« シロアリ退治せず消費税増税強行した野田民主党 | トップページ | 安倍首相が金融緩和=円安誘導を目指したのは事実 »

2017年2月 1日 (水)

米国命令で二国間協議受入れは植民地の対応

米国のトランプ大統領が公約通り、大統領就任初日にTPPからの離脱を宣言し、TPP離脱の大統領令にも署名した。


米国はTPP寄託国のニュージーランドに、TPPからの離脱を正式に通知した。


同時にTPP最終合意に署名した11ヵ国にTPPからの離脱を書簡で通知した。


NZへの通知のなかで、米国は


「TPPから永久に離脱する」


ことを明記した。


これでTPPが発効される可能性は事実上消滅した。


それにもかかわらず、日本の安倍政権は米国の翻意を促す姿勢に変化はないと強弁しているが、これは、米国の新政権の外交政策に対する


「敵意ある内政干渉」


にあたる。


米国のトランプ大統領は選挙公約にTPP離脱を明記しており、この公約を踏まえて米国の主権者がトランプ氏を新大統領に選出した。


そして、トランプ大統領が公約通りに、大統領就任初日にTPPからの離脱を宣言し、寄託国のNZに正式に通知した。


その米国の決定を覆すように働きかけるというのは、友好国の行動として適切でない。


安倍首相は、米国民の選択に基づくトランプ新大統領のTPP離脱決定に対して敬意を払うべきである。

人気ブログランキングへ

TPPは最終合意に署名した12ヵ国のうち、6ヵ国以上、かつ、署名国GDP合計値の85%以上の国が署名しないと発効しない。


米国のGDP比が約60%あるため、米国が署名しなければTPPは発効しない。


この米国が


「TPPから永久に離脱する」


ことを正式に通知したため、この米国の方針が変わらない限り、TPPは発効しない。


交渉参加国の一部に、米国を除く11ヵ国でTPPを発効してはどうかとの提案があるが、そのためにはTPP最終合意を修正する必要がある。


「再交渉」


が必要になる。


昨年秋の臨時国会でTPP批准案を強行採決して可決させた安倍政権は、


「TPP再交渉には絶対に応じない」


と繰り返した。


「TPP最終合意に一切手を入れさせないために、批准を急ぐ」


としてきたのであり、


現在のTPP最終合意の見直しは、安倍首相の国会答弁に反するものである。


したがって、TPPが発効するには、米国の方針変更が必要不可欠になるが、トランプ新大統領が「永久に離脱」と明言している以上、トランプ政権下での米国の方針転換は想定されない。

人気ブログランキングへ

唯一の可能性は、トランプ大統領を物理的に消滅させて、後任の大統領がTPP参加方針を提示するケースだけである。


トランプ大統領が選挙で勝利して以来、メディアは異常な勢いのトランプ攻撃を継続しているが、これは、


トランプ大統領の物理的除去


の環境づくりを進めているものであるとの見方も可能である。


そうなると、安倍政権の米国の翻意を引き続き求めるとのスタンスは、トランプ氏の物理的除去を目論む、米国支配勢力の意向と通じるものであるとの疑いも生じてくる。


このような非礼な外交姿勢が許されるわけがない。


安倍政権は米国のトランプ新政権がTPP離脱を正式に決定したことを受けて、TPPの発効可能性が消滅したことを謙虚に受け入れるべきである。


他方、トランプ大統領は日本との間の二国間交渉を求める可能性が高い。


何よりも警戒するべきことは、これまで米国の言いなりになってきた安倍政権が、トランプ新政権の新たな要求を丸呑みすることである。


そもそも、TPPは日本の主権者にとって、


「百害あって一利なし」


の条約である。


このTPPがトランプ大統領の登場によって消滅することは、天祐と言ってもよい吉報である。


ところが、そのなかで、安倍政権が米国の言いなりになって、日米の二国間交渉で、米国の要求を丸呑みするなら、TPPが消滅した天祐は消えてしまうどころか、大きな災厄に転じてしまう。


安倍首相は2月10日に訪米して日米首脳会談を行うとしているが、隷属国の御用聞きのような気分で訪米するなら、日本国民には災厄しかもたらさない。


安倍政権の対米隷属外交を、国民が監視し、これを未然に阻止しなければならない。

人気ブログランキングへ

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」


http://foomii.com/00050


のご購読もよろしくお願いいたします。


上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。


http://foomii.com/files/information/readfree.html

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1656号「ドル安誘導否定し米国債売却可能性を示すべきだ」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! ~(TRI REPORT CY2017)

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

泥沼ニッポンの再生

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する

安保法制の落とし穴

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社

href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062880598/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062880598&linkCode=as2&tag=miyokotk2011-22" target="_blank">amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

« シロアリ退治せず消費税増税強行した野田民主党 | トップページ | 安倍首相が金融緩和=円安誘導を目指したのは事実 »

TPP」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 米国命令で二国間協議受入れは植民地の対応:

« シロアリ退治せず消費税増税強行した野田民主党 | トップページ | 安倍首相が金融緩和=円安誘導を目指したのは事実 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ