1年経っても集団的自衛権憲法違反は不変
1年前の8月30日、
国会は10万人を超える主権者に包囲された。
集団的自衛権行使を容認する安保法制=戦争法制の制定を阻止するための国民行動だった。
安倍政権はこうした国民の意思を無視して安保法制=戦争法制の強行制定に突き進んだ。
そして、9月19日、法案は強行可決された。
日本国憲法は戦力の不保持を定め、交戦権はこれを認めないと定めている。
集団的自衛権の行使とは、日本が攻撃されていないにもかかわらず、
「場合によっては他国の領域まで出かけていく。
ホルムズ海峡、地球の裏側まで出かけていくことは理屈では可能」
と政府は答弁しており、自衛隊が世界のどこにでも出かけていって、武力の行使をすることを可能にした。
これは、自衛権の行使としての戦争は一切しないとする従来からの解釈と完全に矛盾する。
弁護士の伊藤真氏は
憲法が交戦権を否認していると言いながら、自衛の措置として海外に出かけていって相手を殺すことをもし認めたら、これは“戦前の日本”と何も変わらない」
と指摘する。
『泥沼ニッポンの再生
-国難に打ち克つ10の対話-』
御用放送局のフジテレビのワイドショーで司会の松本人志氏が
「北朝鮮のミサイルがもう目と鼻の先に飛んできよるんですよ。
これじゃもう安全を保証できてない、と…
国ももうちょっとちゃんとしてくれないと。
どこぞの誰かが国会前で戦争反対とか叫んでたけど『叫ぶトコそこかぃ!?』って」
と発言したことに対して、出演者のピーコ氏が
「わたしはやっぱり戦争はいけないと思う」
と応酬した。
これに松本人志氏が
「でももしピーコさんがおすぎさんに殴られ続けたら、いつかやり返しませんか?」
と突っ込むとピーコ氏は
「それと戦争は違うでしょ」
と答え、松本氏は言葉を継げなかった。
集団的自衛権の是非論と、憲法論が絡む問題だが、是非論の前に押さえておかなければならないことが憲法論である。
憲法で定めたこと、そして、その憲法の解釈として定着させてきたことに反することをやろうとするなら、憲法を改定する手続きを踏むことが必要だ。
集団的自衛権の是非論以前の問題なのだ。
上掲の
『泥沼ニッポンの再生
-国難に打ち克つ10の対話-』
(伊藤真・植草一秀著、ビジネス社、1512円)
を、ぜひじっくりと呼んでいただければありがたい。
第1章 史上最大の危機
第2章 三権分立が機能していない日本
第3章 緊急事態条項と本当の民主主義
第4章 主権の喪失を意味するTPPへの加入
第5章 国家なのか、国民なのか?
第6章 亡国の道をひた走る安倍政権
第7章 メルトダウンするアベノミクス
第8章 すべてを解決する「一人一票」の実現
第9章 教育とメディアリテラシー
第10章 ゆっくりと急げ!
の構成で、いまの安倍政治を考察している。
テレビは御用放送に成り下がり、政権にこびへつらう者に画面を占有させるから、本当の情報はネットと単行本から探し出さねばならない。
1年前に「絶対阻止」すべきだったことは、いまも「絶対阻止」すべきことである。
時間が経ったら忘れてしまう
では、すべてが破壊し尽くされてしまう。
私たちの未来にとって大事なことは、私たちが決めなければならない。
許してはならないものを許してはならない。
道をそれてしまっているなら、正しい道に必ず帰らねばならない。
忘れてはならない重要問題を列挙して、正しい方向を確認し、間違ったものを正さねばならないのだ。
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