消費税増税推進民進党は総選挙で大敗する
民進党が新代表に前原誠司氏を選出したが、前途は多難である。
主権者国民にとっての政治とのかかわりにおいて、何よりも重要なのは
「政策」
である。
「政党」
ではない。
どの党が好きとか嫌いとか、そんなことはどうでもよい。
「良い政策」を推進する政党は「良い政党」であって、「悪い政策」を推進する政党は「悪い政党」である。
それだけだ。
「政策」こそ、主権者にとって何よりも重要な考察の対象であり、「政策」こそ要である。
次の総選挙で主権者国民が判断しなければならない最重要の政策テーマは、
原発、憲法、経済政策
である。
原発では、いよいよ政権が東京電力柏崎刈羽原発の再稼動推進に動こうとしている。
福島の事故があり、原発廃止の岐路に立つ日本。
その日本の原発政策を福島事故前に完全に回帰させるのかどうか。
原発問題は依然として最重要の「政策テーマ」である。
「憲法」で問題になるのは、「戦争」の位置付けだ。
日本は戦後、「戦争を放棄する国」になった。
これを72年間維持してきた。
しかし、安倍政権は日本を「戦争をする国」に改変しようとしている。
その是非を判断するのは主権者国民である。
これも最重要のテーマである。
そして、もうひとつの最重要テーマが「経済政策」である。
安倍政権は「格差拡大推進」、「格差拡大放置」の経済政策を実行している。
この経済政策の是非が問われている。
「格差」にかかわる「経済政策」として検討が求められるのは、
「歳出構造」、「税制」、「労働政策」
の三つである。
「歳出構造」で問題なのは、「利権支出」のウエイトが大きく「プログラム支出」のウエイトが低いこと。
日本財政の最大の構造問題がここにある。
歳出構造を全面的に刷新すれば、現在の支出水準で社会保障を劇的に拡充することができる。
直近25年間の「税制」変遷を見ると、所得税と法人税が「巨大減税」された一方で、消費税が「巨大増税」された。
この「税制改変」を是とするのか、非とするのか。
そして、格差拡大の最大の背景は、「資本」による「労働コスト最小化」の激しい運動と、これを全面支援してきた政府による労働政策改変である。
正規労働者が激減して中間所得者層が激減し、新しい低所得者階層が大量に生み出されてきた。
この流れを変えるための経済政策が求められている。
「歳出構造」が全面的に刷新されるなら、消費税が存続しても、格差問題は解消し得る。
北欧諸国の事例を見れば、それは分かる。
しかし、日本財政の最大の問題は「歳出構造」にある。
歳出において、社会保障支出が削減の対象とされ、各種利権の温床である裁量支出=利権支出が増大されてきた。
この「歳出構造」が見直されぬまま、消費税増税を続けていることが、
「格差拡大推進」、「格差拡大放置」の結果を生み出しているのである。
2009年に発足した鳩山政権は、ここにメスを入れることを明示した。
その政策基本方針を分かりやすく表現したのが
「シロアリ退治なくして消費税増税なし」
なのだ。
そして、民主党が主権者国民から完全に見放される主因になったのが、
菅直人政権と野田佳彦政権による「シロアリ退治なき消費税増税」への「転向」であった。
この「原点」を直視することなく、「消費税増税推進」の旗を掲げる以上、前原民進党に明日はないと言って過言ではない。
「歳出構造」を全面的に刷新できるなら、最終的には消費税も財源調達の手段にはなり得るだろう。
しかし、「歳出構造」を変えずに、消費税増税を容認するなら、これまでの「格差拡大推進」、「格差拡大放置」の路線を踏襲するだけのことになる。
だからこそ重要なことは、「歳出構造の刷新」を実現するまでは消費税増税を封印することなのだ。
これが「シロアリ退治なき消費税増税封殺」である。
民主党の凋落の原因を踏まえるなら、消費税をいったん5%に引き戻し、その上で「歳出構造刷新」を断行することを提示するべきである。
消費税増税容認の民進党では、主権者国民の支持を得ることは困難である。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1835号「前原誠司新代表消費税増税容認論が正しくない理由」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
「国富」喪失 (詩想社新書)
価格:994円 通常配送無料 |
反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! ~(TRI REPORT CY2017)
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
泥沼ニッポンの再生
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
安保法制の落とし穴
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 安倍首相は臨時国会検問突破暴走族解散に進むか | トップページ | まず衆院3補選&知事選で野党共闘候補擁立を »
「2017-18衆院総選挙」カテゴリの記事
- 選挙結果は絶望も選挙実態に輝く希望あり(2017.11.15)
- 日本支配者にとり最悪な野党第一党が誕生(2017.10.24)
- 最悪衆院選結果だが北海道新潟メソッドに輝き(2017.10.23)
- 雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ自公ニモ負ケナイ(2017.10.22)
- 反自公主権者選挙参加で自公議席激減できる(2017.10.20)