小沢一郎氏が再び民進党救世主になる
年内に衆院総選挙があるかも知れない。
もりかけ疑惑で安倍自民党は窮地に追い込まれたが、追及する主役であるべき民進党が自爆している。
2006年も小泉政権が窮地に追い込まれ始めたタイミングで民主党がこけた。
米国牛肉の輸入を拡大したが危険部位が混入されていた。
耐震偽装疑惑が拡大した。
防衛施設庁の汚職問題が拡大した。
小泉純一郎氏が支援したライブドアの堀江貴文氏の刑事事件が発覚した。
民主党が小泉政権打倒に進むべき局面で民主党が堀江氏と自民党幹事長武部勤氏との間で交わされたとするメールの取り扱いで失態を演じ、小泉自民党を追い詰めるはずが、前原民主党が崩壊するという結果を招いた。
しかし、「災い転じて福となす」、あるいは「禍福はあざなえる縄のごとし」である。
前原誠司代表が辞任して、火中の栗を小沢一郎氏が拾った。
ここから民主党の大躍進が始まったのだ。
民主党は4月の千葉7区衆院補選に奇跡の逆転勝利を演じた。
小沢代表は「国民の生活が第一」のスローガンを掲げて、2007年の参院選に大勝利。
参院第一党に浮上し、2008年に代表三選を果たした。
日本政治刷新を恐れる既得権勢力は、民主党の小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に対する卑劣で苛烈な人物破壊工作を展開したが、この攻撃をかわして2009年に政権交代の偉業を成就した。
しかし、日本政治刷新を阻止しようとする既得権勢力の執念はすさまじかった。
小沢一郎氏、鳩山由紀夫氏に対する人物破壊工作を激化、民主党の内部に手を回して政権転覆を図った。
革新政権は破壊され、既得権勢力の傀儡政権である菅直人政権、野田佳彦政権が樹立され、安倍自民に大政が奉還されたのである。
今回、安倍政治を打倒するべき局面で前原民進党がこけて、安倍政治の延命可能性が浮上している。
再び小沢一郎氏が民進党の救世主として登場し、局面の大転換を実現するのか。
極めて重大な局面が到来している。
政治を刷新するには、何よりも選挙に勝たねばならない。
安倍政治を打破する勢力が結集しなければならない。
何よりも重要なことは、主権者国民が結集することだ。
主権者国民が全面的に支援する体制を構築しなければならないのだ。
そのためには、主権者にとって最も重要で、最も切実な問題に焦点を当てる必要がある。
その最重要テーマに掲げるべきと考えられるのが原発と消費税だ。
原発稼働停止=原発廃止については、すでに多数の主権者がこれを求めていることが明確になっている。
原発についての政策を選択する選挙では、「原発NO」の旗を明確に掲げた勢力が、これまでの知事選等でも勝利を収めている。
もう一つの最重要テーマに消費税を掲げるべきだ。
消費税減税、消費税廃止を掲げると、「これには賛成しかねる」と反応する国民は少なくない。
この人々は、すべて、財務省の詐術に絡め取られているのである。
前回の2014年4月の消費税増税で、日本経済は大不況に転落した。
この点は拙著『日本の奈落』(ビジネス社)をご高覧賜りたい。
私は、2013年末に『日本経済撃墜』(ビジネス社)で、消費税増税で日本経済が撃墜されることを予測した。
そして、その通りの現実が日本経済を襲ったのである。
日本政府は2014年1月以降の景気後退を隠蔽したまま、景気回復が続いていることにして「いざなぎ超え」などという虚偽情報を流布している。
2016年度の税収55.5兆円が消費税が導入された1989年度の税収54.9兆円とほぼ同額であるから現実の変化を理解しやすい。
主要税目の税収は、1989年度が所得税21.4兆円、法人税19.0兆円、消費税 3.3兆円だった。
これが、2016年度に、所得税17.6兆円、法人税10.3兆円、消費税17.2兆円になった。
この27年間に生じた変化は、所得税が4兆円、法人税が9兆円減って、消費税が14兆円増えたというものである。
消費税が社会保障拡充のために拡大してきたというのは真っ赤なウソなのだ。
法人税と所得税を減税するために消費税増税が強行されてきた。
法人税と所得税減税で恩恵を受けてきたのは、一握りの富裕層である。
法人税率は42%だったものが23.4%にまで引き下げられてきた。
所得税・住民税の最高税率はかつて88%だったが、これが消費税導入とともに65%に引き下げられ、さらに50%に引き下げられてきた。
それは、日本政府が1000兆円の借金を抱えて、「いつ財政破綻の危機に直面してもおかしくない」という「ウソ」がバラ撒かれてきたことだ。
政府が発表している国民経済計算年報という資料に基づくと、2015年末の日本の一般政府債務残高は1262兆円で、たしかに1000兆円を超す債務は抱えているが、その一方で、1325兆円の資産を保有していることが分かる。
差し引き63兆円の資産超過なのだ。
このような財務状態で財政破綻に陥る可能性はゼロである。
弱肉強食の経済政策と法人税・所得税減税=消費税増税の政策によってもたらされてきたのが、「世界有数の格差大国」という日本の現実なのである。
「消費税減税・廃止」を次の総選挙の最重要争点に掲げるべきである。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1846号「消費税増税で本当に悪くなった日本の経済社会」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
|
「国富」喪失 (詩想社新書) 価格:994円 通常配送無料 |
|
反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! ~(TRI REPORT CY2017) 価格:1,620円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
泥沼ニッポンの再生 価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
|
安保法制の落とし穴 価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章 価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
![]() |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 消費税で騙されている日本の主権者 | トップページ | 10月決戦総選挙勝利へ大同団結以外道はない »
「民進党・立憲民主党・連合の分解」カテゴリの記事
- 同時に衰退する与党と野党(2023.08.19)
- 卑怯な立民こうもり孤立は必然(2023.07.23)
- 小沢氏仕掛けの絶妙タイミング(2023.06.17)
- 連合芳野会長に立民泉代表が上奏(2023.05.18)
- 立憲民主党が衰退する理由(2023.05.14)