安倍政権が亡国のTPP批准に執着する黒い理由
安倍政権がTPP批准案および関連法案の11月9日強行制定を目指している。
TPPが発効するためのルールがある。
TPP協議に参加している12ヵ国のうち、6ヵ国以上の国内手続き完了が必要である。
同時に、交渉参加国のGDP合計値の85%以上の国が国内手続きを完了することも必要である。
交渉参加国のGDP合計値の60%を米国が占め、17%を日本が占めている。
したがって、米国と日本の2ヵ国が国内手続きを完了することが必要不可欠である。
この条件を欠いた場合、TPPは発効しない。
安倍政権は現在の最終合意の見直しを一切しないことを明言している。
見直しをしないということは、TPP発効条件の見直しもしないということだ。
安倍政権は日本のTPP参加に前のめりの姿勢を示すが、仮に米国がTPP参加の国内手続きを完了しない場合には、TPPは発効しない。
このことを、改めて明確に認識する必要がある。
そして、そのカギを握る米国だが、新大統領に就任するトランプ氏は、大統領就任の初日にTPPから離脱することを明言している。
選挙公約として示した「トランプと有権者との契約」にもこれが明記されている。
この「契約書」は、有権者が署名を書き入れると「契約書」が完成されるもので、TPP参加は有権者との「契約違反」になる。
安倍首相は大統領選挙の最終局面で訪米した際に、クリントン候補とだけ会談した。
クリントン支持の旗幟を鮮明にしたのだ。
ところが、トランプ氏が勝利した。
慌てふためいて、早速、トランプ氏私邸詣でを実行した。
「世界で最初にトランプ氏と会談したトップ」
というのは、安倍政権サイドが流している宣伝文句であって、実際には
土下座外交
を展開したものだ。
安倍首相は、訪米後にAPEC首脳会議出席のために南米を訪問。
APEC首脳会議の後、アルゼンチンで記者会見して
「米国が参加しないTPPは意味がない」
と発言した。
トランプ氏は、この発言を狙い撃ちにして、改憲の時間後に、
「大統領就任初日にTPPからの離脱を表明する」
ことを改めてビデオメッセージで全世界に発信した。
クリントン支持の敵対行動を取った安倍氏への意趣返しの行動であった。
安倍氏は、
「米国が参加しないTPPは意味がない」
と言ったが、正確性に欠いている。
正確には、
「米国が参加しないTPPは発効しない」
である。
米国がTPPに参加しない以上、日本がこの臨時国会でTPP批准案およびTPP関連法案を制定する意味はない。
誰が考えても分かることだ。
ところが、安倍政権は強行採決を繰り返して批准案、関連法案の成立に突き進んでいる。
その理由がどこにあるのか。
三つの理由が考えられる。
1.巨大利権の関連予算を獲得すること
2.TPP命(いのち)で進んできたメンツを維持すること
3.米国に日本を献上する恭順の意を示すこと
このためにTPP批准案、関連法案の強行採決が目論まれている。
トランプ氏は日米の二国間FTAを検討していると見られるが、日本がTPPを批准すると、ここに示された日本の国益喪失内容が、FTA協議の土台になる可能性が高くなる。
まさに国を売り渡す行為であり、こんなTPP批准案、関連法案を必要もないのに制定する馬鹿はいない。
TPPを批准させない全国共同行動は、強行制定阻止に向けて、引き続き行動を予定している。
本日、12月7日(水)は定例の水曜行動が実施される。
17時から 参議院議員会館「講堂」で情報共有会議
18時半から 参議院議員会館前で抗議行動
12月8日(木)は
13時~15時 参議院議員会館前で抗議行動
強行採決が予想される12月9日(金)は
午前10時~本会議終了まで 参議院議員会館前で抗議行動
が予定されている。
亡国のTPP拙速・強行批准阻止に向けて、主権者が行動しなければならない。
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