安倍小学校国有地疑惑を産経読売が報じないワケ
大阪府豊中市の国有地が国から学校法人森友学園に激安価格で払い下げられた問題は、刑事事件に発展することが必定の様相を示している。
この事案の真相解明をしないなら、国会も野党も捜査機関も機能不全に陥っているとしか言えなくなる。
また、メディアはこのようなときにこそ、存在意義を発揮するべきである。
この問題について安倍首相は、2月17日の衆議院予算委員会質疑で、
「私や妻がですね、この認可あるいはこの国有地払い下げにですね、もちろん事務所を含めて一切関わってはいないことを明確にさせていただきたい。
もし関わっていたらそれはもう、私が総理大臣を辞めるということですから、それははっきりと申し上げたい」
と答弁した。
この安倍首相発言を一部メディアは、
「安倍首相 関与を否定」
などと伝えたが、「伝え方」が間違っている。
「安倍首相 問題の重大性認識」
というのが、正しい「伝え方」である。
「関与しただけで総理大臣を辞めるということ」
と明言したのである。
極めて不正な土地取引と学校認可であることを、安倍首相が国会答弁で明確に示したことになる。
ところが、メディア報道の腰が引けている。
産経新聞などは、2015年1月8日付の産経WESTに
「安倍首相夫人・アッキーも感涙
…園児に教育勅語教える“愛国”幼稚園
「卒園後、子供たちが潰される」と小学校も運営へ」
http://www.sankei.com/west/news/150108/wst1501080001-n1.html
と大きく伝えている。
「「教育勅語」や「五箇条の御誓文」の朗唱、伊勢神宮への参拝・宿泊…。
大阪市淀川区に超ユニークな教育を園児に施している幼稚園がある。
塚本幼稚園幼児教育学園。
安倍晋三首相夫人が同園を訪れたとき、園児らのかわいらしくもりりしい姿を見て、感涙にむせんだという。」
「「夫婦相和し、朋友相信じ、恭倹(きょうけん)己を持(じ)し、博愛衆に及ぼし、学を修め、業を習ひ…」。
園庭に2~5歳の園児約150人の大きな声が響く。
教育勅語(正式には「教育ニ関スル勅語」)は、明治23(1890)年に発布され、第2次世界大戦前の日本政府の教育方針の根幹となった文書。
あどけない幼児が大きく口をあけ、難しい言葉を朗唱する姿を初めて見た人は一様に驚き、感動する。
安倍首相の昭恵夫人もそのひとりだ。」
「籠池園長は現在、大阪府豊中市に私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の建設を進めている。
開校は平成28年4月を予定。目指すのは「礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる」教育だ。
新設する小学校は木造2階(一部3階)建て。
敷地面積は約8700平方メートルで、教室にはそれぞれ6・6平方メートルの畳敷きのバルコニーを設ける。」
このように伝えている。
産経新聞が異様に肩入れしているとも見える森友学園の「瑞穂の國小學院」の開校が危ぶまれている。
産経新聞は、土地取引疑惑や学校認可疑惑などについて、積極的に報道する責務を負っている。
ところが、ほとんど報道しない。読売新聞も同様だ。
学校認可の責務を負っているのは大阪府私学審議会、豊中国有地の売却についての権限を有するのは国有財産近畿地方審議会である。
これらは公的諮問機関であるから、その委員名簿も議事録も公表されている。
その委員に読売新聞や産経新聞の関係者が含まれていることを私たちは知っておく必要がある。
大阪府私立学校審議会には、
満田育子氏(読売新聞大阪本社編集局世論調査部主任)が委員に就任している。
選任理由には
「新聞記者として教育問題に積極的に関わり、教育関係に造詣が深いことから選任」
とある。
他方
国有財産近畿地方審議会には、
平井道子氏(㈱読売新聞大阪本社編集局 管理部長)
細見三英子氏(ジャーナリスト)
が就任している。
細見氏は産経新聞出身者である。
件(くだん)の国有地は2012年7月1日に、いったん関空会社へ現物出資された。
ところが、2013年1月10日に錯誤を原因として現物出資を抹消した。
そして、近畿財務局が2013年6月3日から公共・公共用の取得要望を受付し、森友学園が応募した。
2011年には、森友学園に払い下げられた価格よりもはるかに高い価格で購入を打診した学校法人が存在したが、価格が安いとのことで排除されている。
「東の豊洲」は汚染物質まみれの土地を汚染処理費用を含めて東京都が法外に高い価格で買い取った事例。
「かんぽの宿不正払い下げ未遂事案」は膨大な国民財産が法外に低い価格で払い下げられようとした事案
これらに連なるのが今回の土地取引疑惑である。
国会は国政調査権を全面的に活用して真相の徹底解明を行う責務を負っている。
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