安倍首相答弁に沿い山本農水相は辞任すべきだ
山本有二農水相は10月18日夜に開かれた衆議院議院運営委員会委員長の自民党衆院議員佐藤勉氏のパーティーで、
「野党が必ず強行採決するだろうと総理に質問するが、強行採決するかどうかはこの佐藤勉さんが決める。
だから私は、はせ参じた。」
と述べた。
9月29日には、衆議院TPP特別委員会理事に任命された自民党の福田照衆院議員が、同氏が所属する二階派の会合で、
「この国会ではTPPの委員会で西川(公也)先生の思いを、強行採決という形で実現するよう頑張らせていただく」
と発言して同委員会理事ならびに委員を更迭された。
福田議員の強行採決発言と更迭について安倍首相は、10月17日の衆院TPP特別委の答弁で、
「我が党においては(1955年の)結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」
「円滑に議論し、議論が熟した際には採決する。民主主義のルールにのっとっていくのは当然のこと。」
「この考え方とは相いれない発言であったから(福井氏)本人が辞職した」
と述べた。
この発言のなかにも「安倍ペテン」が組み込まれている。
「強行採決しようと考えたことはない」
だ。
「強行採決しようと考えたことはない(が、強行採決したことはある)。」
の後段部分を省略して発言した、などと開き直られる可能性が高い。
TPPに関する自民党公約には
「国の主権を損なうようなISD条項に合意しない」
と明記されていたが、安倍政権が承認しようとしているTPPにはISD条項が盛り込まれている。
これを、
「国の主権を損なわないようなISD条項だから合意した」
と開き直るのだろう。
ISD条項=国の主権を損なう
から合意しないというのが公約で、
「国の主権を損なわないISD条項」
は存在しない。
「人の命を奪うような殺人はしない」
が
「人の命を奪わないような殺人はする」
という言葉が通用しないのと同じだ。
山本農水相の発言は、
「強行採決するかどうかは佐藤勉氏が決める、だからはせ参じた」
というもので、
「佐藤勉氏に強行採決をお願いに来た」
との意味が込められている。
したがって、安倍首相が述べた
「「強行採決をしようと考えたことはない」
という考え方とは相いれない発言であったから
(福井氏)本人が辞職した」
の説明に沿って、
山本有二農水相は辞任するべきということになる。
野党の山本農水相辞任要求が筋が通っており、また、TPP特別委の塩谷立委員長による「強行採決しない」という念書提出を要求したことも正当である。
ところが、安倍政権与党とその補完勢力である維新は、野党要求を拒絶したままTPP特別委の開催を強行した。
民進党の山井和則国対委員長が指摘するように、
「強行的な運営を今後しません」
と政府・与党が誓う質疑自体を
強行することなどあり得ないことだ。
何よりも大事なことは、TPPの内容を各方面にわたって十分に審議することである。
通常国会からのこれまでの審議では、実質的な審議がほとんど行われていない。
「単なる審議時間という時計による計測」
は意味を持たない。
農業、医療、食の安全・安心、労働、共済、組合活動、金融、ISD条項など、TPPが重大な影響を与える分野は極めて多い。
各分野の専門家を参考人として招致し、それぞれの問題点を十分に審議することが必要不可欠だ。
月内にも強行採決させてしまおうという安倍政権の基本姿勢を絶対に許してはならない。
野党4党は徹底抗戦しなければならない。
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