自ら辞める意向示さず地位に連綿としがみつく安倍首相
文部科学省の前事務次官である前川喜平氏が朝日新聞デジタルのインタビュー(5月25日)で、次官を辞任したことについて、
省の違法な「天下り」問題を受けて
「引責辞任は自分の考えで申し出た」
「官邸からも大臣からも『辞めろ』とは言われていない」
と述べた。
このことについて、安倍内閣の菅義偉官房長官は5月25日午前の記者会見で、次のように述べた。
「私の認識とまったく異なっている。
前川氏は天下り問題については、再就職等監視委員会の調査に対して、問題を隠蔽した文科省の事務方の責任者で、かつ本人もOB再就職のあっせんに直接関与していた」
さらに、
「そうした状況にもかかわらず、当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位にレンメンとしがみついていた。
その後、天下り問題に対する世論からの極めて厳しい批判にさらされて、最終的に辞任された方と承知している」
とも述べた。
細かいことだが、まずは、菅官房長官が述べた
「レンメンと」
である。
「レンメンと」
というのは
「連綿と」
のことであると思われるが、
「連綿と」の意味は
「切れ目がな連続しているさま、途切れることなく連なっているさま、などを意味する表現。連綿。」
(weblio 辞書)
である。
「地位にしがみついていた」
ということを踏まえると
「連綿と」
ではなく
「恋々と=レンレンと」
になるのではないか。
「恋々と」
となると
「諦め切れずにくすぶっているさま。
未練がましく ・ 未練たらしく ・ ぐずぐずと ・ うじうじと」
という意味になる。
日本語は正しく使うべきだ。
これは「小さな誤り」だが、もっと「大きな誤り」があったのではないか。
菅官房長官の発言は前川次官に対するものではなく、安倍首相に対するものだったのではないか。
「連綿と」を「恋々と」に置き換えて再現してみよう。
「そうした状況にもかかわらず、当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位に恋々としがみついていた。
その後、天下り問題に対する世論からの極めて厳しい批判にさらされて、最終的に辞任された方と承知している。」
安倍首相はまだ辞めていないが、常識で考えれば安倍首相の辞任は時間の問題だ。
このことについて、菅官房長官が近未来予測として発言したのではないか。
文科省の天下り問題
森友学園への国有地不正払下げ問題
加計学園に対する利益供与問題
のすべてについて、菅官房長官が、安倍晋三首相のことについて発言したと理解すると、すべての筋が通る。
文科省の天下り問題にしろ、行政の最高責任者は文部科学省次官ではなく、内閣総理大臣である。
行政トップの責任を脇に置いて、その部下である事務次官の責任だけを追及して、
「責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位に恋々としがみついていた」
と述べるのは喜劇でしかない。
菅氏の指摘は、そのまま安倍首相にあてはまるものである。
そして、前川喜平前次官が問題の本質を的確に指摘した。
「公平公正であるべき行政のあり方がゆがめられた」
これこそ、問題の本質である。
私は森友疑惑の本質は
公務員が「中立、公正、公平」の基準を踏み越えて行動したのかどうか
にあると主張してきた。
4月22日付ブログ記事
「公務員の「不正」を「忖度」にすり替えるな」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-0a94.html
前川氏の指摘が正論である。
安倍内閣、菅官房長官、松野文科相は、国会に対して虚偽答弁をしている。
国権の最高機関である国会に対する侮辱、冒涜行為である。
すなわち、主権者である国民に対する侮辱、冒涜行為なのだ。
野党は前川前次官、安倍昭恵氏の参考人招致に与党が応じるまで、すべての国会審議を止めるべきだ。
主権者国民がその行動を全面支持する。
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