まともな調査はアベノミクス否定が3分の2
7月10日の参院選の争点について、安倍政権は
なんとかの一つ覚えのように、
「アベノミクスを問う選挙」
と言っている。
安倍首相は6月1日の記者会見で、
「アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが来る参議院選挙の最大の争点であります」
と述べた。
まるで、アベノミクスがうまくいっているかのような言い方だが、現実をよく知っている人は、アベノミクスが破綻していることを知っている。
経済情報を提供するロイター社がウェブサイト上でオンライン調査を実施している。
http://jp.reuters.com/news/politics
「アベノミクス、あなたの採点は」
という設問に対して、点数を選択できる調査が行われているが、
30点未満が 46.68%
30-40点台が 18.16%
両者を合わせると64.84%になる。
これが常識を備えた主権者の判断であろう。
また、同調査は、
「増税延期、首相の理由説明は」
という設問を設定している。
まったく納得できない が 47.68%
あまり納得できない が 20.31%
両者を合わせると67.99%になる。
NHKは6月に実施した世論調査結果として、
安倍総理が、来年4月の消費税率10%への引き上げを2年半、再び延期する考えを表明したことについて、
「評価する」が 58%
「評価しない」が 36%
と報道したが、悪質な情報操作である。
ロイター調査のように、
安倍首相の増税延期の理由説明を評価するか
をまず質問し、
次に、
増税を延期するべきか
を問うべきである。
圧倒的多数の回答者が
安倍首相の理由説明を評価しない
と回答し、
増税延期をするべきだ
と回答するだろう。
世論調査の回答は設問によって自由自在に「操作」できる。
「アベノミクス」が一時的に高評価を得た理由は、
2012年11月から2015年6月にかけて、円安と株高が進行したからだ。
円安進行の主因は米国金利上昇だった。
日本の金融緩和強化は二番目の背景である。
これが、アベノミクスの唯一の成果だ。
しかし、日本経済全体はずっと低迷したままである。
経済全体は悪化し続けたが、大企業の利益だけが拡大し、大企業の株価だけが上昇した。
これが、アベノミクスの唯一の成果である。
しかし、その唯一の成果も悲惨な状況に転じた。
円高・株安が進行しているのだ。
国民の貴重な財産である年金資金の運用において、安倍政権は株式と外貨建て資産への資金配分比率を大幅に引き上げた。
その後に、円高と株安が進行しているために、巨額損失を生み出している。
国民に損失を与える安倍政権の経済政策という側面が全面的に拡大している。
参院選の争点は
「安倍政治を許すのか、許さないのか」
であり、
具体的には、
原発、憲法、TPP、基地、格差
の5問題が最重要争点である。
5番目の「格差」が「経済政策」の問題であり、これは5つの重要争点のひとつに過ぎない。
しかし、安倍首相が、どうしてもこれを最重要争点にしたいと言うなら、その提案を尊重してもいいのかも知れない。
安倍政権の経済政策は最悪なのだ。
国民には苦しみだけを与えて、大企業の利益だけを追求するアベノミクスだが、円高・株安の局面を招いて、完全な泥沼に嵌まり込んでいる。
これを評価する選挙になれば、安倍政権が大敗北することは必至だからだ。
GPIFの運用損失が指摘されているが、安倍政権が生み出している巨大損失はこれだけではない。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1473号「国民資産の巨大損失生み出す安倍政権」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
|
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
|
安保法制の落とし穴 価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章 価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
![]() |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062880598/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062880598&linkCode=as2&tag=miyokotk2011-22" target="_blank">amazonで詳細を確認する
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
![]() |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
![]() |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
![]() |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 「改憲勢力3分の2窺う」というフィッシング詐欺 | トップページ | 2016年前半安倍政権損失が37兆円に達する疑い »
「アベノミクス」カテゴリの記事
- さようなら国民の生活が台無しアベノミクス(2018.04.09)
- 成長率も賃金も最低最悪のアベノミクス(2018.02.14)
- 2017年回顧と2018年展望2ハゲタカファースト政治(2017.12.29)
- 人の道外すアベノミクス本質は「畜生道」にあり(2017.08.30)
- まともな調査はアベノミクス否定が3分の2(2016.06.28)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1026314/66243044
この記事へのトラックバック一覧です: まともな調査はアベノミクス否定が3分の2:
« 「改憲勢力3分の2窺う」というフィッシング詐欺 | トップページ | 2016年前半安倍政権損失が37兆円に達する疑い »