« りそな銀が森友小学校建設資金融通予定だったか | トップページ | 公務員の「不正」を「忖度」にすり替えるな »

2017年4月21日 (金)

フランス大統領選で波乱が生じる可能性は?

3月にオランダで総選挙が実施されたが、これから秋にかけて欧州で重要選挙が相次ぐ。


4月23日、5月7日 フランス大統領選


6月8日 イギリス総選挙


6月11日、18日 フランス国民議会選挙


9月24日 ドイツ連邦議会選挙


が予定されている。


また、イタリアでは議会の任期が2018年3月で満了になるため、2018年前半までに総選挙が実施されることになる。


3月15日に実施されたオランダ総選挙では、注目を集めた極右政党の自由党が議席を伸ばしたものの第一党に躍り出ることはできず、中道右派の与党自由民主党が第一党の座を堅持した。


ただし、極右自由党は大幅に議席を伸ばした。


昨年6月の英国EU離脱国民投票では、メディアの事前予想を覆して、英国民がEU離脱の判断を下した。


その結果、キャメロン首相は辞任に追い込まれ、後任首相に保守党のメイ氏が就任。


メイ首相はEUからの完全離脱の方針を掲げたが、新たな政策に対する信を問うために本年6月に総選挙を実施することを決めた。


メイ首相の支持が高い一方で、労働党のコービン党首の支持が低迷しており、総選挙ではメイ首相が所属する保守党が多数議席を維持するとの見方が強い。


他方、ドイツではメルケル首相が属するCDU(キリスト教民主同盟)と大連立を組んでいるSPD(社会民主党)の党首が交代し、新党首のシュルツ氏が高い支持を獲得している。


この流れが維持されると、9月総選挙後にメルケル首相退陣の可能性が浮上する。

人気ブログランキングへ

さらに、イタリアでは来年までに総選挙が実施されるが、野党勢力として


「五つ星運動」


が躍進しており、イタリアでも政権交代が生じる可能性がささやかれている。


かように、2017年から2018年にかけて、欧州政治情勢は激動の渦に巻き込まれる可能性が高い。


他方、お隣の韓国でも5月9日に大統領選が実施される。


与党ハンナラ党の朴槿恵(パク・クネ)大統領が政治の私物化疑惑で弾劾、罷免されたため、朴政権を批判してきた野党「共に民主党」の統一候補に指名された文在寅(ムン・ジェイン)氏が次期大統領の最有力候補に浮上したが、ここにきて中道右派の安哲秀(アン・チョルス)候補に対する支持が文在寅候補の支持を上回る事態が生じている。


世界各地で重要選挙が目白押しの状態である。


昨年6月の英国民投票、11月の米大統領選では、事前のメディア予測を覆す結果が示された。


いずれの投票、選挙も僅差での決着になったが、大きな変化がもたらされている。


最終的な結果こそ意味を持つわけで、歴史の分岐点というのは、このような紙一重の決着によって生み出されるものなのかも知れない。

人気ブログランキングへ

目先の注目点はフランス大統領選だ。


社会党のオランド大統領が支持を完全に失い、大統領選出馬断念に追い込まれた。


この結果、右派共和党代表のフィヨン氏の次期大統領就任が確実視されたのだが、フィヨン氏の妻などの家族に対する不正支出の疑いが浮上してフィヨン氏がやや後退した。


他方、英国のEU離脱、米国のトランプ大統領選出に象徴される


反グローバリズムの旋風


を受けて、極右のFN(国民戦線)のルペン党首に脚光が当てられた。


他方、フィヨン氏後退を受けて、39歳の新進気鋭の中道候補者であるマクロン氏が急浮上したのである。


選挙戦終盤までの世論調査は、マクロン氏とルペン氏が決選投票に進み、最終的にはマクロン氏が大統領に就任するとの予測を示してきたが、番狂わせが生じる可能性が指摘され始めている。


フランスの大統領選は1回目の投票で過半数を獲得する候補者がいない場合、上位2者による決戦投票が行われる。


今回も決選投票にまでもつれ込むことは確実な情勢だが、誰が決選投票に進むのかが投票日直前でまったく分からなくなっている。


フランスで発生した警官が死傷するテロ事件は、大統領選に影響を与えるために仕組まれたものであると思われる。


イギリスでも国民投票直前にEU残留を主張する議員が射殺される事件が発生した。


イギリスの場合は、それでも主権者がEU離脱を決断した。


メディアの予測はあてにならず、結果を待つほかない。


フランス大統領選で台風の目になっているのは、選挙戦終盤で急伸している急進左派候補のメランション氏である。


メランション氏が決選投票に進むのかどうかが最大の注目点である。

人気ブログランキングへ

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」


http://foomii.com/00050


のご購読もよろしくお願いいたします。


上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。


http://foomii.com/files/information/readfree.html

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1722号「反グローバリズム旋風の二つの類型」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

 

 

「国富」喪失 (詩想社新書)

価格:994円 通常配送無料

出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する

 

反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! ~(TRI REPORT CY2017)

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

泥沼ニッポンの再生

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する

 

安保法制の落とし穴

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

 

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

 

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

 

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

 

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

 

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

 

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

 

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

 

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

 

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

 

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

 

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

 

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社

amazonで詳細を確認する

 

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

 

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

 

日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

 

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

 

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

 

「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

 

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

« りそな銀が森友小学校建設資金融通予定だったか | トップページ | 公務員の「不正」を「忖度」にすり替えるな »

政策連合(平和と共生)=ガーベラ革命」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: フランス大統領選で波乱が生じる可能性は?:

« りそな銀が森友小学校建設資金融通予定だったか | トップページ | 公務員の「不正」を「忖度」にすり替えるな »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ