辺野古阻止に翁長知事あらゆる手段駆使するか
沖縄県の翁長雄志知事とオール沖縄の支援者の辺野古米軍基地建設問題、高江ヘリパッド問題に対する対応に焦点が当たる。
12月20日に最高裁判決が示される。
沖縄名護市辺野古の新基地建設を巡り、国が県を訴えた
「辺野古違法確認訴訟」
で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)が12月12日、国側勝訴の判決を認める。
政府は辺野古米軍基地建設の本体工事を再開する準備に入る意向を示すだろう。
裁判所は
「法の番人」
ではなく
「行政権力の番人」
である。
裁判所は人事で内閣総理大臣の支配下にある。
最高裁長官および裁判官の人事権は内閣にあり、
下級裁判所裁判官の人事権は最高裁事務総局が握る。
最高裁事務総局が提示する人事名簿に基づいて人事権を行使するのも内閣である。
裁判所は行政権力の顔色を見ながら裁判を行うから、行政権力の意向に反する判決を示さない。
裁判官は行政権力によって監視される「パノプティコン」の囚人なのである。
12月22日には、沖縄県北部演習場の返還式典が予定されている。
米軍は、北部演習場の外にヘリパッド6箇所と引き換えに北部演習場の半分を返還することとしており、この規定に基づく北部演習場の返還式典が予定されている。
この取引に基づいて、日本政府は住民や国民が強く反対するなか、高江ヘリパッド建設を強行している。
沖縄県の翁長雄志知事は県知事選で、高江ヘリパッドにおけるオスプレイの運用に反対することを明示している。
ところが、現在建設が強行されている高江ヘリパッドにはオスプレイが運用される予定になっている。
したがって、翁長氏が知事選公約を遵守するなら、現時点での高江ヘリパッド建設は受け入れられないということになる。
北部演習場の返還が、オスプレイを運用する高江ヘリパッドの建設とセットであるなら、翁長雄志知事は北部演習場の返還を受け入れることはできない。
なぜなら、オスプレイが運用される高江ヘリパッドの受け入れが、翁長氏の公約に反するからである。
翁長氏は12月22日の北部演習場返還式典に出席しない意向を示しているが、式典に出席しないなどということは表面的なことがらに過ぎず、翁長知事は県民との公約を確実に守るための
実効性のある行動を示す
責務を負っている。
安倍政権は12月20日の最高裁判断を根拠に、辺野古米軍基地建設の本体工事を再開する方針を示すと見られるが、翁長氏の
「辺野古に基地を造らせない」
公約を守るための行動は、これから本格化させる必要がある。
翁長氏は
「あらゆる手段を駆使して辺野古に基地を造らせない」
ことを公約に掲げてきた。
この公約を守るために必要だったことは、
知事就任後、直ちに埋立承認の取消および撤回に進むことだった。
ところが、翁長氏は埋立承認の取消、撤回を知事選公約に掲げることを頑強に拒絶し、知事就任後も埋立承認取消、撤回になかなか進もうとしなかった。
翁長氏がようやく埋立承認取消に動いたのは、辺野古米軍基地本体工事に着手するために必要な
「事前協議書」
を沖縄県が受理したあとだった。
翁長知事は国が辺野古米軍基地本体工事に着手するための条件を整えるまで、埋立承認取消を待っていたように見える。
さらに、翁長知事は辺野古米軍基地陸上工事着手を容認しており、これでは、
「あらゆる手段を駆使して辺野古に基地を造らせない」
ではなく、
「あらゆる手段を駆使して辺野古に基地を造らせる」
が翁長知事の公約であるかのような印象を与えてしまっている。
オール沖縄の支援勢力は、
翁長知事に
「埋立承認の撤回を直ちに行うこと」
「高江ヘリパッドにオスプレイが運用される以上、北部演習場返還を受け入れらないないこと」
を表明するように求める必要がある。
このような行動がなければ、「オール沖縄」全体が、高江ヘリパッドへのオスプレイ運用、辺野古米軍基地建設容認であると受け止められてしまうことになる。
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