民進党の「水と油」分離が本格化し始めた
民進党から新たな離党者が出る模様だ。
森友問題で首相から辞任発言を引き出した福島伸享議員も離党の意向を示している。
離党者はすでに新党設立を視野に入れている若狭勝氏や細野豪志氏などによる、いわゆる「小池国政新党」と合流するものと見られる。
前原民進党の路線が明確にならないことに対して見切りをつけての離党ということになるだろう。
これはこれでもっともなことである。
民進党の最大の問題は、ひとつの政党内に、完全に異質な二つの政治勢力が同居している点にある。
そのことの、どこに問題があるのかと言えば、これでは、主権者が民進党を選択しようがないという点にある。
政党は共通の政治的目的を持つ者によって組織される団体であり、特定の政策、あるいは政策方針の実現を目指すものである。
特定政策、政策方針を明示することにより、主権者は政党を支持し、議席を増大させることにより、求める政策、政策路線を実現できることになる。
しかし、ひとつの政党でありながら、政策や政策路線が明確でない、あるいは、複数の政策、政策路線が並存するなら、政党として機能することは困難である。
この根本的な矛盾がありながら、その矛盾の解消に努めていないことが、民進党の最大の欠陥、最大の欠点なのである。
今回の代表選では、このことが改めて浮き彫りになった。
その意味で、代表選を実施した意味はあったと言える。
問題は、それにもかかわらず、前原氏や枝野氏が、その矛盾に対して適正な対応を示さなかったことだ。
民進党内にある二つの路線は、主権者が直面する根本的な政治問題、政治の主要テーマにかかわる問題についての路線対立である。
原発稼動を認めるのかどうか。
戦争法制=集団的自衛権行使を容認するのかどうか。
消費税増税を容認するのかどうか。
こうした最重要の、そして、根本的な政治課題について、民進党内に正対する二つの主張、路線が存在する。
それが集約的に表れるのが野党共闘問題である。
昨年7月の参院選では32の1人区で共産党を含む野党共闘を成立させた。
その結果、野党が11勝21敗の結果を得た。
勝利とは言えないが、野党共闘を成立させていなければ、さらに大幅な大惨敗を喫していたのであるから、野党共闘は議席を獲得する上で有効な効果を発揮した。
しかし、民進党のなかに、共産党との共闘を否定する勢力が存在する。
上記の原発、憲法=戦争法、消費税との関わりで言えば、
原発容認、戦争法容認、消費税増税容認の政策主張を持つ者が、共産党との共闘に否定的な見解を示している。
前原氏は代表選で共産党との選挙共闘を見直す方針を示唆したが、党内に共産党との選挙共闘に肯定的な勢力が存在することを踏まえて、あいまいな対応を示している。
今回、離党の方針を固めた議員は、この不明確さに対する抗議の意思を込めて離党に踏み切るのだと思われる。
二つの正対する政治路線を、あいまいなまま一つに束ねようとする点に無理がある。
路線の相違が明確である以上、その正対する路線に沿って、党を分割することこそ、賢明な対応であると言える。
民進党は
原発容認・集団的自衛権容認・消費税増税容認で、自公路線とも協調し得る勢力と
原発非容認・集団的自衛権非容認・消費税増税非容認の、反自公路線の勢力とに
分離するべきだ。
重要なお金の問題があるが、これは、分離する議員数に比例して分割するべきである。
この問題は、そのまま連合にもあてはまる。
連合傘下の労働組合も二つに分かれるべきだ。
分かれる基準は上記の三つの問題に対する路線の相違である。
御用組合連合は、基本的に
原発容認・集団的自衛権容認・消費税増税容認
であり、自公または自公類似勢力の支持勢力になるべきだ。
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