競争社会で見失っている本当は一番大切なこと
昨年の7月21日付ブログに
「「今だけ金だけ自分だけ」の対極にある真の政治家」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-d103.html
と題する記事を掲載した。
メルマガ第1197号タイトルは
「人間の幸福破壊するグローバル強欲巨大資本」
ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカ氏を紹介した記事である。
上記記事冒頭にこう記した。
「ホセ・ムヒカという人物がいる。
知っている人はそれほど多くないだろう。
1935年生まれの80歳の男性。
ウルグアイの首都モンテビデオの貧困家庭に生まれた。
4度逮捕され、2度脱獄したが、1972年に最後に逮捕されたときには、軍事政権が終焉するまで13年近く収監された。
このホセ・ムヒカ氏が2010年3月から2015年2月まで、ウルグアイの第40代大統領を務めた。
個人資産は、フォルクスワーゲン・タイプ1のみ。
大統領公邸には住まずに、首都郊外の質素な住居に暮している。
給与の大部分を財団に寄付し、月1000ドル強で生活しており、
「世界で最も貧しい大統領」
として知られてきた。
『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』
http://goo.gl/5NPQ94
このホセ・ムヒカ氏が来日して講演した。
講演内容を中日新聞(東京新聞)が
「政治の放棄は少数者の支配を許すことにつながる」
ムヒカ・ウルグアイ前大統領講演
として報じている。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016040990070429.html
とても大切なことを述べている。
私たちにとって、本当に大切なものは何か。
一人一人がまっさらな心で、見つめ直す必要がある。
中日新聞記事から一番大切な部分を転載させていただく。
「世界を担っていく若い人たちに向けて話をしたい。
私たち人間にとって最も重要なことは何か。
生きていることだ。
いろいろなことができるという意味で「生」は奇跡に等しい。
しかし、気の向くままに生きるのと、人生を方向づけながら生きるのとは全く違う。」
「この社会と向き合う上で、哲学、政治、倫理という価値体系が存在する。
ところが、この社会を形づくる市場経済というものからは倫理、特に哲学が分離してしまった。
市場によって、私たちは組織だった社会に生きるようになったが、それは人々に浪費を強いるシステムでもある。
何かを買うために生きる。浪費し、消費することが不可欠な社会になってしまった。」
ここからが核心部分だ。
「だが、お金で物を買っていると思うだろうが、実は自分の人生の一定の時間と引き換えているのだ。
家族や子どもと過ごす時間を削って消費する。
新しい物を、いい物を買うために、人生で一番大切なのは愛であるのに、愛情を注ぐ時間を浪費している。
消費そのものを否定はしない。
ただ、過剰はいけない。
人生の原動力となる愛情を注ぐ時間を確保するために、節度が必要だ。」
本当にものが見えているというのは、この人のことを言う。
ものが見えているようで、実は、本当に大切なものを見失ってしまっている人が、どれほど多いことか。
とりわけ、社会で支配的な地位にいる人々が、本当に大切なものを完全に見失っている。
自分の時間をすべて注ぎ込み、家族と触れ合う時間をすべて削ぎ落し、仕事に明け暮れている人は、
「家族のために、他の人のために、我が身をすべて捧げている。
自己犠牲そのものである」
とアピールしていないか。
しかし、真実は違う。
単なる自己陶酔、自己満足、感謝の強要、自己宣伝でしかない。
本当に大切なものが何であるかを知っている人は、大切でないものを粗末に扱い、大切なものを大切にする。
それが「生」を大切にするということなのだ。
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