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2016年8月 8日 (月)

高江ヘリパッド阻止にはオール沖縄対応不可欠

沖縄でいま最重要の攻防が展開されている。


沖縄県民の総意を踏みにじる辺野古の米軍基地建設。


これだけではない。


北部訓練場の返還の条件とされた東村高江集落のヘリパッド建設がある。


1996年12月のSACO合意のなかで、北部訓練場過半の返還と引き換えに、返還される区域のヘリコプター着陸帯を北部訓練場の残余部分に移設することが盛り込まれた。


しかし、この時点で、このヘリコプター着陸帯=ヘリパッドにオスプレイが配備されるということは明らかにされていない。


ヘリパッドは高江集落を囲むように建設される予定であり、地域住民は深刻な騒音と低空飛行の危険に晒されることになる。


この建設を阻止するために、2007年7月2日から、ヘリパッド建設に抗する座り込みが続けられてきた。


7月10日に参院選があり、これに先立つ6月5日には沖縄県議選があった。


沖縄県の翁長雄志知事は昨年10月に辺野古の埋立承認を取り消した。


しかし、埋立承認を取り消す前に辺野古米軍基地建設の本体工事に着手するための事前協議書を受理してしまったいたため、政府は昨年10月末に本体工事に着手してしまっていた。


しかし、その後は、本年6月の県議選、7月の参院選が実施されることから、強硬行動が手控えられてきた。


しかし、県議選、参院選で、米軍基地建設反対の県民意思が改めて明示されたため、安倍政権はこれまでの小康状態を終焉させ、再び強硬姿勢に転じたのである。

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こうしたなかで、沖縄防衛局は7月22日、高江のヘリパッド建設予定地N1地区出入り口横に市民が設置していたテントや内部の物品を強制撤去するという暴挙に打って出た。


現場は県道区域で、管理者は沖縄県である。


沖縄県道路管理課は


「防衛局が道路法に基づいてテントを撤去することはできない。どういう法的権限で撤去したかは分からない」


と述べている。


法的根拠もなく、安倍政権が人権を無視して、500人を超える機動隊を投入して、法令を無視するかたちで住民排除に動き始めている。


高江では、安倍政権の暴走を阻止するために市民が集結して徹夜の警戒態勢を敷いて強制排除に備えているが、権力はオリンピックで国民の関心が薄くなるタイミングを見て、強制排除に突き進む構えを示している。


翁長雄志知事は、


「オスプレイが訓練するというのもはっきりしているので、こうしたことの説明がないままに着工するべきではない」


としている。


琉球新報は8月2日付社説タイトルを


「法軽視の着陸帯工事 「法治国家」の名に値せず」


としたうえで、


「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)工事の実態を見ると、法を軽視し、解釈をねじ曲げてでも工事を強行したい国の姿が見える。


沖縄での振る舞いに関して言えば、もはや日本は「法治国家」の名に値しない。」


と指摘した。

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高江での安倍政権による暴走を阻止するためには、翁長知事のリーダーシップ発揮が不可欠である。


高江で県道70号を封鎖し、不必要な検問をしているのは沖縄県警であり、県道は沖縄県に管理責任があり、県道上における沖縄防衛局による不法行為に対しては沖縄県が毅然とした姿勢を示す必要があるからだ。


『アリの一言』氏ブログは、8月2日付記事


「「オール沖縄会議」はなぜ「高江」にノータッチなのか」


http://goo.gl/JCQ91H


で、次の指摘を示す。


「そんななか、奇妙な事態が起こっています。沖縄の新基地建設を阻止するために結成されたはずの「オール沖縄会議」が、「高江」についてはノータッチで反対はしないというのです。いったいどういうことでしょうか。


問題が露呈したのは、沖縄県議会で「ヘリパッド建設を強行に進めることに対し厳重に抗議するとともに、建設を直ちに中止するよう強く要請する」という「意見書」(721日)が翁長県政与党(社民党、共産党、社大党など)の賛成多数で採択される過程でした。


「『県議会で反対決議を』という市民の声を受け、与党や経済界でつくる『オール沖縄会議』は緊急の会合を開催。ただ、結成の目的は辺野古阻止のため、オール沖縄会議としては高江には触れない結論に至った」(729日付沖縄タイムス)


「オール沖縄会議」は「辺野古」のために結成したものだから、「高江」にはノータッチだ、というのです。こんなバカな話はありません。


同会議は確かに「辺野古新基地建設阻止」を前面に掲げ、「翁長知事を支え」るとして発足したものです。しかし同時に、その「設立趣意書」(20151214)にはこう明記されています。


「オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖撤去、県内移設断念を求め政府に突きつけた2013年の『建白書』の精神を基軸に(する)」「新基地建設を阻止し、明るい未来の扉を開いていく」」


高江ヘリパッドはオスプレイ訓練のための施設であり、オスプレイ配備反対であるなら、高江ヘリパッド建設には、当然のことながら反対でなければおかしい。


「オール沖縄」で高江ヘリパッド建設阻止の行動を一気に高めてゆかなければ、高江が強行突破されてしまう可能性は高まってしまうだろう。

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