3補選&1知事選での野党共闘候補擁立が試金石
野党再編が論議の対象になるが、焦点は
「保保二大勢力体制」
か、それとも
「保革二大勢力体制」
かということになる。
「保保」というのは、現在の自公政権の基本政策と類似した基本政策を掲げる政治勢力が、自公勢力と類似した規模に拡大する状況である。
米国の共和・民主二大政党体制と類似した政治状況である。
「日本の支配者」が目指しているのがこの政治状況である。
これに対して「保革」は、現在の自公政権が示す基本政策方針と対峙する基本政策方針を明示する政治勢力が二大政党体制の一翼を担う体制である。
かつての英国の保守党・労働党の二大政党体制がひとつの類型である。
韓国では1988年以降、保守政権と革新政権が、ほぼ10年ごとに入れ替わる保革二大勢力による政権交代を実現してきている。
1988年 盧泰愚(ノ・テウ)政権
1993年 金泳三(キム・ヨンサム)政権
1998年 金大中(キム・デジュン)政権
2003年 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権
2008年 李明博(イ・ミョンバク)政権
2013年 朴槿恵(パク・クネ)政権
2017年 文在寅(ムン・ジェイン)政権
日本では2009年に鳩山由紀夫民主党が政権を樹立した。
鳩山政権は既存の政権の基本政策路線と明確に対峙する政策方針を明示した。
その基本政策方針の転換とは、
対米隷属 VS 対米自立
官僚支配 VS 官僚利権廃絶
大資本支配 VS 大資本支配排除
というものだった。
この基本路線転換を象徴する具体的な政策提言が
普天間基地の県外・国外移設方針
官僚天下りの根絶
企業団体献金の全面禁止
の三つであった。
1948年に芦田内閣が破壊されて以来、初めて樹立された本格的な革新政権が、この鳩山政権であった。
「日本の支配者」が本格的な「革新政権」をいかに恐れているのかは、鳩山政権の命運をたどれば鮮明に浮かび上がる。
鳩山政権を誕生させた主役は、小沢一郎氏と鳩山友紀夫氏(名前表記を首相辞任後に変更)の二人である。
この二人の盟友に対して「日本の支配者」が苛烈で卑劣な人物破壊工作を仕掛けたことは周知の事実である。
小沢一郎氏に対する攻撃は2006年4月に小沢一郎氏が民主党代表に就任した時点から本格化した。
このことを私は、本ブログ開設直後に掲載した2008年5月29日付記事
「自民党が恐れる最大の存在は小沢一郎民主党代表である」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_4d0a.html
に記述した。
「日本の支配者」は、なぜ、これほどまでに小沢-鳩山民主党を警戒したのか。
その理由は単純明快である。
この二人が主導する政治が、日本の既得権政治を根底から破壊する惧れが高かったからだ。
「日本の支配者」は小沢-鳩山民主党を破壊するための激しい工作活動を展開するとともに、これと並行して、「害のない」もうひとつの政治勢力を構築するための工作活動を展開してきた。
これがいわゆる「第三極」と称された新政治勢力創出の試みである。
結論を急ぐ。
「日本の支配者」は自公と類似した政策方針を示す、もうひとつの政治勢力を創出しようとしているが、これは日本の体制を固定化するためのものである。
日本の主権者の多数が「安倍政治を許さない!」との判断を保持する以上、二大勢力の一翼を担う政治勢力を「革新勢力」にする必要がある。
この「革新勢力」が政権を奪還して初めて、日本政治の刷新が実現する。
「保保二大政党体制」ではなく、「保革二大政党体制」を目指すこと。
これが当面の野党再編論議で認識しておくべき最重要事項である。
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