丁寧な嘘つきにこの国の政治を任せられない
国会が閉会中審査で7月24、25日に衆参両院の予算委員会で集中審議が行われた。
安倍首相は「丁寧な説明をする」と述べて閉会中審査に臨んだが、言葉遣いが妙に丁寧になっただけで、説明はまったく丁寧になっていない。
前川喜平元文部科学事務次官は安倍首相補佐官の和泉洋人氏が
「総理の口から直接は言えないから自分が伝える」
と述べたと発言している。
これに対して、和泉洋人氏は
「言ってないと思っている」
と発言した。
また、前川氏はウソを言えば偽証罪に問われる可能性のある証人喚問に応じる考えを繰り返し表明している。
安倍首相がこの問題に「働きかけていたか」どうかに関わるきわめて重大な部分であり、前川前次官と和泉補佐官の両者を証人喚問で国会に招致する必要がある。
「丁寧な説明」
を行う考えがあるなら、このような証人喚問の要請に応じるべきである。
このような要請に応えずに、「妙に丁寧な言葉遣い」を用いても意味はない。
加計学園による獣医学部新設が急進展したのが2016年9月から11月にかけてである。
この認可は加計学園だけが認可されるためのプロセスであった。
この時点で2018年4月開学を前提に1校に限り認可する方針を定めれば、該当するのは加計学園のみになる。
加計学園による獣医学部新設を認可するために行政が動いたことは間違いないものと判断される。
安倍首相は国家戦略特区における獣医学部新設認可について、今治市による獣医学新設申請の事案における事業者が加計学園であることを本年1月20日まで知らなかったと答弁した。
加計学園の今治市における獣医学部新設希望事案は10年来の事案である。
安倍首相は加計学園の加計孝太郎氏と「腹心(ばくしん)の友」であることを公言し、頻繁に飲食やゴルフを共にしている。
とりわけ2016年7月から10月にかけては5回の飲食、ゴルフを共にしている。
その安倍首相が本年1月20日まで、加計学園が今治市での獣医学部新設を申請することを知らなかったと述べている。
このような国会対応で、安倍首相の信頼が回復することは100%ない。
逆に、安倍首相がウソを貫き通そうとしているとしか判断されない。
安倍首相が、やましい部分はまったくないと言うなら、野党の正当な要求を受け入れるべきである。
和泉洋人補佐官、前川喜平前文科事務次官の証人喚問を実現させるべきである。
また、今治市職員が首相官邸を訪問した際に応接したと見られている元首相秘書官の柳瀬唯夫氏は集中審議で「記憶にない」を繰り返したが、「会っていない」と断言することは一度もなかった。
柳瀬氏の証人喚問も必要不可欠である。
安倍首相は加計疑惑に関する自身の疑惑を晴らすために、
特区諮問会議委員の発言
加戸守行元愛媛県知事
京都産業大学
京都府知事
などの発言を引用するが、すべて身内の発言である。
特区関連の竹中平蔵氏、八田達夫氏、原英史氏や関係の深い坂根正弘氏、岸博幸氏、高橋洋一氏などは、すべて同類のグループ人脈でしかない。
7月3日に安倍首相は京都府知事、清家篤前慶應義塾塾長らと綱町三井倶楽部で会食している。
京都産業大学は政府から私学助成金を受け入れている立場である。
京都府知事は安倍首相から夕食の際に、政府の支援を依頼されたものと推察される。
要するに、疑惑が存在するときに、疑惑の当事者、疑惑の当事者の近親者の話だけで自己を正当化しているだけに過ぎない。
組織犯罪集団が犯罪の疑惑を持たれているときに、組織犯罪集団の構成員がそれぞれ無実を主張しても説得力はないだろう。
まったく同じ構図なのだ。
また、日本国憲法第53条は、議院の4分の1以上の議員による要求があったときに、内閣に臨時会の招集を義務付けている。
「丁寧な説明」
をする意思があるなら、臨時国会を召集するべきである。
閉会中審査で、主権者の圧倒的多数は、安倍首相が虚偽の主張を押し通そうとしていると判断したと思われる。
安倍政権は崩壊に向けてひた走っている。
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