ほぼ明確になったアベ友疑惑全貌と首相辞任問題
「アベ友疑惑」第1弾である「森友疑惑」の全体像がほぼ明らかになった。
この問題について安倍首相は2月17日の衆議院予算員会質疑で、
「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれは、もう私は総理大臣も、そりゃもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」
と明言しており、
この発言を踏まえれば、
安倍首相は総理大臣と国会議員を辞任しなければならないということになる。
これまでに浮かび上がってきた「森友疑惑」の全体像とは、
安倍首相の妻である安倍昭恵氏が、森友学園が新設予定の「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任し、この名誉校長である安倍昭恵氏が小学校用地としての土地使用及び取得問題に関して行政当局に口利きをした結果、財務省を中心とする行政当局が、激安価格で森友学園に国有地を払い下げたというものである。
これまでの各種情報及び国会質疑を通じて浮かび上がっている図式は上記のものである。
内閣総理大臣の影響力によって国有地が不当に低い価格で払い下げられた疑いが濃厚であるが、不当に低い価格での国有地払い下げは財政法に違反する重大事案である。
この図式が極めて強い疑惑として浮上している。
安倍首相はこの疑惑を完全に払拭する責任を負っている。
それができないなら、首相と議員を辞任するしかない。
単に安倍首相が2月17日の国会質疑で辞任を明言したから辞任すべきというものではなく、事案の内容が十分に辞任に該当するものであるから、安倍首相は辞任する必要がある、というものである。
特定の事業者の意向を総理大臣および総理大臣夫人が行政当局に打診し、行政当局が普通ではありえない便宜あるいは利益を一事業者に供与したとの疑いが生じているのであり、政治の腐敗、政治の私物化そのものである。
このようなことが許されるわけもなく、許してよいものでない。
大阪府の松井一郎知事は3月25日に開かれた「日本維新の会」の党大会で、
「忖度には、悪い忖度といい忖度がある」
「忖度とは「慮る、気を使うことだ」
として
「政治家は国民の思いを忖度して政策をすすめていく」
ものだとした。
どのような内容を「良い忖度」だとするのかが明確ではないが、
行政に求められる第一の要請は、
公正、公平
である。
「忖度」が「公正、公平」を歪めるものである限り、
「良い忖度」は存在しない。
「森友事案」の核心は、
鑑定評価額9億5600万円の8770平米の国有地が1億3400万円で払い下げられたこと
にある。
しかも、9億5600万円の鑑定評価額も隣接する9492平米の売却価格14億2300万円と比較して著しく低い。
大阪音大が埋設物撤去費用を差し引いた5億8000万円での取得希望を、価格が安すぎるとの理由で拒否した事実に照らしても、1億3400万円での払い下げは説明できないものである。
地下埋設物処理費用として国は森友学園に1億3176万円を支払っている。
その上で国は鑑定評価額9億5600万円の国有地を1億3400万円で払い下げたのだ。
森友学園側が地下埋設物の存在を国に伝えたのが2016年3月。
この直後に森友学園は定期借地を買い入れに変更することを国に伝えた。
激安払い下げが行われたのは2016年6月のことである。
安倍昭恵氏が新設小学校の名誉校長に就任したのは2015年9月。
籠池氏が電話で安倍昭恵氏に相談したのが2015年10月。
安倍昭恵氏の秘書である公務員が籠池氏に暫定報告をFAXで送信したのが2015年11月。
行政当局が異例の便宜供与を行った背景に、安倍昭恵氏サイドからの働きかけがあったことは明白である。
その結果として、国有地の激安払い下げが行われた。
安倍首相は本年2月17日の国会答弁で
「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれは、もう私は総理大臣も、そりゃもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」
と明言しており、上記の事情を踏まえれば、安倍首相は総理と国会議員を辞任するべきということになる。
疑惑を払拭するためには、安倍昭恵氏の国会での証人喚問が必要不可欠である。
野党は安倍政権の責任ある対応、すなわち安倍昭恵氏の国会での証人喚問応諾を得るまでは、すべての国会審議に応じないという断固たる姿勢を示すべきだ。
問われているのは野党の対応でもある。
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