日本支配者にとり最悪な野党第一党が誕生
日本政界の再編、野党勢力の再編は北海道、新潟メソッドを基軸に据えるべきだ。
この根幹は何か。
1.政策路線を基軸にした野党連携、野党共闘であること。
2.党派による党利党略を取り除くこと。
3.主権者=市民を基軸とすること。
この方式で北海道と新潟では野党が選挙態勢を構築した。
その結果、北海道では12の選挙区のうち、5つの選挙区で立憲民主党が勝利し、3つの選挙区で立憲民主党候補が比例復活当選した。
12の選挙区のうち、8つの選挙区で立憲民主が議席を確保した。
新潟県では6つの選挙区のうち、3つの選挙区で野党共闘候補が勝利し、1つの選挙区で希望の党に合流しなかった民進党系無所属候補が勝利した。
野党共闘に際しては、
戦争法制廃止、憲法改悪阻止
原発再稼動反対
消費税増税反対
などの基本政策が確認され、この政策路線を基軸に共闘が展開された。
共産党は多くの選挙区で立候補予定者の出馬を取りやめた。
共産党が立候補者を取り下げ、野党が共闘体制を敷いたことで野党共闘候補が勝利できたのである。
これらの行動はすべて、安倍政治に反対する主権者の立場に立脚するものである。
オールジャパン平和と共生
では、政策基軸、超党派、主権者主導で候補者を一本化して総選挙に臨むことを提唱してきた。
今回総選挙では、北海道や新潟で、この考え方が実践されたと言える。
その結果は、自公勢力にほぼ拮抗する議席獲得というかたちになって表れた。
この新潟メソッド、北海道メソッドを全国に広げてゆけば、政治状況の大転換は決して不可能ではない。
新潟県では、県知事選に際してこの方式が採用された。
その結果、原発稼動に反対する候補者の当選が実現した。
民進党は原発推進候補の当選を側面支援する行動を示したが、選挙戦の終盤で原発反対候補が優勢になると、あわててこの候補の応援に幹部が現地入りするなどのどたばた対応を示したが、民進党の「鵺(ぬえ)」体質を如実に示す行動だった。
今回総選挙では希望の党の立ち上げと、政策路線の確認を意図的に行わずにこれに合流することを強要することを狙った前原誠司氏の独断専行により、総選挙直前に大混乱が生じた。
とはいえ、民進党は水と油の同居状態を続けていたから、あのまま進んでも、野党共闘は機能せず、野党がばらばらの選挙になったから、結果は似たようなものになっていただろう。
前原誠司氏が民進党の基本路線をなし崩しで一気に転覆してしまおうとする暴挙に進んだため、民進党が分離・分割した。
これが今回総選挙の最大の成果であったと言える。
急造の立憲民主党ではあったが、これに共産党がほぼ全面的な協力姿勢を示したために、立憲民主党や無所属議員が多数当選できた。
選挙までの時間が短かったために、これを全国規模に広げることはできなかったが、時間の短さを踏まえれば極めて大きな成果が上がったのだと言える。
同時にこのことは、現在の政治権力者の側が、何よりも恐れていた事態が発生したことを意味している。
日本の支配者は、思想・哲学・政策の面で真正面から対峙する政治勢力が、既存の政治勢力に対峙するかたちで大きな存在として浮上することを、なんとしても排除するために、あらゆる手を尽くしてきたのだ。
2009年の政権交代は、その懸念が現実化してしまったものであり、爾来、日本の支配者は、これが二度と繰り返されぬよう手を尽くしてきた。
この目的のために民進党が「水と油の混合物」にされてきたのであり、
「隠れ自公」の第三極勢力構築に巨大な力が注がれてきたのである。
ところが、今回、その工作活動の行き過ぎにより、権力対峙勢力が独立し、総選挙を通じて、野党第一党の地位を確保してしまった。
この勢力が今後、政権を奪還する巨大勢力に育つことを、彼らは何よりも恐れることになる。
事態大逆転に向けての基礎が成立したのが今回衆院選の最大の注目点である。
この基礎を何としても生かしてゆかねばならない。
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