アベノミクス産物は経済低迷プラス巨大国民損失
6月30日に東京の東都生活協同組合多摩NT主催の講演会に講師として出講した。
演題は「アベノミクス失敗とわたしたちのくらし」
平日昼間の講演会にもかかわらず、会場に入りきれぬほどの市民が参集下さった。
資料は私の方で用意させていただいたが、どれくらい人が集まるか分からないとのことでやや控えめに用意したところ、大幅な不足が生じてしまった。
手元資料とまったく同じパワーポイントデータを使って話をさせていただいたので、説明はご理解いただけたと思うが、資料を入手できなかった参加者にはお詫び申し上げたい。
しかし、日本の主権者は安倍政権下での日本経済凋落を極めて深刻に受け止めている。だからこそ、平日の昼でも時間を割いて学習会に参加するのである。
7月10日の投票日に向けて参院選が佳境を迎えているが、安倍政権はマスメディアに手を回して、できるだけ国民が政治問題を真剣に考えぬよう、策略を施している。
6月1日以降、記述してきたが、敵の戦略は次のとおりだ。
1.投票率をできるだけ引き下げる
2.与党勝利予想を流布する
3.アベノミクスを宣伝する
4.共産党を含む野党共闘を攻撃する
5.重要争点を隠す
権力は選挙が近づくと必ず麻薬事件を表面化させる。
テレビの情報番組が麻薬事件に時間を割くように仕向けるのだ。
この指摘どおりに今回も麻薬事件を表面化させた。
「安倍政治を許さない!」私たち市民は、次の戦術を確実に実行しなければならない。
1.投票率を引き上げる
2.メディア情報はウソであるという真実を主権者に知らせる
3.アベノミクス失敗の真実を主権者に知らせる
4.政策を基軸に投票を決める
5.本当の選挙重要争点を明示する
重要な選挙争点は次の五つだ。
原発、憲法、TPP、基地、格差・経済問題
である。
安倍政権は「改憲」という牙を隠して、「アベノミクス」を前面に押し立てている。
改憲勢力が参院で3分の2を占有すれば、安倍政権は改憲に突き進むだろう。
緊急事態条項が加憲されれば、安倍独裁国家が誕生するという最悪の悪夢が現実化してしまう。
これだけは絶対に避けねばならない。
そして、「アベノミクス」に代表される経済政策だけでなく、原発、憲法、TPP、基地の問題を真剣に考えて投票先を決めねばならない。
このなかで、安倍政権は「アベノミクス」=経済政策を前面に掲げようとしているが、この点でも安倍政権は完全にアウトであるという事実を大拡散しなければならない。
経済の総合評価である実質経済成長率は民主党政権時代の3分の1に留まっている。
あのパッとしなかった民主党政権時代の3分の1なのだ。
完全にアウトだ。
失業率が下がったと言っても雇用が増えたのは非正規労働、正規労働は減り続けた。
「アベノミクス」で日本経済は完全に転落したという「真実」をすべての主権者に伝える必要がある。
そして、もうひとつ、絶対に見落としてはならないことがある。
それは、安倍政権が国民に対して想像を絶する巨額損失を押し付けていることだ。
6月29日付記事に記述したように、年初来の円高と株安で、年金資産および政府保有外貨準備において、巨額損失が計上されていると考えられる。
単純に仮定計算をすると、昨年末のGPIF残高139.4兆円のうち、日本株式の比率を23.4%、外国証券の比率を40%として、日本株価下落を21%、外国通貨下落率を17%とすると、株価下落と為替評価損失が16兆円生じることになる。
他方、日本政府は日銀から資金を借りて、外貨建て債券を巨額購入してきた。
その大部分は米国国債である。
日本政府が保有する外国証券は5月末で1兆693億ドルだ。
年初来の円高で発生している為替評価損失は21兆円程度と推定される。
両者を合わせると評価損失合計は37兆円になる。
わずか半年で、国民財産を37兆円も毀損させた。
このような政権の存続を許すわけにはいかないのだ。
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