トランプ勝利後長期金利上昇と整合判断FRB
FRBが予想どおりFFレートを0.25%幅引き上げた。
同時に、2017年の利上げペースを年3回にする方針を表明した。
私が執筆している
TRIレポート『金利・為替・株価特報』
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
の読者を対象としたTRI政経塾を年4回開催しており、本年度第3回目の政経塾を12月12日、13日に開催した。
このセミナーで、イエレンFRBが2017年の利上げ回数を3回とすることになるだろうとの見通しを述べたが、その方針がFOMC後の記者会見で表明されたことになる。
11月8日の米大統領選までは、FRBが予定する利上げペースは、より緩慢なものだった。
そして、イエレンFRB議長は、極めて緩慢なペースでの利上げを正当化する根拠として、
「高圧経済論」
なるものを、10月14日に講演のなかで示していた。
しかし、米大統領選でトランプ氏が選出され、トランプ新政権が積極的な経済政策を実施する可能性が高まり、金融市場がその変化を急激に織り込み始めたことから、FRBも政策運営の基本方針を軌道修正したのである。
年3回ペースの利上げ方針が示されて、NYダウは前日比118ドルの下落を示したが、日経平均株価は前日比20円高で15日の取引を終了した。
かなり衝撃的なニュースが伝えられた割には株価が堅調さを維持している。
『金利・為替・株価特報』2017年次版=シリーズ第4弾にあたる
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の発売が12月7日に始まり、本日12月15日付の日本経済新聞に広告が掲載された。
アマゾンレビューなどには、悪意あるレビューなども掲載されるので、アマゾン経由でご購入下さった読者の方には、ぜひ、好意ある書評も掲載賜れるとありがたいが、経済金融市場の的確な予測は極めて重要な仕事である。
メディアはクリントン当選を確実視し、激しいトランプ攻撃を展開し続けてきたから、大統領選後も客観的な報道を行うことができていない。
依然として、根拠希薄なトランプ氏攻撃が展開され続けているが、私たちは、こうしたメディアの偏向した姿勢の背景にあるものを読み抜いておかねばならない。
特筆すべき点が二つある。
ひとつは、トランプ氏が積極的な経済政策を指向していると見られるものの、いわゆる分配の適正化についての効果的な具体策はまだ示されていないことだ。
積極策の中心には法人税減税が置かれており、積極経済政策の中心が企業に対する支援策に置かれる公算が高まっている。
この点は、バーニー・サンダース候補が主張していた社会民主主義的な政策路線とは異なる。
第二は、トランプの外交スタンスにおいて、対ロシア強硬路線から対ロシア融和路線への転換が予想されることだ。
トランプ氏は米国がロシアと敵対する必要がないことを強調している。
これが如実に表れたのが、国務長官人事である。
大統領選後に生じたドル高、株高の金融市場反応を、
一時的なもの
誤ったもの
とする見解が多数見受けられるが、本質的な変化を見抜いていない見解であると思われる。
金融市場が示した最大の変化は、米国長期金利の上昇である。
トランプ新政権の経済政策を織り込んで米国長期金利が大幅上昇したのである。
併せて金融市場は、トランプ新政権積極経済政策の効果を織り込んで株価を押し上げた。
ドルを押し上げた。
このドル高=円安が日本株価を押し上げた。
そして、FOMCでは年3回ペースの利上げ実施方針が示された。
大統領選後の米国長期金利は上昇と年3回ペースの利上げ実施路線とは整合的である。
金融市場の反応がかなりの程度、合理的、そして迅速であることが分かる。
2017年株価再躍動の契機となると予想されるのが11月8日米大統領選だった。
この分野に関心のある方には新著にぜひお目通しを賜りたく思う。
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