粉々に打ち砕かれた「朝日のあたる家」
サミットが終わり、、参院選が終わり、都知事選が終わり、経済対策が決定され、内閣改造があった。
オリンピックが始まり、夏の甲子園が始まり、そして終わる。
秋が来て、臨時国会が開かれ、TPPが論議される。
そして、今年も終わる。
8月6日には広島に、8月9日には長崎に原爆が落とされた。
8月15日にはプツダム宣言受諾の事実が国民に知らされた。
あの敗戦から71年の月日が流れた。
歳時記のように、その日付が来ると、過去を回顧する情報が流布される。
年中行事と化している。
そのときだけ、記憶が呼び戻されるが、一週間もすれば意識の外に消え去ってしまう。
オバマ大統領がサミットで来日した際に、広島を訪問し、核廃絶を訴えたが、その米国は核兵器の生産を激しい勢いで推進している。
単なるセレモニー、単なる美辞麗句に過ぎない。
安倍首相は2020年の東京五輪の際に首相の地位にあることだけを夢見て行動するが、その東京招致のために、
「汚染水は港湾内0.3平方キロ以内で完全にブロックされている」
「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」
と述べた。
しかし、福島第一原発からは、いまも大量の汚染水が垂れ流されている。
「風化」
という言葉がある。
「地表の岩石が、日射・空気・水・生物などの作用で、しだいに破壊されること」
から、
「記憶や印象が月日とともに薄れていくこと」
という意味で用いられる。
フクシマの事故はいまも続いている。
福島における甲状腺がんの発生比率は、通常の比率をはるかに上回っている。
しかし、国も県も、それを原発事故に起因するものであると言わない。
日本オリンピック委員会会長の竹田恆和氏は、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会直前の記者会見で、
「福島は東京から250キロ離れており、皆さんが想像する危険性は東京にない」
と述べた。
「福島は危ないが東京は安全だ」
と受け取れる発言を示しているのである。
太田隆文監督が
『朝日のあたる家』
山本太郎氏も出演している。
何の変哲もない日常。
朝日が差し込み、
きれいな小川が流れ、
目に染みる田園風景が広がる。
家族が食卓を囲んで笑顔が溢れる。
こんな、平和で幸福に満ちた日々が突然破壊される。
目に見えない放射能に汚染され、命もくらしも蝕まれてゆく。
「幸せってなんだろうね」
という言葉に、幸せを踏みにじられた人間、幸せを粉々に打ち砕かれた人間の、言葉には表せぬ思いが凝縮される。
あの原発事故で避難生活を余儀なく迫られている人が10万人もいる。
国が法律で定めた基準をはるかに上回る高放射線汚染地域に、数十万の人々が居住させられている。
福島のことは3月11日の前後しか思い起こさない国。
原発事故も歳時記の一コマにされている現実がある。
夏休みに『朝日のあたる家』を観てみよう。
レンタルもされている。
フクシマの現実は他人の出来事ではないのだ。
地震多発地帯の日本全土で、安倍政権はいま、原発全面再稼働を推進している。
メディアには原発推進マネーが注ぎ込まれている。
だから、真実が人々に伝えられていない。
市民が自分の力で、真実の情報を取り寄せなければならないのである。
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