今国会だけでなくTPP批准を完全阻止する
4月21日正午から午後1時まで、
衆議院第2議員会館多目的会議室において
「TPP批准阻止4.21院内集会」
が開催される。
主催はTPP批准阻止アクション実行委員会である。
TPP批准阻止アクション実行委員会は3月30日に
「TPPを批准させない3.30国会行動」
“国民の同意なきTPP協定・止めるなら今しかない!”
を挙行した。
国会行動には700名の主権者が参集して、意義深いアクションが展開された。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/330tpp.html
憲政記念館で実施された決起集会には、民進党、日本共産党、社会民主党、生活の党と山本太郎となかまたち、無所属の国会議員が多数参加してTPP批准阻止に向けての決意を表明した。
さらに、集会後に実施されたキャンドルデモは、自民党本部前を通過し、衆参両院において民進党、共産党、社民党の国会議員団に対して請願を行った。
これらの運動が功を奏し、今次通常国会でのTPP批准が困難な情勢になりつつある。
国会においては、安倍政権がTPPに関する情報の提供を拒絶する一方、衆議院TPP特別委員会の西川公也委員長が、TPP交渉の内情を暴露する著書を出版する予定であったことが発覚し、国会審議が紛糾を続けている。
4月15日には審議が再開される予定だったが、熊本県を中心に大地震による災害が発生したため、審議は見送られた。
週明けから審議が再開される見通しである。
しかし、TPPを批准するための審議時間は確保できず、月内に衆院を通過することは困難である。
このなかで、4月21日正午から午後1時まで、衆議院第2議員会館多目的会議室で
TPP批准阻止4.21院内集会
が開催される。
私も出席して、TPPの基本的な問題点について説明をさせていただく。
国会議員から国会審議についての報告がなされ、各界からの報告もなされる。
政府はTPPを
「環太平洋経済連携協定」
と表記してきたが、この表記が
「環太平洋パートナーシップ協定」
に変容した。
この意味は重大である。
前者は「経済」に関する協定であるが、後者は「経済」に限定しない、「包括的な」協定を意味する。
TPPの本質はISDS条項にある。
西川公也氏が出版予定だった
『TPPの真実
-壮大な協定をまとめ上げた男たち-』
には、ISDS条項について、次のような記述がある。
大手建設業の現地法人がフィリピンのマニラで建物を施行して竣工したが施行主が倒産してしまい、90億円の請負費用を回収できなくなった。
まもなく建物はフィリピン政府に差し押さえられてしまい、現地法人は建設費用を回収できなくなった。
このようなときにISDS条項があれば企業はISDS条項を活用してフィリピン政府に対して損害賠償を請求できる。
このような記述がある。
こうした一事例でISDS条項の取扱いを考えられては困るのである。
ISDS条項は一国の国家主権を奪うものである。
ISDS条項が正当化され得るのは、法体系が未整備の国への投資を保護する必要が認められる場合に限られる。
そもそもは、そのような国に投資を行うのも、行わないのも自由な選択であるから、法体系が未整備であるなかで勝手に投資を決めておいて、法体系の不備を相手国の主権を奪うかたちでISDS条項で守るという話もいかがなものかという根本問題はある。
いま問題になっているのは、フィリピンへの投資ではなく、日本への投資なのだ。
日本の法体系が整備されているなら、日本での紛争は、日本の裁判所が処理すべきことは当然である。
日本で生じた紛争を海外の紛争処理機関で処理し、日本の司法権が及ばないというのは、主権の放棄、主権の喪失そのものなのだ。
「環太平洋経済連携協定」
が
「環太平洋パートナーシップ協定」
に変容したのは、この協定発効後、日本は主権国家としての地位を失うということを意味していると考えるべきなのだ。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1413号「「公約6項目」を「重要5項目」にすり替え隠蔽するNHK」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
安保法制の落とし穴
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062880598/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062880598&linkCode=as2&tag=miyokotk2011-22" target="_blank">amazonで詳細を確認する
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:鹿砦社 |
« 震源が南西に広がるのに鹿児島を映さないNHK | トップページ | 被災者支援公的サービスの基本は被災者への奉仕 »
「TPP」カテゴリの記事
- 安倍政治が売国政治である決定的な証拠(2018.08.18)
- 『タネはどうなる?!』種子法廃止と種苗法運用改変(2018.07.20)
- 日欧EPA影響試算は試算ではなく根拠なき妄想(2018.02.10)
- 売国まっしぐらの安倍暴政日欧EPA&TPP11(2018.02.09)
- TPP推進安倍政権支援は馬鹿主権者だけだ(2017.11.12)
« 震源が南西に広がるのに鹿児島を映さないNHK | トップページ | 被災者支援公的サービスの基本は被災者への奉仕 »