示すべきだ。
具体的に言えば、党が保有する政党交付金を、適正に立憲民主党と分割するべきなのだ。
法的な制約を考察した上で、法令に反しないかたちで、政党交付金残高を民進党と立憲民主党に分離・分割するべきである。
それを、立憲民主党が創設されたことを、これ幸いに、政党交付金を、完全な「鵺(ぬえ)」の存在になった民進党が自己資金としてしまうことは「公金」の取り扱いとして許されるものでない。
そもそも、このような事態が生じるに至った根本的な原因は、民進党内に二つの異なる政党が同居していたという点にある。
前原氏は、強引に、その相違による線引きを実行した。
前原氏が線引きを行ったから、線で引かれて新党ができた。
この新党に党の政党交付金残高は渡さないとする対応が間違っている。
残余の民進党は、基本的な政策路線、方針で、
希望系
と
立憲系
に分かれるべきである。
それが、主権者に対する分かりやすい説明である。
ところが、蜜に群がるアリのように、民進党の政党交付金残高に無所属で出馬した議員を含めて群がり始めている。
前原氏が代表を辞任したあとに、岡田克也氏が新代表に就任するなどという悪い冗談が流布されているが、彼らは自らを反省する心の姿勢さえ有していないのではないか。
今回の選挙で立憲民主党が主権者から強く支持されたのは、これまでの民進党の「鵺(ぬえ)」体質を、最低限ではあるが払拭したからである。
2019年の参院選に向けての体制と言うが、元の木阿弥、元の民進党に戻るなら、主権者は誰一人として、この民進党を支持しないだろう。
残余の民進党を、政策路線を基軸にして完全に分離・分割することが求められている。
そして、その分割に従って、政党交付金も公正に分離・分割するべきである。
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