「汚れた油」と「清冽な地下水」の分離
参院選投票日まで4日となった。
メディアが終盤情勢について、改憲勢力が参院3分の2を占有する可能性が浮上していることを伝えている。
しかし、各種調査は有権者の約4割が投票先を決めていないと回答しており、この層の行動によって投票結果が大きく変化する。
安倍政権与党は投票率が上昇しないことを希望していると見られる。
投票率が低ければ、組織選挙が有効に効力を発揮するからである。
政治に無関心ではいられても、政治と無関係ではいられない。
すべての主権者の投票行動を促さなければならない。
安倍政権は「アベノミクス」を争点に掲げるが、
「アベノミクス」の実態は正しく伝えられてない。
「アベノミクス」の失敗は客観的に明確なのだが、メディアがアベノミクスの実績を正確に伝えないから、有権者はこれを正当に評価できていない。
3年半の間、「アベノミクス」が唱えられ続けてきたが、主権者の経済環境は悪化の一途を辿っている。
「アベノミクス」を排除しなければならないのだが、そのアピールが有権者の手元に届いていない。
残り4日間であるが、すべての主権者が投票所に足を運び、この国の政治の方向を定めるために、貴重な一票を投じなければならない。
安倍政治の暴走は明確だが、それを止める側の行動に迫力が足りない。
最大の理由は、野党第一党の民進党の姿勢が曖昧だからだ。
この政党が解体されない限り、日本政治の刷新は難しいだろう。
安倍晋三氏と岡田克也氏が前面に立ったときに、どちらかを選べというのは「究極の選択」である。
安倍政治の暴走は止めなければならないが、日本政治をここまで転落させた主導者の政党に投票したくはない、という気持ちはよく理解できる。
日本政治の刷新は、現在の民進党の分離が実現するまでは、待つ必要があるだろう。
「水と油の混合物」である民進党が水と油に分離して、
「清冽な地下水」勢力が大同団結すれば大きな力を発揮するだろう。
野党4党で候補者を一本化する努力が傾けられてきたのに、例えば香川県では民進党が野党統一候補の支援に背を向けている。
これでは、野党共闘の努力も水泡に帰するのはあたりまえだ。
岡田克也氏は「安倍政治を許さない!」主権者の大連帯で安倍政治を後退させることを目指すなら、32の1人区の「共闘」に全力を注ぐべきなのである。
日本を既得権益が支配する構造を維持したい勢力が、もっとも力を入れているのは、
民進党を「水と油の混合物」にしておくことにあると思われる。
民進党の代表者が「清冽な地下水を代表する人物」になることを阻止するために、既得権勢力は全力を注いできた。
2009年に小沢一郎氏を総攻撃した際、5月の代表選で既得権勢力が新代表に就任させようとしたのが岡田克也氏だった。
しかし、「清冽な地下水」勢力は踏みとどまり、鳩山由紀夫氏を新代表に選出した。
その結果、2009年の政権交代の偉業が成就された。
既得権勢力は、この「悪夢」を払拭するために民主党内のクーデターに力を注いだ。
民主党の実権を「清冽な地下水」勢力から、「汚れた油」勢力が強奪することが画策され、現実にクーデターが挙行された。
民主党「悪徳10人衆」が権力を強奪し、「清冽な地下水」勢力を脇に追いやった。
「清冽な地下水」グループを主導する小沢一郎氏、鳩山友紀夫氏が民主党を追われ、現在の民進党は「汚れた油」勢力が支配する政党になっている。
このために、野党共闘が大きなパワーを発揮できていない。
事態を打開するには、民進党を
「清冽な地下水」勢力と
「汚れた油」勢力に
分離することが必要不可欠である。
民進党が現状の「水と油の混合物」である間は、野党共闘が本来の大きな力を発揮することが難しい。
民進党のなかには「清冽な地下水」勢力が残存している。
「清冽な地下水」勢力が「汚れた油」勢力を排除して大同団結することにより、「安倍政治を許さない!」政治勢力の本当の意味での大連帯が実現することになる。
共産党がよりすそ野の広い主権者の支持を獲得するために、市民政党に脱皮することも重要だろう。
本当の勝負は次の衆議院総選挙である。
曖昧政党を排除して、安倍政治に対峙する政治勢力の「純化」を図ることが喫緊の課題である。
とはいえ、参院選ではすべての主権者の投票を促し、当落線上にいる「安倍政治を許さない!」政治勢力の候補者の当選に全力を注がなければならない。
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