「斂葬の儀」に合わせ国会騒乱計画する安倍政権
安倍政権が臨時国会での最重要法案として掲げているTPP承認案。
11月1日までの衆院通過は実現しなかった。
その後、11月2日の委員会採決、11月4日の本会議採決の日程が、自民と民進の間で合意されたが、合意のあった11月1日夜に、山本有二農水相が暴走し、11月4日の衆院通過もなくなった。
TPP批准阻止に向けての最大の功労者は山本有二農水相である。
山本有二農水相は安倍首相と対立する石破茂氏の派閥に属する議員である。
安倍政権によるTPP批准を妨害するために行動しているとの見方は、正しいのかも知れない。
このような見立てをしない限り、山本氏の言動は説明がつかない。
安倍政権を妨害する目的がないのなら、山本有二氏は閣僚はもとより、議員としての資質をも欠いていると言わざるを得ない。
11月1日夜の発言は
「こないだ冗談を言ったら首になりそうになった」
だけではない。
「JAの方が大勢いる。あすでも農林水産省に来てもらえれば、何か良いことがあるかもしれない」
とも述べている。
後者の発言の方がさらに罪深い。
山本有二農水相の発言内容を改めて示す。
「実はつい先日、森喜朗先生から電話があって、「人のパーティーに行って、お前、冗談を言うなよ」と。
こないだ冗談言ったら(大臣を)クビになりそうになりまして。
森先生から固く禁じられておりますが、これ以上いらんことを言ってはいけません。
そこで最後にJAの方々が大勢いらっしゃるみたいでございますので、
明日でも(パーティーを開いた自民党の)田所(嘉徳)先生のご紹介で農林省(農林水産省)に来て頂ければ何かいいことがあるかもしれません。
どうか一つ、田所先生の更なる発展をご祈念申し上げて、ごあいさつ申し上げます。」
山本農水相が出席したのは、自民党石破派所属で茨城1区から選出されている自民党衆議院議員田所嘉徳氏の政治資金パーティーである。
茨城1区からはもう一人選出されている国会議員がいる。
民進党の福島伸享(のぶゆき)議員である。
衆議院予算委員会、ならびにTPP特別委員会で取り上げられたSBS米の価格偽装問題を徹底追及してきたのが福島伸享議員である。
山本農水相にとっての天敵である。
SBS米が公表されていた価格よりも大幅に低い安値で流通していることが発覚した。
この低価格輸入米の流通が国産米価格に下落圧力を与えていることは間違いない。
しかし、農水省はSBS米が安値流通している事実を認めず、国産米価格への影響を否定している。
この問題を正さぬまま、TPP承認案の審議をしていること自体がおかしい。
田所嘉徳議員が福島伸享議員の対抗馬であることも山本農水相がパーティーに「はせ参じた」理由の一つだ。
山本農水相発言の最大の問題は、
「明日でも田所先生のご紹介で農林省に来て頂ければ何かいいことがあるかもしれません」
と述べた部分だ。
JAに対する利益供与を匂わせている。
また、
TPP承認案について
「強行採決を決めるのは佐藤勉氏であり、だからはせ参じた」
と述べて、閣僚辞任を求められ、発言を撤回し、陳謝した経緯について、
「冗談を言ったら首になりそうになった」
と述べたのである。
反省のかけらが微塵もない。
そのTPP承認案の採決に関連して、TPP特別委の塩谷立委員長が、11月4日に特別委を開催することを
「職権」
で決めた。
11月4日に委員会採決を強行する姿勢を示している。
野党は山本農水相の辞任を求めており、審議に応じられる状況でない。
民進、共産は、委員会が万が一開かれても欠席する方針を確認している。
ここで、もし、採決が強行されようとするなら、委員会室で乱闘が生じることを止めようがない。
与党の暴走極まれり、ということになる。
11月4日は三笠宮さまの本葬に当たる「斂葬(れんそう)の儀」が執り行われる予定である。
この日に合わせて国会で乱闘騒ぎを計画することについて、安倍政権の見解を質す必要がある。
「安倍政権にとって皇室とは、政治利用する対象ではあっても、敬意を払う対象ではない」
との回答が示されない限り、11月4日のTPP特別委での強行採決の選択はあり得ない。
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