安倍首相は真珠湾の次に南京で慰霊するべきだ
安倍首相がハワイを訪問してオバマ大統領と日米首脳会談を行うことをメディアが伝えているが、何をしに行っているのかはっきりしない。
11月17日に安倍首相は米国の次期大統領に選出されたトランプ氏の私邸詣でを行った。
その足でペルーで開催されたAPEC首脳会議に出席。
オバマ大統領との日米首脳会談を実現したかったが、オバマ大統領に拒絶された。
慌てふためいた安倍首相は、急遽、年末にハワイを訪れて真珠湾で慰霊することをオバマ大統領に打診。
これが認められて日米首脳会談が行われることになる。
5月の伊勢志摩サミットの際に来日したオバマ大統領が広島を訪問した。
これへの「返礼」として安倍首相が真珠湾を訪問するということだが、謝罪はしないのだという。
オバマ大統領も原爆を投下した広島を訪れたが謝罪しなかった。
単なる物見遊山にしか見えない。
日本の加害責任、戦争責任に直視するというなら、真珠湾以外に訪問するべき箇所がいくらでもある。
この点について、内外の学者が安倍首相に対して公開質問状を出した。
安倍首相はこの質問に対して正面から回答を示すべきだ。
内外専門家が発表した公開質問状はこれだ。
「真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状」
「2016年12月25日
親愛なる安倍首相、
安倍首相は先日、1941年12月8日(日本時間)に日本海軍が米国の海軍基地を攻撃した際の「犠牲者を慰霊する」目的で、12月末にハワイの真珠湾を訪問する計画を発表しました。
実際のところ、その日に日本が攻撃した場所は真珠湾だけではありませんでした。その約1時間前には日本陸軍はマレー半島の北東沿岸を攻撃、同日にはアジア太平洋地域の他の幾つかの英米の植民地や基地を攻撃しています。日本は、中国に対する侵略戦争を続行するために不可欠な石油や他の資源を東南アジアに求めてこれらの攻撃を開始したのです。
米日の開戦の場所をあなたが公式に訪問するのが初めてであることからも、私たちは以下の質問をしたく思います。
1) あなたは、1994年末に、日本の侵略戦争を反省する国会決議に対抗する目的で結成された「終戦五十周年議員連盟」の事務局長代理を務めていました。その結成趣意書には、日本の200万余の戦没者が「日本の自存自衛とアジアの平和」のために命を捧げたとあります。この連盟の1995年4月13日の運動方針では、終戦50周年を記念する国会決議に謝罪や不戦の誓いを入れることを拒否しています。1995年6月8日の声明では、与党の決議案が「侵略的行為」や「植民地支配」を認めていることから賛成できないと表明しています。安倍首相、あなたは今でもこの戦争についてこのような認識をお持ちですか。
2) 2013年4月23日の国会答弁では、首相として「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と答弁しています。ということは、あなたは、連合国およびアジア太平洋諸国に対する戦争と、すでに続行していた対中戦争を侵略戦争とは認めないということでしょうか。
3) あなたは、真珠湾攻撃で亡くなった約2400人の米国人の「慰霊」のために訪問するということです。それなら、中国や、朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の「慰霊」にも行く予定はありますか。
首相としてあなたは、憲法9条を再解釈あるいは改定して自衛隊に海外のどこでも戦争ができるようにすることを推進してきました。これがアジア太平洋戦争において日本に被害を受けた国々にどのような合図として映るのか、考えてみてください。
過去の歴史に正面から向き合わず、
侵略戦争、植民地支配、痛切な反省、心からのお詫び
を自分の言葉として肯定しない。
過去を直視し、反省すべきを反省し、謝罪すべきを謝罪する。
このことによって和解は成立し、和解が成立することによって過去と訣別することができる。
それが本当の意味の「未来志向」の行動である。
安倍首相は過去から目を背ける。
そして、独りよがりの、自己肯定、自己弁護、謝罪拒否、事実否定に走る。
その姿勢を質さない限り、税金を使ってあちこちに旅行しても、得るものは何もない。
公開質問状に
「中国や、朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の「慰霊」にも行く予定はありますか」
の問いに、安倍首相はしっかりと答えるべきだ。
南京事件を否定するなら、現地に足を運び、中国人に直接説明するべきだろう。
歴史に背を向けて、事実を事実として認めず、謝罪を拒否して、都合の良い場所だけに行って、都合の良いことだけを述べていても、自己満足にしかならない。
本当の未来は生まれない。
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