フランス大統領選で波乱が生じる可能性は?
3月にオランダで総選挙が実施されたが、これから秋にかけて欧州で重要選挙が相次ぐ。
4月23日、5月7日 フランス大統領選
6月8日 イギリス総選挙
6月11日、18日 フランス国民議会選挙
9月24日 ドイツ連邦議会選挙
が予定されている。
また、イタリアでは議会の任期が2018年3月で満了になるため、2018年前半までに総選挙が実施されることになる。
3月15日に実施されたオランダ総選挙では、注目を集めた極右政党の自由党が議席を伸ばしたものの第一党に躍り出ることはできず、中道右派の与党自由民主党が第一党の座を堅持した。
ただし、極右自由党は大幅に議席を伸ばした。
昨年6月の英国EU離脱国民投票では、メディアの事前予想を覆して、英国民がEU離脱の判断を下した。
その結果、キャメロン首相は辞任に追い込まれ、後任首相に保守党のメイ氏が就任。
メイ首相はEUからの完全離脱の方針を掲げたが、新たな政策に対する信を問うために本年6月に総選挙を実施することを決めた。
メイ首相の支持が高い一方で、労働党のコービン党首の支持が低迷しており、総選挙ではメイ首相が所属する保守党が多数議席を維持するとの見方が強い。
他方、ドイツではメルケル首相が属するCDU(キリスト教民主同盟)と大連立を組んでいるSPD(社会民主党)の党首が交代し、新党首のシュルツ氏が高い支持を獲得している。
この流れが維持されると、9月総選挙後にメルケル首相退陣の可能性が浮上する。
さらに、イタリアでは来年までに総選挙が実施されるが、野党勢力として
「五つ星運動」
が躍進しており、イタリアでも政権交代が生じる可能性がささやかれている。
かように、2017年から2018年にかけて、欧州政治情勢は激動の渦に巻き込まれる可能性が高い。
他方、お隣の韓国でも5月9日に大統領選が実施される。
与党ハンナラ党の朴槿恵(パク・クネ)大統領が政治の私物化疑惑で弾劾、罷免されたため、朴政権を批判してきた野党「共に民主党」の統一候補に指名された文在寅(ムン・ジェイン)氏が次期大統領の最有力候補に浮上したが、ここにきて中道右派の安哲秀(アン・チョルス)候補に対する支持が文在寅候補の支持を上回る事態が生じている。
世界各地で重要選挙が目白押しの状態である。
昨年6月の英国民投票、11月の米大統領選では、事前のメディア予測を覆す結果が示された。
いずれの投票、選挙も僅差での決着になったが、大きな変化がもたらされている。
最終的な結果こそ意味を持つわけで、歴史の分岐点というのは、このような紙一重の決着によって生み出されるものなのかも知れない。
目先の注目点はフランス大統領選だ。
社会党のオランド大統領が支持を完全に失い、大統領選出馬断念に追い込まれた。
この結果、右派共和党代表のフィヨン氏の次期大統領就任が確実視されたのだが、フィヨン氏の妻などの家族に対する不正支出の疑いが浮上してフィヨン氏がやや後退した。
他方、英国のEU離脱、米国のトランプ大統領選出に象徴される
反グローバリズムの旋風
を受けて、極右のFN(国民戦線)のルペン党首に脚光が当てられた。
他方、フィヨン氏後退を受けて、39歳の新進気鋭の中道候補者であるマクロン氏が急浮上したのである。
選挙戦終盤までの世論調査は、マクロン氏とルペン氏が決選投票に進み、最終的にはマクロン氏が大統領に就任するとの予測を示してきたが、番狂わせが生じる可能性が指摘され始めている。
フランスの大統領選は1回目の投票で過半数を獲得する候補者がいない場合、上位2者による決戦投票が行われる。
今回も決選投票にまでもつれ込むことは確実な情勢だが、誰が決選投票に進むのかが投票日直前でまったく分からなくなっている。
フランスで発生した警官が死傷するテロ事件は、大統領選に影響を与えるために仕組まれたものであると思われる。
イギリスでも国民投票直前にEU残留を主張する議員が射殺される事件が発生した。
イギリスの場合は、それでも主権者がEU離脱を決断した。
メディアの予測はあてにならず、結果を待つほかない。
フランス大統領選で台風の目になっているのは、選挙戦終盤で急伸している急進左派候補のメランション氏である。
メランション氏が決選投票に進むのかどうかが最大の注目点である。
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